hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

妻を「救う言葉」とは

回答数回答 2
有り難し有り難し 13

  27歳男性です。1年間遠距離恋愛をしていた女性と先月入籍しました。
 1年半ほど前、私は会社から本社へ半年間の出向を命じられそこで彼女と知り合って交際がスタートしました。出向期間が終わって支社へ戻る際、私は彼女に対し結婚の意思があることを伝えました。

 その後、交際は順調に続いたため晴れてプロポーズし、彼女からもOKを貰いました。今思えばそこで冷静になってよく話し合うべきだったのですが、あまりの嬉しさに私が舞い上がってしまったのと、遠距離のため直接会って話す機会が少なかったのも相まって、お互いの将来をよく話し合わないまま、私主導で両家顔合わせ、入籍を済ませてしまいました。

 ところが先日、彼女から泣きながらに電話があり、「入籍したことを後悔している」と告げられました。既に半年後に彼女が私の支社へ異動することも決まっていたのですが、「私はもっと自由でいたかった。正直あなたとの結婚に前向きになれない。しかし、もう私には選択肢がない。できることなら入籍前に戻りたい。」と涙ながらに言う彼女に私は何も言えず、ただ話をうんうんと聞くことしか出来ませんでした。その後も何度か話し合い、「私はあなたを愛しているし、なんとか前向きに考えていこう。」と言いましたがうまく気持ちが伝わらず、ついには「どのみち私にはもう選択肢がないのだから、これ以上話し合っても仕方ない。あなたは話を聞くばかりだったが、私を救う言葉を言ってほしかった。あなたを好きかどうかもよくわからなくなってしまった。」とまで言われてしまいました。

 私は生来臆病なところがあり、自身の発言によって相手に嫌われるかもしれないと考えるあまり自分の意見を素直に言えないところがあります。このような性格が話し合いの中で彼女を不安にさせ、彼女を傷つけたことを悔やんでも悔やみきれません。なにより、自らのせいで心から愛する人が苦しんでいるのに何も出来ない自分が腹立たしくて、情けなくてたまりません。現在離婚はお互い考えていませんが、彼女を『救う言葉』とは一体なんだったのでしょうか。私はこれからどう彼女に向き合っていけばよいのでしょうか。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

言葉よりも、自分自身をさらけ出して

人生の大きな岐路に立ってお悩みのこと、毎日が気の晴れないこととお察しします。
お辛いでしょう。

文面でのやり取りの為、私の勘違いがありましたらご容赦ください。

結論から申し上げますと、言葉ではなく、言葉の背景にあるご自身の在り方に注目されてはいかがでしょう。

「私は生来臆病なところがあり、自身の発言によって相手に嫌われるかもしれないと考えるあまり自分の意見を素直に言えないところがあります・・・」とお書きです。お相手の立場からは、恐らく質問者様が何を考えているのかわからない人、と映っているのではないでしょうか。嫌われるか、好かれるか、相手の顔色を見るのではなく素直に、ストレートに、「好き」「嫌い」「良い」「悪い」(例えばですが)など自分の思いを仰るように一日一回、励行されてはいかがでしょうか。何が好きか、嫌いかが分からないと受け取られている延長上に、お相手からすると「本当に私のことを愛しているかが分からない」になっているのではと勝手ながら想像いたします。

「手を打てば鳥は飛び立つ鯉は寄る 女中茶を持つ猿沢の池」という古歌があります。興福寺というお寺にある池での出来事で、そこで手をパチンとたたくと池に憩う鳥は鉄砲の音かとびっくりして飛び立ち、鯉はエサの時間だと寄ってくる、お茶を出すお店の女中さんはお茶を出すタイミングだと思うという歌です。つまり、手を打つという一つの出来事にも立場が違うと全く違った見方になるということです。

人間同士違いがあって当然です。しかるに、お相手との違いは人間なればこそ沢山あるのではないでしょうか。これまでお相手と過ごされてきて、お相手に嫌われないために顔色をうかがって、その違いに切り込んでいなかったことはありませんか。お相手が質問者様を「好きかどうかわからない」と言われたのは、その違いに触れるのを恐れてきた延長上に起こっていることなのではありませんか。質問者様がどんな人かが、お相手には見えないのしょう。

同じものもをお相手と見て、「綺麗」「どうかな」、「好き」「嫌いだなー」というやり取りにこそ人間と人間は近づいていけるのでしょう。ご自身をさらけ出して、生身の心と心を通わせていけば、いずれ「愛している」は本当に響く言葉となってお相手を「救う」と思います。

{{count}}
有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
このお坊さんを応援する

心は無常

仏教では、心は無常だと言います。
今の感情が永遠に続くわけでもないし、全く連続で途切れず続くわけでもありません。
結婚に後悔していると言う人でも、鼻をかむときはティッシュを手にとることを考え、結婚も後悔も忘れています。
人間の悩みって、結局はそのような「心のお天気」であり、瞬間瞬間に浮かんでは消える思考と気分なのです。
また、恋愛感情も永遠に続くわけではありません。
彼女がなぜ後悔しているのか、求めている自由とは?自由を制限されていると感じるのはどんなときか?
そのあたりの理由がわかりませんが、今の苦しみが永遠に毎秒続くわけではありません。
あなたが落ち着いて穏やかな態度を保つことが、彼女にも落ち着きを与えるかもしれません。

{{count}}
有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

お忙しい中、ご回答ありがとうございます。
虚を疲れると同時に、少し心が楽になりました。
思いを伝えるのは苦手ですが、自分なりの方法で精一杯私の考えを伝えてみます。
本当にありがとうございました。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ