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嫌いな父親のことを許すべきなのでしょうか

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父親を嫌いと思うことは駄目なことなのでしょうか。許すべきなのでしょうか。
父親からは小さい頃から殴られ、イラつくとものにあたる父親の物音に怯えながら過ごしていました。昼寝から起きたら姉が胸倉掴まれていて2本の足が目の前でぷらんと揺れていたり、殴られそうになったらトイレに逃げようと決めていたのに、いざその時になったら恐怖で足が震えて動かなくなるというのを体験した小学生のことなど、今でも鮮明に覚えています。

私は今もう20代も後半になり、とても優しい夫との間に可愛い子供にも恵まれ、実家から離れた所で暮らしています。
先日「母が私(相談者です)が父親のことを嫌っていることを心配している」と姉から聞かされました。

母も一時期某宗教にはまって、その教えに従い私たち子供を叩いていたので(現在は和解をしています)、子供に受けた頃のことはもう許してもいいかもしれないと思う反面、父からは大人になっても嫌なことをされたこともあり、両方が合わさりどうしても許せないのです。
風呂上がりに身体を拭いているところに、その脱衣所のすぐ近くのトイレに来ること、1人目が妊娠中の時にお参りに行った際お腹が張っているのに置いて行かれたこと。大人になって一人暮らしの家に勝手に訪ねてこられたらしい(私は外出中でした)ときいたときも恐怖でした。
嫌だと伝えても「俺は間違っていない」と、謝られたこともなく、どうしても許せません。
そのくせ祖父ではいたいようで、孫に会わせろとすごく言ってきます。
すごくそれもストレスです。

昔(私が高校生くらいの時です)掲示板に何か相談したことがあったのですが、(相談内容は忘れてしまいましたが)「貴方が今苦しいのは親を大切にしていないからだ」と答えられたことがあります。
親を嫌いなことは罪なのでしょうか。

母がよく、「父親はあなたのことが大好きだから」と言ってきます。同じように私も愛を返さなければならないのでしょうか。許せないことは罪なんでしょうか。子供を会わせたくないと思うことはいけないことなんでしょうか。
母のためにも許すべきなんでしょうか。
苦しいです。どうか、教えてください。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「許す」のは、相手が自省して苦しんでいることが前提

こんにちは。

「許すべき」と考えること自体、あなたはどこかに無理を感じているのではありませんか。心が自然と動かないのに、強いて矯正するかのように「べき」と考えることは健全では有りません。むしろ、あなたが「どうしても許せない」という気持ちを大切にするほうが健全だと思います。

お父さんは、文面を見る限りとても一方的なコミュニケーションをとる人のようです。また、一方的という言い方が生易しいほどに暴力をあなたに加えた経緯があるようです。「イラつく」というのは情緒が不安定なのでしょう、いつ切れるかわからない人と暮らした過去は大変耐え難いことだったと思います。

また、現在お母さんと「和解」しているとはいえ、あなた達きょうだいを「叩いていた」ようなので、幼少期には逃げ場がなかったのだと想像します。

お母さんとどのような意味での「和解」をしたかは分かりません。
お母さんが自らの非を認めたのか、それともあなたが多く譲歩したのか。

ただ、少なくともお父さんを「許す」ならば、相応の「和解」を経ないでいきなり「許す」というのは不自然です。お父さんは心から非を認めるという深い自省と罪悪感を感じていてやり直したい、ここまで考えているならば対話を通して「許す」ことは可能でしょう。

しかし、現状はそうなっているようには見えません。
お姉さんを介して、お母さんの気持ちとしてあなたが「父親のことを嫌っていることを心配している」と伝えられたようですね。その言が事実ならば、お母さんも本当のところではあなたのことを分かっていない、と思います。父母からいつ折檻を受けるかわからない、そんな逃げ場のない家庭に身を置く子供の抜き難い辛い記憶を。

「許すべき」は、少なくとも父母の方から言い出して良いことでは有りません。
あなたが、自省して苦しんでいる父母を自然と許したい、許したほうが良いかなと思うタイミングで許したら良いのだと思います。

※かつて「掲示板に何か相談」して、「貴方が今苦しいのは親を大切にしていないからだ」と答えられたとありますが、あなたの質問履歴にはないようですね。

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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

どうしても許せないという気持ちを大切にしていいと言っていただけて、ほっとしました。
許さなくてはいけないと思っていたのが、とても辛く、苦しかったです。
父のことも、苦しめばいいと思ったこともありました。健全ではないですが、地獄があるなら落ちてくれと思ったこともありました。今生きているうちでは無理かとも思っていますが。
母を許さなくてはならなかったのも、子供を妊娠している時に、母しか頼ることが出来ず、頼るならば許すしかないと思っていたからです。
母が私のことをわかっていないというのも、まさしくそうなのだと思います。
母は私がいけないことをしているから怒られて殴られていたのだと今でも言います。でも、私はどうして機嫌の悪い父の思う通りの行動を取らなかったことで殴られなければならなかったのかとその度に思います。
今でも苦しんでいるのに、許すことで無かったことになるようで、どうしても自分は過去のことを無かったことに出来ず、此度お答えいただいたことで、私はこのまま許さずに生きていいのだと思えました。

昔の掲示板というのは10年以上前、こちらの掲示板ではなく、それこそ某ちゃんねるの掲示板が流行った時代の登録不要の匿名の掲示板に書き込んだものです。そう親を大事にしないことで、因果によって不幸が起こると考える方もいるのだと思ったのをよく覚えていたので不要だったかもしれませんが書かせていただきました。

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