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浄土真宗と曹洞宗の天国とは

回答数回答 1
有り難し有り難し 17

こんにちは。
最近祖父が亡くなり、葬式も終わりました。
私は結婚していて、実家は浄土真宗、母方の実家は曹洞宗、嫁いだ先は禅宗です。
今まで浄土真宗のお葬式や法要などで実家の祖父母を供養してきましたので、浄土真宗のお坊さんの話をたくさん聞いてきました。
そのうちに、浄土真宗の考えに安心できるようになりました。
今回亡くなったのは曹洞宗の祖父です。
浄土真宗だと亡くなってすぐに浄土に行けるそうですが、調べると曹洞宗だと山を越え川を渡り裁きを受けて長いことかけて六道に分かれるのでしょうか?
今祖父はどこにいるのでしょうか。
49日までは祖父は修行をしているのでしょうか。
足も悪くなっていたのに山を越えて険しい道を一人で苦戦しながら行っているのではとすごく心配です。
寝たきりのままなくなった人でも、ちゃんと天国まで歩いていけるのですか?
また、宗教が違っても天国で会えるのでしょうか?

もう1つ引っかかるのが、私はお菓子の仕事をしているのですが、たまに祖父母が家に来たときにケーキがあれば出していましたが、最近は来る回数も減りあまり食べさせてあげられませんでした。
なので、シフォンケーキを焼いて棺に入れたかったのですが入れられませんでした。
クッキーだけは入れられたのですが。
そこで今はシフォンケーキは祭壇の前にお供えしてあるのですが、祭壇や仏壇にお供えすれば食べてもらえるのでしょうか。
もっと祖父にお菓子を食べさせてあげたかったです。

子供の頃はたくさん遊んでもらったのに、大人になってからは愛想が悪く、笑顔もあまり見せられませんでした。
曾孫には会わせてあげられたし、曾孫とは元気なときには楽しそうに遊んでいたのでそれが救いですが。
今からでも祖父に何かしてあげたいです。

亡くなってとても悲しいのに、普通にお腹が空いたり、普通に生活できてしまう事に罪悪感を感じ辛くなります。。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

道に浄土あり。以って安穏なり。

はじめまして、こんにちは。
浩文(こうぶん)と申します。

曹洞宗では
亡くなった方がどこへ行くかということについては
事実上まとまった教義というものはないように思われます。
歴史的に見ても、山を越え川を渡り、裁きを通して49日を迎え、
というのは古来中国の習俗から来ているのだろうと言われています。
つまりこれはもともと教義としてあったわけではないということです。

もちろんこれをそのまま取り入れたわけではなく、
曹洞宗特有の、独特なワーディングで
「死後の道のり」を受け止め直していると思います。

ともかく長くなるので省きますが、
結論から言えば
曹洞宗は、道元禅師の説かれた教えの中でも
「『歩む道のり』そのものが仏である」
という点を強調していると思われます。

亡くなられた方と
遺された方の
それぞれの『あゆみ』に仏が在り、浄土が在るといえると思います。

浄土とは、
「理想郷の実現」という、ひとつの「到達点」ではなく
「理想郷の実証」という、「いくつもの尊い点の連なり」なのです。

はなさんが
おじい様といて楽しかったこと、
してあげたかったこと、
それらを
刻一刻とかみしめて供養を伸べ、
生き生きとその日を過ごすならば、

それが道としてそのまま
おじい様の『安心』であり『浄土』であり
『仏』であると思います。

そのときはじめて
おじい様の49日に渡る道のりは
苦戦するものでも独りぼっちのものでもなく
浄土のうえを「私はちゃんと歩いているよ。」
と教えてくれるものと分るでしょう。

お互い、天と地ほどの距離はあっても
どうかおじい様の「ために」だけではなく
おじい様と「ともに」、浄土を実証してくださいますように。
一杯のお水でも、一凛の花でも、
もちろんシフォンケーキも。
お供えください。
お供えそのものが、そのまま道になります。
浄土になります。
道元禅師もきっとそうおっしゃってくださると思います。

道元禅師はこうおっしゃっています。

『天に道あり。以って高く清らかに。
 地に道あり。以って厚く寧らかに。

人に道あり。
以って安穏なり。』

私もそう思います。

おじい様にも、はなさんにも
それぞれの道に浄土があると信じています。

南方宝生仏
東方阿閦仏
西方阿弥陀仏
中央毘盧遮那仏
                    北方釈迦牟尼仏 合掌

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有り難し
おきもち

吉井浩文
Buddhism. knowing what it actually i...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。
祖父に届くと信じて、お供えしていこうと思います。
行けるときは子供達を連れて、一緒に手を合わせ、お菓子もお供えしに行こうと思います。
そして49日まではできるだけ、祖父を励ませるよう、毎週の法要に行こうと思います。
少し心が楽になりました。

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