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子を産む理由

回答数回答 2
有り難し有り難し 19

ダラダラとSNSを見ていて、気になる投稿を見て、ずっと心がモヤモヤしています。

その投稿内容は、
「いじめに遭わない、事故にあわない、病気で苦しまない、容姿に悩まない、仕事で悩まない…理不尽な目に遭わない…そんなこと1つも起こらない人なんていないのに、なぜ子供を産むのか?産まなければ、その子は苦しむことはなく、親も苦しまないのに。」

といったものでした。

「産んでくれなんて、頼んでない!」と子が親に言うドラマも見たことがあります。

私も親になり、子供が可愛くて仕方ありません。最高の宝物です。でも子供がもし、そんなことを言い出したら、なんて答えたらいいんだろう…と答えが見つからないままです。

お坊さんなら、なんて答えますか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お母さん自身の問題でもあるのですね

ご相談拝読しました。

SNSに惑わされる必要はありません。でもその投稿にモヤモヤし、こうして気になっているということは「自分の子にどう答えるか」という子どものための問題というだけではなく、「私はなぜ生まれ、何のために生きているのだろう?」というあなた自身の問題でもあるということなのではないでしょうか?

投稿をした人もやはりその問いを抱えていて、まだコレだというものを見出せていないのでしょう。そしてあなたもそうなのかもしれません。

でもこの「問い」には「答え」などないのです。だから子どもに『「正解」を与えなきゃ』と焦る必要はありません。

その「問い」をお子様と一緒に考えていける親になってください。

もしも、いつかお子様がそのように尋ねることがあったのなら、それはきっと大きな不安の中に入る時です。

その時はとりあえず、

「それでもあなたに会いたかったから」

でいいのではないですか?

精一杯の言葉を添えて抱きしめるしかない気もします。

お子様が『こんなこと聞いちゃいけないんだ』と、この大事な問いにネガティブにならないように、『不安を伝えてくれてありがとう。お母さんもわからないけれど一緒に考えていこうね』と伝えてもいいかもしれません。

そしてできることなら

『確かに生まれたいと自分で思って生まれたわけではないし、生まれたからには色んな苦労もあった。それでもお母さんは生まれてよかったわ。あなたもそう言える自分に出会ってほしいと願っているよ。』

と言えるように、あなた自身が何かを見出せたらいいですね。

仏教はきっとその何かを与えてくれるものであると私はいただいております。

何かとは「答え」が見つかるのではありません。「問い」の前に立ち続ける勇気をもらえるのです。

【追記】
お返事読みました。これまで辛かったのですね。だからこそ、今の「幸せ」が崩れることが恐いのですね。
でも、あなたはこれからきっとお子様と一緒に、「生きる意味」を問うことをごまかさずにしていける親子になっていけると思います。

「幸せ」は何か特定の状態ではありません。それが「幸せ」ならそんなに脆く儚いものはないからです。

どんなことがあっても「生きる意味の問い」の前に立つ勇気をもらえたならば、「幸せ」も見出していけるのだと思います。
思いのこもったお返事ありがとうございます。

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おきもち

個別相談可能
はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

輪廻転生からの解脱を目指そう

悟らない限り、死んでも輪廻転生して違う生き物になってしまう。
仮に人類が滅びても、虫や魚に生まれかわるか、異星人や神様、地獄の住人になる可能性もある。
生きるのが苦しみだと気づいたら、輪廻転生からの解脱を目指すこと。
そのためには、仏教の修行をして悟りを目指す、真理に気づく必要がある。
私ならそのように答えます。

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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

質問者からのお礼

回答をしていただき、ありがとうございました。
回答を読ませていただき、ぽろぽろと泣いてしまいました。

おっしゃるように、私自身、今の幸せまで辛いことが多かったからです。明日目が覚めないといいなと思いながら寝る日もありました。
今は、幸せすぎて死ぬのが怖いです。
子どもが困難に遭えば、一緒に考えられる親になりたいと思います。
ありがとうございました。

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