自分の存在が気持ち悪いです。
自分が機能不全家族で育ったという事実からずっと目を背けて生きてきました。両親からの虐待を受け、心が不安定なまま大人になりました。それでも自分が結婚してからは親と和解したつもりで、親の力になれる場面を1つでも多く作れるように頑張ってきました。でも、それは子どもの頃に受けられなかった親からの愛情や賞賛を得たくて無意識のうちにやっていたことだと気付きました。
全てを親のせいにしてはいけないのですが、うつ病になって心のバランスを崩してから、自分の生い立ちを恨めしく思うことが増えました。子どもの頃は虐待に負けずに力強く生きていたのに、大人になってから心のバランスを崩して、情けないです。
自分がアダルトチルドレンの特徴に当てはまると気付いて、自分の存在が気持ち悪いです。
同僚も私の自己肯定感の低さや自己犠牲を払う癖を見て、何かしら勘付いているのではないかと不安です。
本当は家族と縁切ってもおかしくない状態の自分が家族に必要とされたくて、家族のために尽力しているのが急に滑稽に思えてきました。
自己犠牲を払わないと誰からも愛されないのではないか、誰からも必要とされないのではないかと不安でたまりません。
とにかく今は心のバランスを崩して、自分の存在が気持ち悪くて仕方ありません。
自分をどう立て直して生きたら良いでしょうか。
まとまりのない相談で申し訳ないございません。
御教示いただけますと幸いです。
お坊さんからの回答 2件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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あなたは何も悪くない
匿名 様 相談ありがとうございます。
いま、鬱病の影響で苦しんでおられるご様子(違っていたらすいません)、まずは心療内科や精神科のお医者さんの治療などを優先することを前提に、お話し申し上げます。
あなたは、何も悪くないということです。
あなたが今苦しんでいるアダルトチルドレンのような感じ、自己肯定感の低さ、自己犠牲を払う癖、すべてあなたのせいではありません、あなたに責任はないのです。虐待を受けたり、機能不全を経験すると、どうしてもその影響で脅威感情が先に立ち対人関係が不安定になります。それは総じてしっかりとした愛情が育まれなかったからと言えるでしょう。
だからといって愛情を求めて、自分を貶めたり、自己批判したり、依存的に愛情を求めたりしても、効果はないでしょう。
まずは自分を責めないことです。安心安全をよく感じるようにして、心を癒し、穏やかに落ち着かせることが大切です。
癒された経験や安心安全を感じた体験を思い出してみましょう。何となく心が温まったような感じになるでしょう。その感じが大事です。最初はわずかでもいいのです。少しずつ段々心の温かさを感じるようにしていきましょう。
さらに、呼吸法やマインドフルネスなどの瞑想法で今の自分を評価せず判断せず、ただ感じるようにして、自分が今ここにただ居ることをそのまま受け入れるようにしてください。「自分が今ここに居ることが、それでいい」「今ここに居ていい」とリラックスして感じることが支えとなってきます。
そして、思いやりや優しさを自分に向けることです。「慈悲の瞑想」などが役に立ちます。その一つの方法は、親しい人から優しさや思いやりを向けられたことを思いだし、その時の感覚・感情を自分の中にしっかりと取り入れて、それが心と体に充満するようにイメージする方法です。
人は思いやりを受けて感じる時、やがて心のバランスが整えられるようになるのです。あなたにもできます。大丈夫です。ぜひ参考にしてください。
一礼
追伸:早速にお礼メッセージありがとうございました。この度のご縁に感謝申し上げます。どうぞ遠慮なく辛い時は今後もご相談ください。慈悲の心を育むことはきっと役に立ちますよ。再礼
苦しみを「縁」として見つめる
仏教では、私たちの心の在り方も「因」と「縁」によって生じると説かれます。あなたが今「自己犠牲しなければ愛されないのではないか」「自分の存在が気持ち悪い」と思ってしまうのは、幼少期の体験(因)と、親との関わり(縁)が重なって形づくられた心の働きです。
つまり、あなたの弱さではなく、条件が揃った結果として今の心があるのです。ここに「恥じるべき自分」はいません。
・苦しみを智慧に転ずる
釈尊もまた、生老病死・愛別離苦・怨憎会苦といった人生の避けられない苦しみを説かれました。それを「なぜ私だけが」と思うと苦が増し、「これは人の世に普遍的なもの」と受け止めると、少しずつ心は柔らぎます。
「自分がアダルトチルドレンだから気持ち悪い」のではなく、「人は皆、不完全さを抱えている。その不完全さを受け止める道を歩むのが仏道である」と考えてみてください。苦しみを抱えているからこそ、他者の痛みにも共感できるのです。
・実践のすすめ
慈悲の瞑想
「私が安らかでありますように。親が安らかでありますように。すべての存在が安らかでありますように」と唱えてください。怒りや悲しみを押し込めるのではなく、優しさで包む修行です。
因果の観察
「私は親の行いの被害者であったが、同時にそれに縛られ続ける必要はない」と確認する。過去は変えられませんが、未来の因は今から築けます。
縁を選ぶ勇気
仏教は「縁起」を重んじます。苦しみを増やす縁からは離れ、支えとなる縁と新しく結ぶことも修行です。家族であっても「距離を取る」ことは悪ではありません。
・結びに
仏教では「すべての存在には仏性がある」と説かれます。あなたの存在も決して汚れてはいません。
今は雲に覆われていても、その本性は光り続けています。どうか焦らず、雲の下にある光を信じてください。
「自分が気持ち悪い」と思う心も、実は「幸せに生きたい」という願いの裏返しです。その願いを大切にしながら、一歩一歩、自分を慈しむ実践を重ねていただきたいと存じます。
合掌
質問者からのお礼
御教示いただき、ありがとうございました。今、温かい涙が流れ、心のつかえが取れた感覚があります。ずっと誰にも言えずに苦しんでいたことを受け止めていただけたことに大変感謝しております。
特に「慈悲の瞑想」については初めて知り、大変勉強になりました。御教示いただいたことを自分の体と心に染み込ませ、1歩1歩回復への道を進んでいきたいと思います。
この度は誠にありがとうございました。



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