どのように父を説得すればいいのでしょうか。
こんにちは。初めて質問させていただきます。
私は海外で夢に描いた人生を送っているのですが、遠い日本の実家で五年前に父の会社が借金まみれで倒産、両親の資産は全部債権者に取られ、両親(60代)は貯金ゼロです。父は母どころか従業員にも相談せずこうなってしまいました。父は従業員になんとか退職金を与え今は一人で全く仕事を続けていますが全くうまくいっておらず、収入はほとんどありません。なのに昼過ぎまで就寝し、大好きなお酒の量は増え続け、運動も全くせず歩いて数分の場所も残しておいた車で行きます。
母に罵声を浴びせることもあるそうです。父は仕事が一番です。勿論ここに私が居ることができるのはそのおかげです。
母は二年前から生活費を稼ぐためパートを始めました。
私達が父もパートをして少しでも生活費を稼ぐよう促してもする気はゼロです。
自分より年下の元で働いたり、ということは考えられないのです。
父のプライドの高さは誰にも負けていません。母は専業主婦で一家を支え続けてきてくれていましたが、40年間主婦をしてきた母にとって新しい環境に入ることすら大変であるのに、パートを始めた今も母に対して感謝するどころか一切手伝うことなく、鼻で笑って主婦業をケナすこともあります。怒鳴ったりすることも多々ありました。そんな今、娘たちが結婚をし、母は父と話すこともありませんし、仲は良くありません。
父はこれまで一から会社を創り私たちを幸せにしてくれましたが、今の父は全く尊敬できません。
私も落ち着いて父を説得しようとしますが、私の言い方が下手で聞くフリだけで全く聞いていません。
私の産休により仕送りもストップした今、どのように父に向き合えばよいでしょうか。今後の両親が心配です。また母が本当に可哀想でなりません。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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耳を傾ける
悩める三女さま
はじめまして、なごみ庵の浦上哲也と申します。
三女さんは現在海外で夢に描いた生活をしていらして、それはお父さまのお陰と感謝をしているのですね。
しかしそのお父さまは5年前に会社が倒産し、現在は半ば自暴自棄のような生活になっていらっしゃる。その父と暮らしているお母さまは、夫に協力も理解もされず、罵声を浴びせられるような毎日で、娘としてとても心配なさっているのですね。
海外在住とのことですからすぐに助けに行くことも出来ず、より心配が募っているのではないでしょうか。なんとかお父さまを説得しようとするものの、それも上手くいかず、もどかしい思いを抱えていらっしゃることと存じます。とても、おつらいですね。
私はご質問を読み、三女さんとしては具体的には何もできない、どうしようもないことだと感じました。
お父さまは立派な方です。会社を立ち上げ切り盛りし、無念にも倒産の際には自分たちの資産を投げ打ちながら、従業員に退職金をお出しになりました。
きっと我が子のように大切な会社だったのでしょうし、家族のような従業員さんたちだったのでしょう。それを失って荒れるお父さまの今の生活の様子は、とうてい認め難いものかもしれませんが、理解し難いとまでは言えないような気がいたします。お父さまも、苦しんでおられるのだと思います。
「どうしようもないこと」と書きましたが、できることがあるとすれば、お父さまとお母さまの話を聴いて差し上げることです。子が親を説得するのは非常に難しいことです。親子でなくても、身内の説得はなかなか聞き入れられないものです
だから、説得するのではなく耳を傾けるしかないのではないでしょうか。今もご両親の話を聞いている、と思われるかもしれませんが、心を寄り添わせて話を聴くのは、じつはとても難しいことです。
お釈迦さまも多くの教えを説かれましたが、ただ一方的に説いたのではなく、まずは相手の話に充分に耳を傾けたのです。
「悩める三女」というニックネームですから、ご姉妹もいらっしゃるのでしょう。その姉妹たちと連携を取って、お父さまの悲しみ、お母さまの苦しみに耳を傾ける姿勢を取り続けてあげてください。
居場所を作ってあげること
こんにちは。拝見いたしました。
悩める三女さんは海外在住にて夢を叶えた生活をしておられる。一方でお父様は会社が倒産してしまい資産を失ってしまいました。収入もなくお母様にきつく当たることもあり、娘の説得にも応じない状態でこれからどのようにお父様と向き合っていけばよいのかと悩んでおられるのですね。
まず悩める三女さんは海外にいながらもご両親のことちゃんと考えておられる誠実な方なのだなと感心いたしました。お優しい心をお持ちなのですね。それだけでも十分に親孝行だと思いました。
私の邪推でお話をすすめてしまいますが、お父様は自分自身が許せず今の自分を認めたくない状態なのだと思います。例えば人生や人間関係を「勝ち負け」でとらえる人というのが少なからずいます。自分に自信がない人間ほど「どちらが偉いのか」「どちらが主導権を握っているのか」ということを意識的に、無意識的に気にしながら生きてしまうのです。常に自分は大切に扱われているかということを内心びくびくしながら生きているので「なめられる」「馬鹿にされる」という事を恐れ、見栄と虚勢の中で自分を人生で証明するために生きています。お母様を見下すということは見下されることへの恐れを持っているのです。
ですから、これをいくら「誰が見ても正しいあり方」としてお父様を説得したとしても、その正しいあり方に向かうためには「今の自分の現状」「自分でも認めたくない弱い自分」を認め受け入れなくてはならないのです。他人からすれば「すでに負けているでしょ。そこは責めてないから先をみましょうよ」と思うかもしれませんが、そこまで受け入れていないと心のどこかで気づいている。でも人に言われたくないという「こじらせた」状態なのかなとも思いました。
なにより夢に描いた生活をしている悩める三女さんの言葉を受け入れることは現時点ではなかなか難しいのではないかと思います。ですから少しひどい言い方かもしれませんが、そういった「燃え尽きた病気」であるとお考えいただいて足りない部分を指摘するよりも「認めてあげる」「ほめる」「困りごとを作ってお願いする」という家族の中に「居場所」を作ってあげる作業が大切なのかなと思いました。
どうぞご家族の心に平安が訪れますように。合掌
質問者からのお礼
早速の回答有り難うございます。
耳を傾ける、ですね。人は自分の心を聞いてもらうことだけでとても気分が楽になります。
私自身、主人に話を聞いて欲しいと思うことが多々あります。
初心に戻り、感謝の気持ちの姿勢でお話してみようと思います。
有り難うございます。
またの回答、有り難く読ませていただきました。
なるほど。冷静な解釈でとてもとても参考になりました。
意識的・無意識的に起こしてしまう父の行動が見辛いなか、そこばかり意識していたため父の居場所を作るどころか話すことさえ嫌気がさしてしまう最近でした。
居場所を作ってあげること、優しい気持ちを持って接していきたいと思います。