今後の生き方が見えてきません。
いつもお世話になっております。
これからの生き方に答えが出せず、苦しいために相談させていただきました。
今、実家の売却や今の職場の先が危ういことが重なっているストレス。
この先どうやって生きていこうということ。
目標、生活のための対策がわからず、途方に暮れています。
そのため、仕事中にしばしばぼーっとしてしまったり、気持ちが落ち着かない、不安、辛いという状況になりがちです。
人付き合いが不馴れなため、そう多く相談出来る人がおりません。
相談出来るまでの関係を築く、という経験も少ないので、手詰まりしてしまっています。
心療内科には通っていますが、上手く質問出来ていないせいか、問題の解決には至っていません。
貯金や自炊を始めたり、趣味の再開など、お金や仕事のスキルがなくてもできることはしています。
ですが、他にも何かした方がいいかと思ってはいます。
どこからどう手をつけていけば、安定した生活や気持ちになれるのでしょうか。
長く抽象的でわかりにくいですが、どうかご助言下さると幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
船酔いに耐えてこそ、海に強くなっていきます。
拝読させていただきました。
内容の『相談出来るまでの関係を築く』とあります。
まさにその通りと深く感じ入ります。
中々、心の思いを伝えたくても上手く伝わることが難しいものです。一から説明したところで安易に理解してもらえるものでもないですよね。
苦難の渦中にいると外の世界が羨ましく感じ、一日もはやくこの苦境から抜け出せないものかと悶々する気持ちになります。
多くの人々はネット社会でもあるものの、相談さえも躊躇する人々も少なくありません。かなたさんがhasunohaへ相談されることだけでも一歩を進むための勇気の持主ですよ。
弘法大師(空海 774-835)のお言葉に
「五戒の小舟、猛浪に漂い、羅刹の津にさまようのみ。」と、あります。
タイトルで記しました“船酔いに耐えてこそ、海に強くなる”と現代訳で言い表したものですが、空海自身も天才と言われる僧侶といまやなっているが、若い時には思いっきり苦しんだ思いを馳せた文言なのです。
人はいつも平穏で人生を過ごせるものでもなく、自身が招いた後悔、他人から生じる外からの苦、愛する人たちの突然の別れなど、誰もが“迷い、もがき、苦しみ、彷徨い”を経験が無きにしも非ずであるが、その苦境の悩みの中には、過ぎ去った大切な人たちが生きたかった思いをしっかりと冷静に意思を引き取ることで、また一歩前進、自身を奮い立たせる力(薬)となるものです。
仏教では「迷いを“無明”」といいます。字のごとく、迷いが生じることで、心を暗くしてしまい、生き方を見出せずにいるという意味です。苦は迷いからも生じているということと仏教はとらえます。
ジブリ映画の「風立ちぬ」でも同じように、原文のポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』の一節を原作者が訳した「風立ちぬ、いざ生きめやも」ということであり、
「苦難が生じた。しかし、それでも生きてゆかなければならない。」と私は訳します。
舟も風が吹かなければ、漕いで陸地を目指し、風がなければ海の中にいるだけであり、とにかく今はどの陸地でもいい、陸地に着いてから後のことは考えていく。
このように少し例えで表していますが、くみ取っていただけましたら幸いです。
時間だけが過ぎているのではなく、その時間こそが薬でもあるのです。
合掌
質問者からのお礼
法源様
お礼が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
私がこちらに相談させていただいたことが、勇気あることとのお言葉、大変励みになりました。
確かに、長い苦境の中で辛い思いをし続けてしまいました。
仏教や歴史に疎い私ですが、空海という方のお名前は存じています。
その方も、苦難の先に優れた僧侶となられたのですね。
今は船酔いに耐える時期なのかも知れません。ですが、その先に強さを得られるのならばと思うと、希望を見出だせるお言葉でした。
人生の複雑さや辛さに直面している今だと思いますが、例えにあった言葉のように、懸命に生きていきたいと思います。
そして、今よりも少しでも強い人間になれたらと思います。
勇気と励ましを頂けたお言葉でした。
ありがとうございました。