回答 1
有り難し 25以前、初めてこちらで相談させて頂きました。とても親身な回答を頂き、生きる気力を頂きました。その回答は今日まで、何度も読み返しております。
その相談に関連した内容となってしまい、申し訳ございません。
過去を悔いる者が、今を、明日をどのような心構えで生きるべきか、どうか教えて頂けないでしょうか。
私は数年前、他者を無遠慮に傷つけました。安全なところから一方的に石を投げるような、最低の行為です。そのことを強く反省し、後悔しております。良い大人なのに、恥ずかしくて仕方ありません。
これまでそれなりに真面目に生きてきたつもりです。しかし、それはただ外面が良かっただけです。良い人のふりをしていただけで、性根の腐った人間でした。
自責の念が、常に頭から離れません。朝起きてから寝るまでの間、ずっと「なんであんなことをしたのだろう」「自分が恥ずかしい」「傷つけた方に申し訳ない」と考えてしまいます。自分のしたことなのに、思い返すと吐き気がします。今は、市販の精神安定剤を毎日服用をしていますが、効果はあまりありません。
人から感謝されると、そんなふうに思ってもらえる人間じゃないのに、と申し訳なくなります。騙しているような気持ちです。
毎日が苦しく、辛いです。もちろん、自分のしたことを考えると仕方ないことだと思います。
今の私に出来るのは、周りにいる人を大切にし、誠実に生きることだと思っていますが、これは正しいのでしょうか。気持ちの持ち方や、今後の生き方のアドバイスをどうか教えてください。過ちを犯した私でも、「楽しい」「嬉しい」という感情を持つことが許されるのでしょうか。
罪の意識を常に持ち、苦しみ続けることが誠意なのか、それとも気持ちを切り替えて、新しい自分として清く生きることが正しいのか、分からなくなりました。楽しく生きることは、「反省していない」「罪を犯した人間にそのような権利はない」のではないかと思ってしまいます。
長々とまとまりのない文章を書いてしまい、申し訳ございません。ご多忙な中お読みくださり、本当にありがとうございました。
お坊さんからの回答 1件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
他人を苦しめたから、その分自分も苦しまなくちゃいけない（釣り合いが取れない）とか、人に迷惑をかけた人は迷惑をかけられて生きなければいけないとか、よく言われることですが、どこからそういう考えが出てくるのか、他の宗教からなのか分かりませんが、ちょっと、何かがこんがらがっているように思えます。
仏教では、反省は善行為。勉強の復習と同じく、分からないことややってしまってまずかったことなどを冷静に客観的に調べて、「わかった。今度はこうやって上手に乗り切るぞ」というものです。これ自体が善行為です。反省＝復習のおかげで生き方や行動がしっかりしたら、次に似た状況になったら、善の方向に進めますから、もっと善行為が増えるでしょう。
後悔は悪行為。過去の何かを、感情的に嘆き苦しみながら「ああ、どうしてあんなことしちゃったんだろう」などと取り乱したら、その行為をもう一度したと同じ悪業が生じると言われます。後悔を十回したら、その行為十回分の業が溜まります。そのうえ、次に似た状況に出くわしたら、また取り乱して失敗し、悪業が増える可能性が高いです。後悔はしないほうが良いです。
そもそも、何か悪いことをしたからといって、「自分も苦しまなくちゃ」とかいう思考では、悪業が増えるばかりで善業が出る芽もありません。
悪いことをしたら、後悔ではなく反省をして、次は頑張って、心清らかに言葉明るく善行為をして、その功徳を、迷惑をかけた人々だけでなく一切衆生に廻向しながら生きていけばよいでしょう。
たとえば、交通事故で誰かを死なせてしまったら、後悔して自分も自殺しても誰も得しません。罪を償い、その後はきちんと働いて、死なせた人の子どもに学費援助などをしたら、その分は善行為で、その分、みんなが少しずつ幸せになります。
藤本様、初めまして。大変お忙しい中、私の相談を読み丁寧なお答えをくださり、ありがとうございます。
「反省は善行為、後悔は悪行為」というお言葉が、心中にするりと浸透しました。私は悪行為ばかりを繰り返し、人として屈折していたのだと思います。息をするのと同じように、後悔をして生きてきました。反省と後悔、似ているように見える行いですが、その本質は全く違うのですね。これからは、今を大切に、清く生きたいと思います。卑屈に物事を捉えてきた私には難しいことのように思いますが、少しずつ、考えた方を改めていきたいです。
hasunoha様に日々たくさんの相談が寄せられる中、貴重なお言葉をくださり、本当にありがとうございます。重ねてお礼を申し上げます。
