感情移入し過ぎずに働くには
質問させて頂きます。
私は集中治療室で看護師(2年目)をしている者です。
先日私が連日担当していた患者さんが脳死になり、亡くなりました。
今まで亡くなる方は沢山見てきましたがそこまで感情移入せずに振り舞うことができていました。
しかし今回は、連日ご家族とも親しくさせてもらっていた事や急な病状の悪化もあり、寄り添う事が大事とは知りつつも辛く苦しく自分への無力感も強かったです。
何か出来たのではないかと後悔する事の連続でした。
また今回の事を経験した直後、自身に病気が見つかりました。手術により一命はとりとめ今は入院し傷が治るのを待ちながら、今後薬物療法を続けていく予定です。
今回自分が絶望的な痛みを経験した事で他人の気持ちを安易に分かると話すのは人を傷つけるのではないかと怖くなりました。寄り添うと言葉では簡単に言えても極めて難しい答えが無いものだと思いました。
また、自分がなかなか手を抜けない性格であり忙しくなると自分を蔑ろにしてしまうため、自身の働き方を模索している最中です。
今の職場はスタッフも優しく働きやすいと思います。
少しでも感情移入しすぎず、悩みすぎず働くにはどのような心構えを持てば良いのでしょうか。
最終的には自分が判断しなければという心づもりではいます。稚拙な文章ですが、ご意見いただければ幸いです。
よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
あなたが『悟り』をひらこうとする必要は無いんですよ…
『少しでも感情移入しすぎず、悩みすぎず働くにはどのような心構えを持てば良いのでしょうか』…方法はあります。悟りをひらくことです。
担当されていた患者さんが亡くなられて「辛く苦しく自分への無力感」にさいなまされるのは悟っていない証拠です。つまり「人間であることの証」です。
『自分が絶望的な痛みを経験した事で他人の気持ちを安易に分かると話すのは人を傷つけるのではないかと怖くなり』、『寄り添うと言葉では簡単に言えても極めて難しい答えが無いものだと思』うことも、上と全く同じ理由です。
私達、生きている人間には悟ることなど出来ないのです。だから、これからも心に葛藤を抱え、苦悩しながら生きていくのです。
でもそのような悟れない存在であるから、『自分がなかなか手を抜けない性格であり忙しくなると自分を蔑ろにしてしまう』のです。
つまり合理的ではない、自身の生存にとって悪影響まで及ぼす行動をしてしまうのです。
そんなあなたこそが愛おしいのです。
私にはその言葉を発することは出来ませんが、仏様はハッキリとあなたにそうおっしゃっています。御慈悲を以てあなたを包み込んで下さっています。
結論申せば、職務上は『感情移入しすぎず、悩みすぎず働く』ことが大切で、求められる「あなた像」なのでしょうが、それが出来ないのが「本当のあなた」であって、それは「人間の証」だと言うことです。
あなたは「悟ろう」などと思わなくて良いのです。
なぜなら、そんなあなたを「悟らしめる」と、仏様がお誓い下さっているからです。
あなたの苦悩に、世の多くのお方々が共感なさっています。そして、そんなあなたに寄り添おうとお思いになったことでしょう。
そして既にあなたには仏様がお慈悲の心で寄り添って下さっています…。