自分を大切にする方法
「自分を大切にしろ」ととてもよく言われます。でも自分を大切にするということがどういうことなのか、考えても答えが出ず、相談させて頂きます。
いつも家族を一番に考えています。「両親に不安を感じさせたくないからお堅い企業の正社員」「両親や兄弟を老後に養うために日々節制して貯蓄」などを軸にいつも行動しています。誰に言われてそうしているわけではありません。私がそうしないといけないと思って自発的に行っています。パワハラに何度あっても、急性胃腸炎で倒れても、無職になっては不安にさせると仕事を選んできました。
でも、今まで何度も冒頭の言葉を言われます。「もっと自分のために生きていい」「自分を大切にしてほしい」と…正直、自分のために生きたことがないからどうしたらいいのかわかりません。
持病もあり、今から他のことを始める勇気がないだけかもしれません。自分が本当にやってみたいことなんて、一度も考えたことがなく、改めて考えてみても難しいです。
自分を大切にする、とはどういうことなのでしょうか?
なにかご助言いただけますと幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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自分で直接見て、聞いて、触ってみる
こんにちは、初めまして。
「自分を大切にしろ」とは、どなたにそう言われたのでしょうか。恐らく口調の感じからお父さんでしょうか。この点が判然としませんが、曖昧ながら近しいどなたかという前提で私の感想を述べます。
「パワハラ」「急性胃腸炎で倒れても」お勤めを続けられているのですね。先ずは、その不屈の意思と真面目に仕事を続けられる、あなたの芯の強さを感じます。この点は素晴らしいことだと思います。
次に、この岩にかじりついてでも貫き通す意志の源泉は、「自発的」なものだと仰っています。
しかし、私にはあまりそう感じられません。何故なら文面に「お堅い企業の正社員」として働くこと、「両親や兄弟を老後に養うために日々節制して貯蓄」することをしていると仰ってます。明確に「両親や兄弟」のためにと言われています。また、「無職になっては不安にさせると仕事を選んできました」とも言われていますね。誰を「不安にさせる」のでしょうか。「両親や兄弟」をではないですか。
あなたは、真面目で、誠実で、責任感が強く(特に肉親に)、意志が強いお人だと思います。心身に不調が起きて、倒れても倒れても立ち上がる。並みの強さではありません。これは、本当に得難い人格です、素晴らしいことです。
でも、これは「両親や兄弟」のためであり、尽くすことで自分を認めてほしい、愛してほしいということの裏返しで必死に努力しているようにも見えます。あなたの文面からは、どこに向かって駆けているか分からないまま荒野を一人で一生懸命疾駆してる姿が想起されます。
「両親や兄弟」のため、という方向性は簡単に気持ちが切り換えれらないかもしれません。
でも。ここで一度深呼吸をして、ちょっと頭の体操をしてみましょう。誰々のためを手放したとき時、自分は何をしたいでしょうか。小さい時に好きだったことなどありますか。これを機会にやってみるというのはどうでしょう。自分一人の時間を楽しむ、或いは趣味教養などで同好の士を得る。家族以外の人と楽しむ時間を得るということをまず試してみては。
「楽しい」「嬉しい」という感情を、他人を通してではなく自分が直接見て、聞いて、触ってみるというところから「自分」という感覚が醸成されると思います。
ご参考になれば幸いです。
あなた自身が幸せなら良い
あなた自身が幸せであることが、「自分を大切にすること」では。
この1秒間は幸せですか?
この1週間は幸せでしたか?
この1年間は幸せでしたか?
明日は幸せそうですか?
何が「あなたのため」なのか?
家族のために働くことに
幸せを感じているなら
それはそのまま
「あなたのため」になっています。
仏教では利他行とも言いますが
それがそのまま自利を感じているのですから
自信を持って家族のために生きてください。