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忘れてしまいたいです

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こんな質問、お坊さんにさせて頂いてもいいものか、迷ったのですが悩んでいます。どうか質問させてください。

私は思春期に両親共になくしました。
現在は大人になり普段は忘れて楽しく生活していますが、ふと、例えば故人の誕生日、命日が来た時、親戚からお仏壇にあげて!とお菓子が送られてきた時など
思い出して現実に引き戻されます。

その度に情緒が不安定になり泣いたり食欲がなくなったりで困っています。

私にとって両親をなくしたことは人生において最も邪魔な記憶であり、思い出したくないことです。
仲が悪かった母のことはもちろん、過労死の父も思い出す度に色々な感情が湧き上がってきて心がぐちゃぐちゃにされます。

出来れば全て忘れて、無かったことにして、自分の人生を前向きに歩きたいです。

仏壇も母が買ったものなので今すぐ捨ててしまいたいです。お菓子なんかあげたくない。もう私には関係ない。思い出したくない。
両親に関わる全てのものを視界から消したい。
記憶が消えたら、思い出さないでいられたらどれだけ楽か、さわやかな毎日なのかと考えています。

親不孝でしょうか。バチあたりでしょうか。でも忘れたいです。
許されないことでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

複雑なご心境をお察しします

こんにちは。

ご両親をお若い時に亡くされたとのこと、先ずはお悔やみ申し上げます。

複雑な感情が伺えます。

「仏壇も母が買ったものなので今すぐ捨ててしまいたい」と書いています。

私が存じている阿弥陀如来様という仏様は、捨てることで「バチ」を当てたりはしません。ただ、お悲しみではあろうと思います。あなたがどうしても捨てると決めているのであれば私に止める権限はありません。しかし、その場合でも必ずそのお仏壇に関わってくださっているお寺に依頼して、お参りしてもらってから閉じて下さい。

これは、想像になるのですが、あなたは早くにご両親を亡くされた悲しみが、深く心に根ざしているのだと思います。受け止めきれないほどの悲しみを抱えた時、人は2つの選択肢があると思います。

一つは、忘れる。
もう一つは、自分の人生の一部にする。

あなたは前者を取ったのではないでしょうか。
それは悲しみに対処する一つの方法です。
心を守るための防御でもあったかもしれません。

しかし、他人だったら縁が元々深いわけではないのでそれも可能ですが、血肉を分けた肉親はそれは事実上不可能だと思います。なぜなら、あなたの存在そのものが父母の存在なしに有り得ていないからです。

あなたは、ご両親の縁があって存在している。
それは、お仏壇を捨てても、「両親に関わる全てのものを視界から消し」ても、あなた自体がご両親の証であることに変わりはありません。

「思い出したくない」「記憶が消えたら」「思い出さないでいられたらどれだけ楽か」、というお気持ちがあるのでしょう。その気持ちがあることは分かります。しかし、それは第三者から見れば成就不可能な願いのように見えるのです。

だから、第二の選択肢、自分の人生の一部として受け入れる、位置づけることにしか事実上の可能性はないと思いませんか。

ご両親との関係については「仲が悪かった母」、「過労死の父」という事以外には私には分かりません。ただ、人間は一面的に捉えられるほど単純ではないと思います。

人間だれしも、あなたってこういう人だよね、という一言で片付けられたくありません。私はそうです。そんなに単純じゃないと。

複雑な悲しみ、思いがあると思います。
ここでいろいろにお話されながら、少しづつ整理していきませんか。

思った所を書きました。
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釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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ご両親様は許して下さいます

拝読させて頂きました。ご質問頂いて本当にありがとうございます。
お父様やお母様があなたの思春期に若くしてお亡くなりになり、今まであなたがとてもさみしい思いをなさっていらしたこと、そして忘れてしまいたいほどに辛い思いをなさっていらしたことを読ませて頂きました。あなたのそのお気持ちは私の想像をはるかに超えるほどに深いものと思いますが、あなたのそのお気持ちを心よりお察しします。

お亡くなりになられたお父様やお母様を心よりご供養申し上げます。至心合掌 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ

お父様もお母様も仏様に導かれ親しい方々やご先祖様がお迎えになって下さり、仏様のもとにて一切の迷いや苦しみから救われて皆さんと一緒に心安らかに円満にご成仏なさっておられることでしょう。お父様やお母様は今までもあなたを決して忘れることなく優しく見守っていて下さっています。

あなたのその深い悲しみやお悩みは消えることはないかもしれませんけれども、どうかお父様やお母様に手を合わせて心を込めてご供養なさって下さいね、そしてあなたのその思いを全てお父様やお母様やご先祖様方にありのままお伝えなさって下さい。お父様やお母様やご先祖様方はあなたの思いを全て残らず優しく受けとめて下さり、あなたに寄り添いなぐさめて下さいます。

あなたがこの世に生を受けたのはお父様やお母様を始めあまた沢山の恵みがあなたに与えられた結果です、沢山の方々とのご縁が結ばれていて今あなたは生きていらっしゃるのです。
私の想像で申し上げるのもいかがかとは思いますが、お父様やお母様がお亡くなりになられた時にはお父様もお母様もあなたのことをとても心配なさっておられたのではないでしょうか。親子ですから毎日様々な感情的ないざこざもあったかもしれませんし行き違いがあったかもしれませんが、あなたを残してお亡くなりになる無念をお感じなさったりさぞつらい思いも抱えていらっしゃったのかとも思います。とはいえ今でもお父様もお母様もあなたのことをいつも大切に見守っていらっしゃるのです。

なかなか感情的に整理することは難しいとは思いますが、どうか少しずつそのご縁を大切になさって頂きたいと思います。

あなたがこれからもお父様やお母様に守られながら毎日を心から豊かに穏やかに生き抜いていかれます様心よりお父様やお母様にお祈りさせて頂きます。

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おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

釋 悠水様
その通りですね…その矛盾が自分を苦しめていることは間違いがないことだと思います。難しいけど受け入れなければ、一生矛盾に苦しむことになりますもんね…改めて少しずつ整理していかないとなと思いました。確かに人間は色々な面がありますもんね…でもこればかりは親という顔以外見る機会のないままに亡くなってしまった、そして死んだ親という印象以外持てないのが正直なところです…大人として親と話す機会があればまた違う印象が生まれたのかなと今更思ったりしています。お忙しい中ありがとうございました。

Kousyo Kuuyo Azuma様
こちらこそこんな質問にお答え下さりありがとうございます。
そうですか。そう聞いて安心しました。親と子という立場でしか向き合う機会がなかったので、親がどんな性格でどんな風に考える人なのか、正直よく分かりません。でも大人になって、想像ではありますが、もし自分だったら無念だろうなと考えることはできるようになりました。だからといって、私には関係ないだろう、私の人生を歩ませてくれと思ってしまう自分もまだどこかに居ます。少しずつ整理して、いつか受け入れてた上で穏やかに暮らせる日が来るよう精進しようと思います。お忙しい中ありがとうございました。

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