母親の施設入所後の仏壇をどうすればいいか
実家の母親は施設に入所しています。実家は空き家になっています。
仏壇があるのですが、今までは月に一回、お寺さんが来てくださる時は近くに住んでいる姉が実家に帰ってきてくれていたのですが、事情があり、姉は実家に帰ってくることが困難になりました。
今後、仏壇をどうするのがいいのか悩んでおります。
父親は『墓はいらない』と言って亡くなり、親戚の人から今のお寺さんを紹介していただき、御本山の合祀墓にお骨は納めてあります。
母親も、そして独身の姉も父親と同じ形になると思います。
ですので、今のお寺さんとの御縁は大事にしたいと思っています。
私は、遠方に住んでいて、年に数回なら、帰ってこれますが、毎月は無理です。
夫は、仏壇を家に迎える事をあまりよく思っておりません。
今年一年は、私が帰れる時だけお寺さんに来て頂き、それ以外はお寺さんの所で拝んで頂く様にお願いしました。
お寺さんは、姉のマンションに移動すれば良いのでは、とおっしゃるのですが、姉は決心がつかないようです。
私も自分が仏壇をみれないのに、姉に押し付けることは出来ないと思っています。
そもそも、空き家に仏壇を置いておく事がおかしいのかもしれませんが、年に数回だけ、お寺さんに来ていただくというやり方は 失礼なことなのでしょうか?
もちろん、来ていただかない月の分もお布施は用意したいと思っております。
いづれは実家を処分することになるとは思います。そうなれば、このやり方も出来なくなるかと思うのですが……
来月、今後の事をどうするかお寺さんにご相談しないとと思っていますが、あまり失礼な事を言って、関係がこじれる様な事は避けたいと思っています。
アドバイス頂きたく、よろしくお願いします。
ちなみに宗派は浄土真宗です。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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お仏壇の継承と永代経
こんにちは、初めまして。
ご実家のお仏壇のことでお悩みですね。
「今後の事をどうするかお寺さんにご相談しないとと思っていますが、あまり失礼な事を言って、関係がこじれる様な事は避けたい」とのご心配ですね。そのお寺さんがどのようなお考えなのかは分からないので、お話の仕方の提案をします。
そもそもお仏壇は、故人を祀るものではありません。
故人を極楽へとお連れくださった阿弥陀如来様の極楽浄土を表現しています。その如来様に礼拝するのがお仏壇です。
あなたはまだ50代のようですので、お付き合いのお寺さんがしばらくはお盆や法事(お父さんの)を勤めて如来様に親しんで下さい、と言わればそのようにしたほうがいいでしょう。
ただ、ご相談のようにお仏壇継承の困難さという背景もあります。
あなたが60歳(例えばです)を越えたぐらいに、先々継承の不安がある為、お仏壇をその頃にしまいたい、という旨をお寺に伝えてはいかがでしょうか。その際、きちんと永代経を上げさせてもらいたい、というのが最大のポイントです。
永代経とは、主旨としては浄土真宗の御教が永代に渡って続いてほしいという願いを込めたお寺へのお布施です。これは、お家で継続が不可能になった身内のご法事をお寺に委託する意味合いも込められています。本来ならば、ご法事は25回忌、33回忌、50回忌・・・と勤めていく必要がありますが、施主のお家の事情によりお寺にお願いする、それが永代経です。ご懇志の具体的なところはお寺さんにご相談下さい。
永代経をしないで、ただお仏壇をしまうというスタンスが一番よろしくないので、それさえ気をつけていればお寺との関係は宜しい方向で進むでしょう。
追記
永代経と永代供養は違います。
そもそも浄土真宗では、永代供養という言葉自体がありません。
「御本山の合祀墓」に収める際には「永代経懇志」と書いてあったはずです。
また、お墓の納骨の際の永代経と、お仏壇処分の場合の永代経は別です。
「空き家同然の家に置いておく事は失礼」とのことですが、お寺の側からすればお仏壇を処分して、年数回のお参りでも阿弥陀様に手を合わせる機会が無くなることの方が残念だから、そう言いました。そういう含みをあなたは考えましたか。
折角アドバイスするのだから、意味のあるものとして受け取ってほしかったです。(字数制限)
根本から考える
ご相談拝読しました。
この手のご質問は結局は地域性や宗派やお坊さん個人の考えによるということになり、お答えするのが難しい面があります。あくまでも私個人の考えを述べますので実際にはあなたのお寺さんとよくご相談の上でお決めください。
「〇〇してもいいと(hasunoha)で知ったので」という断定のニュアンスではなく「(hasunoha等で学んで)こういう選択は出来ないかと思ったのですがどうでしょう?」と提案・相談の形で話すならば何も失礼なことはないと思いますよ。
さて、当寺の檀家さんでは
>空き家に仏壇を置いておき、年に数回だけお寺さんに来ていただく
という方もいらっしゃます。当寺では月参りは義務ではないので行かない月のお布施はお渡しくださるお宅もあればそうでないお宅もあります。
お姉様の状況や考えもあるでしょうし、あなたの家庭の事情もあるのでしょうから現状はこうする他ないのかもしれませんね。むしろあなたのような方はお寺との付き合いを大事にしてくれて有り難いことだなあと私には感じられます。
しかしながら、おっしゃる通りずっとこのままでいるわけにはいかないというところでしょう。ご実家を処分するまでによい選択をしたいところですね。
その際にまず考えていただきたいのは
・そもそもお仏壇とは何か
・月参りは何のためにするのか
・供養とは何か
という根本のところです。それを抜きにしてお坊さんとのお付き合いや体裁面から考えるとズレが生じてしまう気もいたします。
この根本の問題はおそらく考えてもわからないと思います。だからお寺さんと話すのです。そしてお寺さんと話してもすぐには腑に落ちないでしょう。だから実際に継続してその場に身を置いて感じていくのでしょう。
何でも聞いていただけることは私ならば嬉しいです。「失礼かな?」と気を使いすぎることなくどんどん色々と聞いてみてはいかがでしょうか。
お仏壇がお宅にある生活って良いものですよ。あなた方夫婦もいつかは死ぬ命を今生きているのです。
その身をどう生きていくのか、自分の考えだけでは間に合わないものを仏様に手を合わせ、教えを学び、問うていく生活は豊かなものです。
なかなかそうしたところに手が回らない私たちと仏様のご縁を結んでくださるのが亡き人の存在です。供養を通して生きている私たちこそが救われるのです。
質問者からのお礼
釋 悠水様
アドバイスありがとうございます。
『お寺さんがしばらくはお盆や法事を勤めて如来様に親しんで下さい、と言わればそのようにしたほうがいいでしょう。』
との事ですが、遠方に住んでいる私はどのようにすれば良いのかがわからなくて質問いたしました。仏壇の存在を教えていただき、益々、空き家同然の家に置いておく事は失礼だったと思いました。
でも、私の家に持ってくることは出来ないのは変えられない事実です。
そうなると選択肢は限られてしまいますが、お寺さんにありのままお話してみます。
父親の納骨時は、跡継ぎがいないということで、永代供養をお願いしてありますが、仏壇を閉じる時も永代経をお願いするのですね?
ありがとうございました。
吉武 文法様
お礼が遅くなり申し訳ありません。わかりやすいお言葉ありがとうございました。今はこれが精一杯です。