母親からの虐待の記憶が離れません
私は幼少期に母親から虐待を受けて育ちました。
具体的には、ご飯を与えられない、フライパンで頭を殴られる、季節関係なく裸足で外に締め出される、「お前は出来損ないだ、産まなきゃ良かった」などの暴言
数えればきりがないほどです。
その当時は今ほど虐待という言葉が世間に広まっていなかったため、私も躾の1つなんだと捉えていました。
ですが、大人になり離婚していた父の死がきっかけで父が毎月私の為にと母に振り込んでいた養育費を母が自分の嗜好品に使い込んでいたことが分かりました。
虐待のこともあり、もうこの母親には関わってはいけないと思い、戸籍も分籍し完全に縁を切りました。
今は私も結婚し新しい家族、親族と良好な関係を築いていますが、最近、虐待されていた頃の夢を頻繁に見てしまうのです。
夢に見るたびうなされ、嫌な気分で朝を迎えたり、ひどい時にはしばらく起き上がれずグッタリとしていたり、1日嫌な気分に支配されてしまいます。
きっとトラウマになっているのだと思います。
過去は変えられないと言いますが、私はこのつらい記憶をこれからも背負って生きていかなければならないのでしょうか。
できればこのつらい過去、記憶を手放し、今の生活に一生懸命になりたいです。
お坊さんからの回答 2件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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心の傷と向き合い、未来へ進む
ご相談いただきありがとうございます。
ろなさんが幼少期に受けた深い苦しみ、その中でどれほどの悲しみと孤独を感じたか、少しでもその痛みを想像すると胸が締めつけられる思いです。どれだけの勇気を振り絞り、今こうして新しい生活を築かれておられ、よくここまで歩んでこられましたね。
「縁を切ったはずの人を夢に見る」という現象は、心理学的には未処理の感情やトラウマが関係していると考えられます。幼少期に受けた虐待の中で、恐怖や不安を抑え込むしかなかった感情が、大人になり安心できる環境で少しずつ表に現れているのではないでしょうか?
仏教では、このような状況を「執着」と呼びます。執着とは、過去の出来事や感情に心が囚われることを指しますが、必ずしも意志で持つものではありません。心の奥底に残る傷が、自然とそれを引き寄せてしまうこともあります。
【過去を手放すために必要な視点】
仏教の教えでは、「苦しみを直視することが、乗り越える第一歩」とされています。夢や記憶に浮かぶ母親や虐待の記憶は、貴女の心が「この苦しみと向き合い、乗り越えたい」と求めているサインかもしれません。また、すべての出来事には因果があると教えられています。過去の苦しみは理不尽で受け入れがたいものですが、それがあったからこそ、今「自分の家庭を大切にしたい」という思いを持ち、周囲との良好な関係を築いているのではないでしょうか?
つまり、苦しみそのものが、ろなさん自身の強さや優しさを形作っていると言えます。
過去の記憶が浮かんでくるのは自然なことですが、その記憶を背負い込む必要はありません。記憶を持ちながらも、それが今のあなたを縛るものではなく、あなたを支える「一つの経験」だと捉えることで、トラウマへの執着が薄まっていくはずです。
だからこそ、 今の自分を大切にする時間を作っていただけたい。
トラウマや過去の記憶は、急に消えるものではありません。しかし、今あなたが感じている「平穏」「安心」がどれほど尊いものかを、改めて実感する時間を作ることが大切です。家族や大切な人たちと過ごす時間に意識を向けることで、過去よりも「今」に心が引き戻されやすくなります。
つらい記憶を完全に消し去ることはできなくても、その記憶に意味を見出し、未来を歩む力に変えることはできます。どうか、今ある笑顔と安心を支えに、少しづつ歩んでみて頂けたら幸いです
ろな 様 相談ありがとうございます。
虐待の記憶は、トラウマとしてフラッシュバックしたり、夢に出てきたりしますね。それだけ大きく感じてきたということなのです。
人間の脳は、その大きく感情が揺さぶられた出来事をしっかり記憶に留めます。そして何かがきっかけで、まるで目の前で起こっているように蘇らせ、また感情が揺さぶられ脅威を感じます。記憶はなかなか消えません。これが人の脳なのです。
でも、あなたはこんな悩ましい脳を持ちたいと生まれてきたわけではありません。
なので、夢に出てきたりフラッシュバックすることは、自分のせいではない。自分が悪いのではない。自分に責任はない。と繰り返し何度も思うことが大切です。
それから、虐待には、あなたの幼き頃から親の愛情を得られなかったことに起因する、愛着の問題があります。親からの愛情・思いやりを得られず、家庭での安心や安全や優しさを感じなかった場合、心の底でいつも安心や愛情を求めています。これが今の精神状態とか、夢に影響します。今、幸せの生活をしていても、求めているのです。気づかぬうちに親からの愛情を。
これには、今、幸せを感じ、安心を安全を感じているあなたが、幼い自分を思い出し向き合い、辛く悲しく寂しく泣いている幼い自分自身を、愛情深い親として、抱きしめてあげたり、優しくしてあげたり、思いやりを向けてあげたりして、その幼き頃の自分を慰め、涙を拭き、心の温かさを伝え・安心安全を感じさせ、勇気をもって生きていこうと支えた時、愛着の問題が晴れてくるでしょう。
その子に笑顔を取り戻す作業です。一人では大変と思いますので、セラピストや心理療法士とともに繰り返しイメージワークで、取り組んでいくのが良いでしょう。
最近だとネットで指導してくれる人もいますので、当たってみてください。
諦めずに繰り返し実践することも大切です。
そして自分に思いやりを向けることを忘れずにいてください。きっと大丈夫になりますから。一礼
追伸:お礼メッセージありがとうございました。一人で向き合うのが辛い時は、どうぞ遠慮なくお気持ちをお話しください。癒しになりますようにお聴きいたしますので。この度のご縁に感謝申し上げます。再礼(字数制限でこの欄はここまで)
質問者からのお礼
古川玄峰さま
優しいお言葉と教えをありがとうございます。
言われてみれば確かに、虐待された過去や母親の人物像を何かと比較し、『あの頃に比べれば今は全然苦しくない、あの人(母親)に比べれば他の人はなんて優しいんだ』と、幼少期の記憶が考える軸になっていると感じました。
知らないうちに私のつらい過去は私の強さにもなっていたのですね。
今私の周りに居てくれる人達(夫や義両親、夫の親戚、友達)は本当に良い人たちで、私には勿体ないくらい素晴らしい方たちです。
そう感じられるのも、過去のつらい記憶があるからこそなんですね。
古川さまの教えを読み、知らないうちに『つらい過去』が自分の糧になっていたことに気づかされました。ありがとうございます。
そう考えると、つらい過去の記憶とも向き合える気がしてきました。
トラウマではなく今を感謝して生きるための糧なんだと考えを変えていければ、重荷になる事なく向き合えそうです。
今ある平穏や安心が当たり前ではないことに感謝し、自分がとても恵まれた環境にいるのだと日々考えながら過ごしていきます。
有り難いお言葉とお優しいお言葉を頂き本当にありがとうございます。
釋 さま
ご回答ありがとうございます。
悪夢をみてしまう自分を責めていたように思います。
自分が悪いわけではない、そう思うことが大事だと思いました。
幼い頃の自分自身に、恐れではなく優しさや愛情の心で向き合えるよう努めていきたいです。
この度は有り難いお言葉をありがとうございます。