息子の夢
一昨年高校生で亡くなった息子が夢に出てきました。
お母さん〜。お金欲しい。と言ってました。地元沖縄の風習で、お盆など「ウチカビ」と呼ばれるあの世のお金も燃やしています。息子にウチカビは?と聞くと、あんなの意味ないよ〜。と言われ、では線香は?と聞くと意味ある…との返答。
天国でのお金は、どの様な物がありますか?ネットで検索しても分からず相談しました。
今は、仏壇に息子の通帳に入っていた全財産を並べて線香を立ててお供えしています。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
紙銭に関するちょっと不思議な話
こんにちは。
前回の問答でもお話ししたとおり、夢は、寝ている間に、過去の記憶を整理する際に見えるものであり、お告げだったり予言だったりするものではありません。夢の内容について深く考えすぎないようにね。
このような答えを書いた後、夢に関する不思議な話を書くのは矛盾にはなりますが、ぜひ聞いていただきたいので、そのまま読んでください。
私は、以前沖縄へ旅行に行った際、「ウチカビ」の習俗を知り、大量に買ってきて、お寺のお檀家さんのお葬式を出した時に、ご遺族に棺に入れてくださいとウチカビを渡しています。
さて、ある日の1周忌の法要の後にご遺族が私に話すには、「お葬式に参列していない(つまりウチカビについて知らないはずの)友人の夢枕に故人が立ち、手に黄色いものをもっていた。それは何かと聞くと、これはお金だと答えた」という事でした。黄色と言ったらウチカビの色です。故人はきっとウチカビを持ってあの世に行かれたんだなぁって思いました。
夢の中で息子さんは「ウチカビなんか意味ないよぉ」とおっしゃったそうですが、きっと息子さんの手に渡り、使うことができると思います。これからもシーミー(清明。令和3年は4月4日)の時などに焚いてあげましょう。
「あの世で使えるお金」は、中国の信仰が起源だと思います。中華街などに行くと売っています。ネットで「冥銭」などで調べると出てきます。通販でも買えるかもしれませんね。
お線香は、「食香」という言葉があり、亡くなった方は香りを召し上がると言われています。夢の中で意味があるとの答えたようでしたので、良い香りのものを購入しお供えすると良いと思います。
通帳とお線香をお供えしてもらって、きっと息子さんは喜んでくれていますよ。あの世ではこの世の現金は使えないので、息子さんの代わりに息子さんが喜んでくれそうな事(おいしいものを食べに行くなど)にお金を使ってあげるのも良いですね。
功徳を廻向するのが良いかも
息子さんが本当に夢に出てきたと考えて:
仏教が言う先祖供養の法則をお知らせします。
故人には食べ物や、まして金銭物質は直接は受け取れない。それらが今いるところでは役に立たないから。お金を欲しがったのは、人間界での便利アイテムとして思い出して言っただけかも。
香りや花などの供養は役に立ち得る。故人が今いる世界での食物のようなもの。でも、必要不可欠ではないかも。そこにも食物のようなものがあるから。
問題は、人間界のお金のような便利アイテムが足りないこと。これが、故人の世界では新たに生み出せない、功徳です。できれば自分が人間でいたときにたくさん功徳を作っておいて、それを次の世界でも使った方が良いのですが、溜めた功徳が少ない場合は、人間界から、紙銭を焼くよりも、功徳を廻向すると、受け取ってもらえるかもしれません。
人間界の縁者が、何か善いことをする。そのたびに、この功徳を亡き先祖に上げます、と、言葉に出したり心の中で念じたりする。これが功徳廻向です。受け取ってもらえたら、故人がその分、動きやすくなるでしょう。
功徳廻向の法則などは、拙著『功徳はなぜ廻向できるの?』(国書刊行会)などに書いてあります。
ご参考までに申しました。
質問者からのお礼
★光禪様ご回答ありがとうございます。
ウチカビの他に冥銭(本物に似た一万円札束)も沖縄では、販売しているお店もあるので早速購入しました。彼岸でもウチカビを燃やす風習があるので、仏壇にお供え物をして夕食後、息子には風習だから燃やそうね〜とお話しして両方のウチカビを燃やしたいと思います。
★藤本晃(慈照)様ご回答ありがとうございます。
息子は、17歳と若くで亡くなったので長生きする方と比べて功徳が少なく周りと比べて思う様に出来ないからお金欲しい〜してたのかな?と、納得しました。回答を頂いだその日から、家族それぞれが良い事をした時は息子に伝え、これからも功徳プレゼントするから一緒にハッピーになろうね〜と、話しかけてます。ありがとうございました。