過去の自分の過ちと自分の内面が嫌いです
はじめまして、茉莉花と申します。
このような機会をいただけてとてもありがたく思います。
早速ですが、ご相談させていただきます。
最近、コロナ状況下で平日も休日も考えごとをする時間が増えました。(コロナ以前は毎日ばたばたした日を過ごしていました)
そうすると自分がここ10年位の間にしてきた(犯罪ではありませんが)悪いと思うことや知り合いに言った酷い言葉、しなければ良かったと思う過去の出来事が頭をよぎる事が増えました。
そんなことをしてきた中でも、今まで周りの期待に応えなくてはと自分なりに努力などはしてきたつもりではありました。
しかし、一方こんなことをした浅はかな自分では誰も愛してくれないと考えてしまったり、恥ずかしい過去を晒されて仕事をなくしてしまうことや恋人も出来ず、ひとりで生きる最期等を想像してしまいます。(過去に名指しで悪口を書かれたことがあるせいか、余計に悪く考えます)
正直今さらになってそんなこと起きるわけないと思う時もあるし、起きたらこうしようと考えてみたりもしますが…まずそんなことを考えてしまう自分が情けなく感じたり、最悪のパターンがとめどなく浮かんで仕事が手につかない日もあります。
こんなままでは恋人ができることはおろか、今いてくれる友人や家族たちさえ離れていってしまうような気がしてしまいます。
もちろんこういった心配性な考えをしないようになりたいですが、いずれはそんなところを含めた自分を好きになり、そんな過去にも意味があったと思えるくらい性格に自信が持てるようになりたいです。
そのために必要な心構えや行動をお伺いできますと幸いです。
長々と失礼いたしました。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
嫌いな自分と向き合うとき
過去を振り返り、
後悔し、自分を嫌いになること、
私もあります。
誰かを傷つけたこともあるし、
振り返ると気分が沈んできます。
茉莉花さんも同じ感じかなと思います。
そんななか、仏教にたどり着かれたこと本当にご縁だなと思いました。
お釈迦様をはじめ、
親鸞聖人も、
ご自分の人生と向き合う中で絶望しながら、
どう乗り越えるかを模索しておられました。
今日は少しだけお言葉をご紹介します。
まずは「一切皆苦」、
私たちの人生は全て思い通りにいかないというのが真実です。
イメージ通りに理想的な人間になれればいいですが、
「そうはいかない」
これが真実です。
私も思い通りにはいきません。
もう一つ、仏教では「縁起」という教えがあり、
すべての人、ものは繋がりあっていると考えます。
なので、
私たちは完ぺきではない姿、
傷つけあいながらも、
誰かと一緒に生きていくことになります。
「ひとりぼっち」になることはありません。
完ぺきではない存在そのままで、
みんなで繋がり合える世界です。
安心してください。
もう一つ、
私はカウンセラーとして心理学を学んできました。
親子関係のなかで自尊感情が低いということもありそうです。
そのあたりは、
改めて向き合うこともいるかもしれませんね。
精神分析という理論が茉莉花さんにあっているかなと思いました。
嫌いなままで受け止められる、
これが仏教でございます。
信頼できる人に恥を晒けだしてみましょう。
茉莉花 様 相談ありがとうございます。
恥ずかしい過去、失敗した過去を思い出し、落ち込み気味で前に進めない、愛されないんじゃないかと思っているようですね。
また、過去に名指しで悪口を書かれたことなどから、恥をさらされるのではないかと、恐怖心もあって心が固まっているような状態かもしれませんね。
実は、人の感情というのは、過去の失敗体験、恥の体験を、無きものとしようと感じないように、考えないようにしようとすると、同時に、喜びや楽しみの感情も感じにくくなるのです。なので、落ちこんだような感覚が続きます。
このような時は、あなたの最も信頼できる人、最も優しくしてくれる人に、恥の感情を打ち明け、共感してもらい、温かい言葉をかけてもらったり、ハグされたりすると、恥の感情から解放され、喜びや楽しみの感情もとても素直に受け入れられて落ち込んだような状態から抜けられます。(くれぐれも誰にでもうちあけるのではなく、最も信頼できる人、優しい人、共感してくれる人に打ち明けてくださいね。)
恥の感情などを打ち明ける勇気(また友人の話を聴いて共感する勇気も含む)、思いやりを自分にも他人にも向けて、絆を感じた時に人は安心して生きられるようになります。
そして、もう一つ、「完全な人は誰もいない」という事です。不完全を受け入れる!という事です。この不完全を受け入れ、「今ここ、この瞬間生きている!!」というような事を感じて入れれば、おそらく、あなたが言うように、「自分を好きになり、そんな過去にも意味があったと思える」ようになるでしょう。
参考書をあげておきます。
ブレネー・ブラウン著(本田健、訳)『「ネガティブな感情」の魔法』(三笠書房)です。
読んでみてくださいね。!!
一礼
質問者からのお礼
武田正文様
この度はご回答ありがとうございます。
人生が思い通りにいかないということを当たり前に生活していく中で、忘れていたような気がしました。また、周りからの理想通りに生きなければと肩に力を入れすぎていたかもしれません。
「縁起」についてのお話を読んで安堵のあまり涙が出てきてしまう程でした。
まだ不安は残りますが今の縁とこれからの縁を大切にしたいと思います。
自尊感情についてですが、私には下に優秀な姉妹がいまして、それによってずっと劣等感をおぼえていてもしかしたら…と思いました。
また、精神分析についても調べてみましたが無意識の中にも自尊感情が低い要因があると感じましたので自分なりに分析してみようと思います。大変参考になりました、ありがとうございました。
釋孝修様
この度はご回答ありがとうございます。
信頼をおける人に「打ち明ける」というお話を聞いて、母親に話してみました。そうすると以前よりは不安になる回数が減った気がします。
また、どんな時でも味方はいるんだと少し安心しました。
不完全を受け入れるということが生きてきた中でも課題であると感じました。なかなか難しいのですが、それも自分自身だと少しずつ受け入れていけるよう、努めたいと思います。
記載いただきました参考書、先日ネット通販にて購入いたしました。これから学ぶのが楽しみです。貴重なアドバイスをいただき、ありがとうございました。