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私の思いと親の思い

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質問がたくさん寄せられている中、失礼致します。大学卒業後の進路について抱えている屈託があります。内容が内容で相談できる相手がいないため、偶々出会ったこちらでご意見を伺いたく相談させて頂きます。

私が抱える屈託をお話しさせて頂きます。私は大学卒業後にスポーツのプロ選手として生計を立てて行きたいと考えています。半年ほど前に母親に意見を伝えたところ母親には頭を抱え込ませてしまいました。その反応から父親にはまだ伝える事も出来ていません。大学ではきちんと成績を収め、特待生に選んで頂く機会もあったため両親は別の期待をしてくれていたんだと思います。スポーツのプロになるために学位は必要ありませんから、大学に通わせてもらっている身であるため私の気持ちも複雑です。自分の意思を伝えるならば立場をわきまえて志す理由をきちんと説明するのが筋だと分かっているのに中々素直を口に出来ずにいます。スポーツのプロ選手を志す理由が、私が小さい頃に両親に約束した事を賞金で叶えたいというものであり、これが口に出来ません。これが私が実現したい事で、もし実現させる事が出来ればきっと喜んでくれるのではないかと思っているのですが、その過程でかける心配等と釣り合うのだろうかとも考えてしまいます。別の道も考えましたが、私自身が考える適性もあって簡単に諦める事が出来ません。

ここでお伺いしたいのは、ただ元気でいてくれる事を望まれるのではつまらない、特別な何かを両親の一生に添えたいと思う私の気持ちはむしろ心配や迷惑をかける典型なのでしょうか。この様な事を顔見知りの大人に相談することは気恥ずかしくて出来ないのでご意見をお聞きしたいです。

長文を避けられませんでした。ご回答頂ければ幸いです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お互いの「思い」をきちんと確かめるところから

ご相談拝読しました。

お悩みの内容について総論として申し上げるならば

あなたは何のために生きているのですか?

ということです。

あなたは親を喜ばせるために生きていくのでしょうか?あるいは親に迷惑をかけないために生きていくのでしょうか?

人は誰もが生まれ老い病み死んでいきます。私がそうして変化していくことは誰も代わってくれません。代わってもあげられません。あなたはあなたの生老病死をどう受け止めていくのでしょうか?

さて、次に各論というか、具体的にお聞かせいただいた内容に沿って考えてみますが、お母様は一体何にどうして頭を抱えたのでしょうか?

あなたがあなたの思いを上手く口に出来ないということももちろん大きな問題ですが、相手の真意をきちんと聞けていないとしたら、それはお互いに自分の思う範囲内で考えているだけということになります。

人間ですから相手に期待することがあるのは仕方のないことです。

こうしてほしい
こうしてほしくない

というのはあるのでしょう。でも

こうしてほしいのだろう…
こうしてほしくないのだろう…

という「だろう」でそれを突き詰めようとしても無理があります。

お互いにきちんとまずは話しましょう。

その時に、

親が本当に喜ぶとはどういうことか
あなたがあなたを本当に喜ぶとはどういうことか

それをこの道で確かめていこうというものが見えてくるのではないでしょうか。

お金を手に入れても、地位や名誉を手に入れても、最後は必ず死んでいく人生を私たちはどこに向かって生きていくのか。

この答えのない問いを抱えていくには、主体性のない歩みではできないのだと思います。

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

質問者からのお礼

吉武文法 様
ご回答頂きありがとうございます。
吉武文法様が仰るようにやり直しが通用しない人生で"〜だろう"の気持ちで先走るのは無理があるかもしれません。
ご助言を受けて先程母親と改めて話をしました。難しい問題ですが、少しだけ前に進めた気がします。今後も少しずつ、少しずつ歩みを進めていきたいと思います。
この度はご親切頂きありがとうございました。

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