時が経つのがこわいです。
最近子どもを生みました。子どもの世話をしていると、自分の父母もこのように育ててくれたんだなと思いを馳せます。それと同時に、あっという間に自分が子どもを生む歳になったんだなぁ、いつか自分の子どもにもそう思われる時が来るのかなと感じます。
それはきっと嬉しいことでもあるのでしょうが、この時間が過ぎ去っていくことに悲しみを覚えます。
この子が大きくなる頃には、きっと祖母はもういない、自分の父母もそれなりの歳になってしまっていて元気でいるのだろうか、大好きな飼い犬もきっといない。
これから失う大切なものたちを思うと、その瞬間が怖くて、辛くて、心が締め付けられます。
今この時の幸せを噛み締めるべきなのに、幸せを感じれば感じるほど、自分の心が弱くなってしまう気がします。
どのように心を整理したら良いのでしょうか。
他の人が聞いたら呆れてしまうだろうなと思い、誰にも相談できずにおりました。まとまりがなく申し訳ありません。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
今この瞬間を
拝読させていただきました、慈陽院の平本と申します。
時が経つのが怖くお悩みになっているのですね。
まずりこさんは、この時が経つ恐怖というのに気づいたことは、とても良いことなんですよ。
大抵の人は、未来の辛いことは考えないようにしようと問題を先延ばしにしてしまう場合が多いのです。
しかし歳を重ねて、老いと死という事がだんだん現実になっていったときに、否が応でもその問題に向き合わなければいけなくなってしまうのです。
そしてこの問題の結論を見いだせた人は、本当の幸せを手に入れることができるんですよ。
その為にもまず、辛くて、心が締め付けられたときにあることをしてもらいます。
それは、「今この瞬間を集中して感じる」ことです。
具体的な方法としてまず、呼吸の流れに意識を集中させて、ゆっくり5秒程度吐いて、ゆっくり5秒程度吸います。1分から3分程度、慣れたら5分程度行ってみましょう。
また外に出れる状況でしたら、外に出て五感で自然を感じます。日差しや風を感じたり、木々や草花や鳥のさえずりを感じたりします。
未来の不安を感じたら、今この現在この瞬間を集中して感じるようにします。
最初のうちは、意味があるのかなと思ってしまうかもしれませんが、毎日行えば、心の締付けが弱くなっていきますよ。
そして心の締め付けがほとんどなくなってきた時に、不安はないが何かもやもやする。本当の幸せってなんだろう?と感じた場合には、私にご相談ください。
まずは、今この瞬間を感じることに少し力を注いでみてはどうでしょうか。
騙されたと思ってやってみると、きっと効果がありますよ。
またお悩みごとがありましたら、ご相談お待ちしております。
諸行無常と涅槃寂静
りこさま、こんにちは。
ああ、わかりますよ、そのお気持ち。せっかくの得た幸せもなんと脆く儚いものか…せっかくの出会い、共に過ごすことのできる幸せも、別れるとき悲しみとセットですものね。
私の場合、時々、大切な人みんなを殺され、住むところも衣類もすべてとりあげられて、誰もいない荒野に投げ出さても、それでも、幸せに生きていけるように、いつも心を調整するよう心がけています。
おいしいものを食べても、幸せに溺れないように、いつもセーブをかけています。しばしのものだからです。
言い換えれば、私は、「壊れない性質の幸せ」を探しています。「壊れる性質」のことを、仏教では、「無常」といいます。形あるもの、縁があって成り立ってるものはみな、無常といわれてしまいます。
仏道修行者は、この「無常」を離れるために、つまり、壊れない性質の幸せを追い求めて、修行をしてきました。壊れない性質の幸せのことを、「涅槃」と言います。日本語に直訳すると、火などを「吹き消すこと、吹き消された状態」となります。なので、「幸せ」というより、「静かな安らぎ」といったほうが適切かもしれません。そして、実際に彼らは、涅槃にいたってきました。(と、私は信じています。)
このような道に励むためには、まず、りこさまのように、「無常なのはイヤだ!」と、思えなくてはいけません。そういう意味で、りこさま、仏道の門を、たとえ僧侶という格好はしていなくとも、くぐりはじめているのかもしれませんね。
この世は「苦しみ」である!(苦諦)
この世の苦しみには、「原因」がある!(集諦)
その原因は、「滅する」性質のものである!(滅諦)
その原因を、滅するための「道」がある!(道諦)
このように、ブッダは、真理とされる4つの法を説きました。これを、4つ聖なる真理、「四聖諦」と呼びます。「諦める」と書いて、「真理」という意味があります。
ブッダがこのことを、確信をもって!言っているんですね。今のりこさまには、衝撃なのではないでしょうか。
りこさま、どうですか、ブッダについていきたくなりませんか?(^_-)-☆
また、生まれてきたお子さんも、そういう安らぎの世界へいくために、りこさまのところに生まれてきてくれたのかもしれませんね。
では、お互い、無常を乗り越えていきましょう。
質問者からのお礼
ありがとうございます。
こんなことを考える私はおかしいのかなと誰にも相談できずにいましたが、きっと誰しもが通る道なんだなと思うことができました。
心の整理を、出来ることからやってみて、今この瞬間の幸せをいつも噛み締めて生きたいと思います。