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楽になりたいと話す父

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父は長く患っている肝臓の病気があり、最近、終末期に入ると医者から言われて、ずっと通っていた大きな病院から自宅近くの小さな病院に転院しました。父は在宅を望んでいるため、今は、介護保険を申請して、自宅に戻れる準備をしている所です。
今の病院は毎日、面会ができるため
話すこともできて(以前の病院はコロナ感染予防の為面会禁止でした)
とても嬉しいのですが、
反面、父の体の辛さ(肺とお腹に水が溜まって呼吸が苦しい、睡眠薬をのんでも眠れないなど)がよくわかるので
しんどいです。
先日、父が、天に召されて
とても楽になった夢を見たとか
自分のお迎えは、まだなのかなぁ
と、話している様子を見て、毎日つらいんだろうなと思うと涙が出ます。
寄り添っていくものとして、父の気持ちが少しでも楽になるには
どうしたら良いのでしょうか?

2022年6月5日 5:34

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

仕事を見つける

頭がはっきりしているならチャンスだと思います。
 死ぬまでにまだできる仕事をお勧めするのはどうでしょうか。
 心だけでできる、慈悲喜捨の気持ちを心に植え付けるという修行があります。
 慈悲喜捨の心を、それを表現した短い言葉を心や言葉で唱えるだけです。自分の心の波長を世間のレベルより上に上げる訓練でもあり、何もしないよりは遥かに立派なことをしているので善行為であり、功徳を積むことにもなります。もし来世があるとしたら、餓鬼や畜生、地獄などの悪いところよりも人間や天人などの良いところに生まれる可能性が高くなります。
 言葉は、(宗)日本テーラワーダ仏教協会のホームページに、スマナサーラ長老が和訳したものが載っています。
 構造は、私→親しい生命→生きとし生けるものの順に、慈悲喜捨の気持ちを「幸せでありますように」「悩み苦しみがなくなりますように」「願い事がかなえられますように」「悟りの光が現れますように」と心か言葉で唱えて心に染み込ませるやり方です。
 どうせ体はどんどん苦しくなるし、やれることもほとんどないので死を待つしかないのですが、残りの人生に、まだやれる仕事があるとわかると、しかもそれは自分にも周りの人々にも無害どころかやればやるほど有益なことだとわかると、特に外で仕事をしてきた男性には、やりがいが出るのではないでしょうか。
 残りの人生を生きるお父様と支える皆様が幸せでありますように、悩み苦しみがなくなりますように、と、願っております。

 お父様もご家族や縁ある方々も最後までよく頑張りました。体から離れて心だけになり一瞬楽になり、次にはもう業に随って適切な何かに転生し、また新たな歩みを始める、と、初期仏教では見ています。
 すぐに人間とかはタイミングがあるのでむつかしいです。心だけで生まれられる天界か餓鬼道が多いです。心が健やかならば天界、少し変なら餓鬼道などと人間が勝手に判断します。
 体の反応はなくなってもなんだかまだ近くで見守ってくれているような気がするなどというのは、実際に近くにおられるのかもしれません。こちらも、お父様への感謝を忘れず、同時に、悲しみの中でも日常生活もしっかり歩んでください。
 生きとし生けるものが幸せでありますように

2022年6月5日 8:40
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有り難し
おきもち

初期仏教というか仏教本来の教えを学びつつ、その在家信者のあり方から見た日本...
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質問者からのお礼

お返事が遅くなり申しわけありませんでした。父は昨日、穏やかに息を引き取りました。辛く苦しい時間もありましたがやっと苦しみから開放されたのかなぁと思うと、ツライ気持ちも少しは救われます。
父は残りの時間を、私達家族のために
一生懸命生きてくれました。
父のように強くなりたいと、思います。ありがとうございました。

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