拝見いたしました。

少し私の話をさせてください。
私はうつ病と診断されたわけではありませんが、苦しさを一人で抱え込んでいた時期、気づいたら橋の欄干に身を乗り出していて無意識に自死する寸前だったことがあります。
「何してるんだ俺？」と自分でも素直に驚きました。

辛さの先にあるのは絶望ではありません。
無感覚です。
映画を見ても本を読んでも感情は湧いてきません。
ご飯を食べても味はしませんし、気持ち悪くなって戻すだけ。
喜びもなければ苦しみもありません。

現在進行形で苦しんでいるあなたからしたら、無感覚は良く映るかもしれません。
ですが無感覚には生きている実感がありません。
つまりロボットのように自我が消える気持ちです。
我慢しすぎると、自分が消えてしまいます。

我慢は確かに大切です。
ですが、ポジティブな気持ちになれるなら、と前提条件がつきます。
デザートを我慢するのは、痩せたらポジティブになれるから。
ネガティブになる我慢は必要ありません。
抱え込んで辛くなるのであれば、心を打ち明けることは我慢しなくていいんです。
ハスノハで不安を打ち明けたりしてみてください。
ここのお坊さんにまで気を遣う必要はありませんから。

また私の話を。
私は脈が早くなると全身がチクチク痛む病気です。
運動はもちろん、散歩もできず、調子が悪いと人前に出ることもできません。
画鋲が敷き詰められた床でゴロゴロしてる気分です。
でも、同情こそすれ、誰も痛みを理解してくれません。
どれだけ訴えても「確かにこれ痛いよね」と共感する人はいません。

なぜなら、私たちは一心同体ではないからです。
身体が一緒でない限り、心の痛みは理解されません。
共感するというのは、共に実感すること。
針が刺さるような痛みは、私と同じ病気の人しか理解できません。
同じように、うつ病を実感したことがない相手に共感を求めるのは、難しいことなのです。

だから、寄り添うことが尊いんです。
理解できない、一心同体じゃない、気持ちがわからない。
当然です。
分からないからこそ、同情して、質問して、隣にいたいんです。
分かり合えないから、通じ合っている夫婦の関係が魅力的に映るんだと思います。

完全に分かり合えないことを前提に、話し合ってみてください。
夫からの理解ではなく、気持ちの共有を目的にしてはどうでしょうか。

ゆうけい

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