葬祭業者として働く
はじめまして!いつもハスノハでの相談をありがたく拝見しております。
私は現在大学4年で、葬祭業者として内定を1ついただいております。
しかし、転職のしにくさや、忌みに触れる仕事であることから、親や学校のキャリアセンターから葬祭業での就職に反対され、不安になる気持ちを抱えております。
もともと苦しんでいる人不安を抱えている人を助けたいと言う思いで就職活動をしており、葬祭業は私が大好きな祖父をなくしたときにきちんとお見送りできてよかったなぁと思ったことから志しました。ただ、親の期待に応えたい、もう少しお給料を良くしたいなどの思いもあり、同じ志を生かせる職業として病院での事務などを目指して就職活動を続けておりますが今回のコロナ禍の情勢もあり、なかなか他の内定が出ない状況にあります。
ハスノハのお坊様たちは実際に葬祭に深く関わるお仕事をなさっていると思います。その際周りに反対などされなかったか、不安はなかったか、葬祭に関するお仕事を日々どんなお気持ちでなさっているのか、また、必死に努力をしてもなかなか結果に結びつかない状況にどのように対処されているかなど伺いたいと思っています。
色々と質問して申し訳ありません。ぜひお答えをいただければありがたいと思います。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
葬儀に携わる大切さ
こんにちは、初めまして。
「葬祭業」で内定をもらっているとのこと。良かったですね。
その業界を志したのは、「祖父をなくしたときにきちんとお見送りできてよかったなぁと思ったことから」ということのようです。成りたいと思う職業につけるのは幸せなことでしょう。
「葬祭に深く関わるお仕事」である僧侶が「周りに反対などされなかったか、不安はなかったか」とお尋ねです。私は、そもそもお寺の出身なので「反対」はなかったです。むしろ、早く得度して父親をサポートしてほしい、とせっつかれていた方ですから。また「不安」についてですが、一回一回がやり直しのきかない儀式なので今でも緊張はしますし、出来る限り粗相はしたくないという気持ちはあります。
「葬祭に関するお仕事を日々どんなお気持ちでなさっているのか」とのことです。これはご遺族の悲しみに寄り添いつつ、仏教の儀式としての葬儀を勤めたいと思っています。それは、お経の読誦、儀式をより荘厳に行うという形と、法話をする等を通して葬儀の内容・意味が分かるように、伴うようにしたいという両面でお勤めしています。
そう言った中で、葬祭業の方とも触れ合うのですが、喪主さんの意向を汲み悲しみに寄り添おうという姿勢には、私も学ぶところが多いです。葬祭業の方にも最近は民間資格(葬祭ディレクターなど)が出来ているようで、そういった学びをしている方には頭が下がる思いです。同じ葬儀という場を通して、私は仲間のような親しみを感じています。
葬祭業も、お寺も一般的には「忌みに触れる仕事」と言われる場合もあるでしょう。しかし、私は自分の役割に誇りを持っていますし、お会いする方々も同様の人が多いですよ。
「必死に努力をしてもなかなか結果に結びつかない状況にどのように対処されているかなど伺いたい」とのこと。私は、とにかく数をこなすという地道な努力と、方法に曖昧さや考え方の間違えていないかなどをチェックするようにしています。人間、思い込みや習慣からくるなあなあに陥ってしまうことが多々あります。つまり、理論や方法の再チェックをして足元を固めつつ、ひたすら経験するという両面で対処しています。
あなたの就職活動はまだ続くことでしょうが、納得のいく選択が出来るといいですね。葬祭業に就職されたら、またどこかでお会いするかもしれません、その時は宜しく。
僧侶の立場からはよい仕事に見えます
学校から反対されているということですから内定なさっても素直に喜ぶことはできにくいですね。おめでとうございます、とも言いにくい。
ただ、僧侶の立場からみると、とてもよいやりがいのある仕事のように見えます。葬儀社さんだけでなく、納棺士さんのお話も聞く機会がありますが、皆さん、自分のお仕事を大切になさっています。
平成5年くらいだったか、青木新門さんが『納棺夫日記』をお書きになってからずいいぶんと葬儀業に対する世の中の見方が変わったと思います。映画「おくりびと」もこの本の強い影響のもとに作られた作品ですからご存じかと思います。まだお読みになっていないなら是非お勧めしたいです。
葬儀は民俗学の研究対象としても重要です。つまり、人間が生きる上で欠くべからざるものである、ということです。
葬儀についてはいろんな角度からとらえることができますので奥が深く、葬儀社の仕事が好きになったら、幸せなビジネスライフを送れると思います。
ただ、向き不向きや好き嫌いはあるように思いますね。また田舎だけかもしれませんが、基本、24時間営業ですから、それをどうお感じになるかという点もありますね。
以上は、坊さんの視点から見た葬儀業への印象です。大学の就職課の方が難色を示されるにはそれ相応の理由があるのでしょう。一生の問題ですし、待遇の問題もあります。慎重に考えてください。
仕事の時間帯(シフト)は?
内定おめでとうございます。
葬儀屋さんの仕事は、素晴らしいサービス業だと思います。
ホテルマンのように教育の行き届いた葬儀屋のスタッフさんに、私はいつも感心しています。
サービス業全般に言えることは、土日祝も出勤だという点です。
また、亡くなる人は時間を選びませんから、夜中に呼び出されることも多いでしょうね。
お通夜があるので帰宅は遅くなるかもしれません。
将来結婚したときにも、そのような生活スタイルになるイメージはしておきましょう。
とはいえ、医療福祉やコンビニ、警察消防など、夜勤のある仕事はいくらでもあります。
住めば都かもしれません。
質問者からのお礼
こんにちは、おだるです。
お坊様方から三者三様のありがたいお返事をいただけて、また予想以上に多くの方にこのご質問を見ていただけたようで、大変嬉しく思っています。皆様ありがとうございました!
願誉浄史様
おめでとうのお言葉嬉しいです!内定取れました!シフトについては今後の生活に大きく関わるので重要ですね、今度内定先で研修があるので、その際に詳しく確認しようと思います。お返事ありがとうございました
釋 悠水様
私がつけた細かい質問ひとつひとつに丁寧に答えて頂き大変ありがたいです!
また、単純に夢が叶ったと言ってもらえたこともすごく嬉しかったです。周りとの関係で見えなくなっていた、自分のもともとの希望を思い出せた気がします。
今後葬祭業者としてのご縁が決定するかはまだ分かりませんが、どの業界に勤めることになっても、釋様のように仕事に誇りを持って誠実に働きたいなぁと思いました。
藤岡俊彦様
業界の良い面と大変な面について、実際に近い業界で働いている方からの客観的なご意見をいただけたことをありがたく思います。現在の就活についてキャリアセンターと相談を続けるとともに、現在の内定先で確定した場合のキャリアイメージについても今のうちから相談をしていこうと思いました!
ご縁が決まった際はこちらで一言追記させていただきますね。その際はお仲間として是非よろしくお願いします。皆様丁寧なご回答本当にありがとうございました!心に留めさせていただきます。
おだる