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宗派による流派の有無について

回答数回答 2
有り難し有り難し 13

お世話になります。日々、皆様のお悩みとお坊様の御回答を拝見して勉強させて頂いております。有難うございます。
本日は、仏教各宗派の、流派について質問させて頂きたいと思い投稿致しました。
例えば真言宗を例にとりますと、高野山真言宗、智山派、豊山派、醍醐派、新義真言宗等々の流派があります。
また、浄土系の宗派もまた然りです。
これらは多くの場合宗祖の教えの解釈による相違かと思われますが、禅宗の場合は、「曹洞宗・日本達磨宗・臨済宗・黄檗宗・普化宗」であって、事に曹洞宗の場合は真言宗や浄土系のそれとは違い、流派がないと聞きました。
これは真実でしょうか。
真実であるとすれば、流派に分派しなかった理由をどうお考えでしょうか。
ご教示頂ければ幸いです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

分派、流派について

江戸っ子さま

分派、流派について改めて考えてみると、なるほどと思うところはありますね。。

要は、政治の世界における派閥と同じで、党(理念は同じ)の中でも派(考え方の違いによるグループ)があるような感じとなりますかね。

宗派内においての有力な僧侶の下でできて継承されていったグループのようなものになりますでしょうか。

曹洞宗にもまあ、細かく見ればあるようには思えます。大きく二分すれば、永平寺と総持寺となりますが、他にも本山クラスに次ぐ修行道場が全国に幾つかあり、それぞれ師家の法系もあると言えばあります。

しかし、外部から見て明らかな分派が無いように映るとなれば、祖師のお考え、規律が守られているということであり、また、その教義、組織の完成度合いが高いとも言えるところではないだろうかとも存じます。

川口英俊 合掌

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有り難し
おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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こんにちは。

 hasunohaの回答僧でもある大慈 師のyoutube動画に曹洞宗の歴史を説明したものがあり、その中で、なぜ分派をせずに来られたのかの話も出てきます。

 


 この動画をご覧になってわかるとおり、分派が危ぶまれたとき「輪住制」といって本山の住職を、有力な僧侶に平等に順番につとめてもらう、という手法をとることで、分派を防ぐことができたようです。
 現在の本山は輪住制になっていませんが、今でも曹洞宗では、住職となる通過儀礼のひとつとして、本山である永平寺・總持寺の一日住職をつとめる制度があります。(瑞世。朝の読経で導師をつとめる)。これにより全ての曹洞宗寺院の住職は、大本山の「前住職」という肩書きを持つことになります。その誇りと愛情が分派を防いでいるのかもしれませんね。

 もちろんこればかりではないと思いますが、分派のピンチのたびに、お互い話し合い歩み寄ることのできる気質が曹洞宗にはあるように思います。

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有り難し
おきもち

・曹洞宗/静岡県/50代 平成27年鳳林寺住職。平成28年hasunoh...
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質問者からのお礼

川口英俊先生
ご回答ありがとう御座います。
政治の世界の例えに不謹慎にも思わず笑んでしまいましたが、なるほど…、と思わず納得しました。
日本の政治はまさしく同一党内での派閥の張力で成り立っています。考えてみますと集団は大きくなれば均衡を失い、分派し分裂します。かつてお釈迦様の入滅後、大衆部と上座部とに分裂した事を考えれば、致し方が無い事なのであろうかと思いました。そう考えますと、曹洞宗の現在のあり方にとても興味を持った次第です。
大変勉強になりました。
ありがとう御座います。

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