hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

特定の宗教を信じる元彼に未練ばかりです

回答数回答 2
有り難し有り難し 30

 以前、ある宗教を信じる彼と交際を続けることについて質問させていただき、彼と別れ2ヶ月ほど経ちます。
 当時、別れるか私が入信するかの選択を突如迫られました。彼の宗教の排他的な考えが受け入れられず、彼の短期間での変化も側で見たため、自分がその考えに染まることを恐れ、彼が求めた、宗教に話を聞きにいくことさえしませんでした。公式の動画を見たりなど勉強は必死でしました。
 彼は優しくなりたいと思いつつも、人の気持ちが理解できない、自分中心の考えになってしまう等の部分がとても多く、一緒に生きるのは困難を伴う人であることを頭では理解していました。また、私が入信しても、いつかまた彼が宗教以外の大きな何かに惹かれたとき、今回のようにそれと天秤にかけられ、自分が何かを捨てたり妥協し変わることでしか、そばにいられないような気がしました。そのこともあり、その宗教に足を踏み込み大好きな彼と一緒にいたいという思いを無理に塞ぎ込むような形で別れを選びました。

 それなのに、今でも大好きなのです。

 彼に、私に歩み寄る選択肢はなかったと思いますが、自分自身も、聞きにさえいかなかったことで彼をどれだけ傷つけ、信頼を失わせたかを思うと胸が苦しいです。このせいで、彼が宗教の道にいくのをさらに後押ししたかもしれません。彼の生き方を尊重するために、結婚のためかたち上入信することさえもしませんでした。排他的な考えをしていたのは自分ではなかっただろうかと思っていつまでも悩んでいます。

 彼は宗教にこれからより身を捧げます。良い考えに混じっている一部の排他的な考えにより、当時の考え、自分で決断する力を彼が失うかもしれません。
 彼は、どうして俺のことをそんなに愛するなら、話さえも聴きにこないのかと言っていました。いかない理由については何度も彼に説明しましたが、あまり理解してもらえませんでした。きっと信者でない私との愛は偽りのものだった、さらに私には宗教を学ぶという向上心がない、という考えをその宗教の学びにより感じていると思います。そんな私のことなんてもうどうでもいいと思います。とても悲しくて悔しいです。
 
 理性を働かせ彼と接触することを必死で控えていますが、いつか心が理性に追いついてくれるでしょうか。
 いつまでも彼の信じる宗教を悪く見てしまうことも治せません。

質問がまとまらずすみません。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

フェアとアンフェア

こんにちは。
前回も回答させて頂きました。
またご縁がありましたね。

「いつか心が理性に追いついてくれるでしょうか」と仰っていますが、あなたはまさにその途上にあるのだと思います。

文中で「今でも大好きなのです」と言われるあなたの強い想いが印象的です。恋というより愛のレベルで彼と繋がっていたからこその言葉でしょう。前回のお礼のメッセージでは、彼と袂を分かったことが述べられていましたが、やはり愛は簡単に冷めるものではないのでしょう。その意味では、あなたは大変お苦しい状況だと思います。

その上で、あなたにお考えいただきたいと思います。
あなたは、彼の宗教のお話を聞きに行かなかったということを自責の念で捉えています。では、彼はあなたにどれほど歩み寄ろう、話を聞こうと努力されたのでしょうか。彼は、あなたほどの自責の念を持っているでしょうか。

人間は男女問わず一対一になったとき、そこには暗黙のルールがあります。それは、お互いが互いの考えを尊重し合わなければならないというルールです。それによって初めてフェアな場が成立するのです。

しかし、彼はあなたに自分に有利な自分ルールを押し付けてきたのではありませんか。そして、あなたはその押し付けられたルールで、アンフェアな場で苦しんだのではありませんか。

若いときに尖っていた人も、段々と時を経れば丸くなってくるということは世間に良くあることです。それは現実を知って、自分の主張が一方的であったり、人のことが見えていなかったりで、人と衝突し、失敗をした結果、磨かれていくという傾向が一般にあります。自分は必ずしも正しくはない、という単純な事実を知るのが人間は意外と苦手なのかもしれません。

しかし、あなたがその宗教を「排他的な考え」と表現しているように、時を重ねても彼はより先鋭的になっていくことが考えられます。その二十年後、三十年後を想像しましょう。あなたは、よりアンフェアな場に立たされているのではありませんか。より不利なルールに追い込まれていくのではありませんか。

かれとの絆を断ち切ろうとした、あなたの判断をこれからも大切にしていってください。

徐々に心は追いついてくるはずです。

御身お大事に。

{{count}}
有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
このお坊さんを応援する

身につまされるご相談なので

まなさん、はじめまして。質問を拝読しました。

まなさんの彼がある宗教を信じ、別れるか入信するかの選択を迫られた結果お付き合いを継続することができなくなったのですね。排他的な考えをする彼の信じる宗教に対して、まなさんが排他的であったのではないかと悩んでおられるのですね。

私にも身に覚えがあります。7年付き合い、将来を誓い合っても良いと思った彼女が私と宗教との選択で宗教を選び去って行きました。彼女の信じるある宗教も、一見合理的ではありますが排他的でした。宗教はすべての人を救うために生まれたもので、排他的であることは本末転倒なのです。

彼が「いつかまた宗教以外の大きな何かに惹かれたとき、今回のように天秤にかけて、自分が何かを捨てたり妥協し変わることでしか、そばにいられないような気がした」とまなさんが書いておられますが、その通りだと思います。

まなさんは彼から離れたところから彼の将来が良き方向に向かうよう祈り続けてください。

まなさんが仏教の知恵で心豊かに過ごすことができるよう祈念しております。

{{count}}
有り難し
おきもち

徳島県の高野山真言宗寺院で住職をしています。 本山布教師心得として自坊の...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

釋 悠水様
 前回に引き続き、親身にご回答をくださり、本当にありがとうございます。本当に力になります。自分は行かなかったのだ、と自分を責めている部分と、でも彼は最初から私のことを尊重してはくれなかったではないか、、、という考えがぐるぐるぐるぐる頭で回って苦しかったです。ただ、アンフェアなところで、私が苦しかっただろうと、優しく寄り添ってくださり、感謝の気持ちと温かい気持ちでいっぱいです。自分をこれ以上にもう責め続けることはしなくていいかなぁ、と自分に優しくしてあげたい気持ちになりました。お互いを尊重し合うことを、これから出会う人との関係の中で大切にしていきたいです。ありがとうございました(^^)

中村太釈様
 親身になってご回答いただけて、本当に嬉しかったです。ご回答を読んでほっとした気持ちになりました。これからも一緒に過ごしたとしても、神様からのアクションが何かあれば僕はそっちへいくよ、と別れる間際、彼は言っていました。また、宗教以外でも、彼が何かを変えると決めた際、私が自分らしくありたい自分のままで生きていくことは、彼との関係ではできなかったんだろうなぁ、と寂しく感じています。苦しくても前へ進めてよかったのだと、ほんの少しですが考える余裕も出てきました。仏教の温かい教えや考えを、このサイトに出会い感じさせていただき、心温まっています。彼が幸せでいてくれるよう、願える自分でありたいなと感じています。本当にありがとうございました(^^)

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ