大切な人ほど側に居てあげられない
大好きな母方の祖父が去年、突然がんになってしまいました。
元気で体力もあって、毎日畑仕事をこなす人だったので今でも信じられないくらいです。
手術後は出来ていた会話も、今はほとんどできず目を開けることも難しいようです。
入院を経て現在介護施設にいますが、先日やっと面会することができました。
1年前とは全く違う状況になってしまったのに、それでも必死で生きようとしている祖父の姿に家族で号泣してしまいました。
反対に同居している父方の祖父は元気で、体の悪いところは何もないようです。
嫁である私の母が食事の世話をしている以外は高齢になった今でも一人で自分のことはできます。
しかし父方の祖父のことは家族みんな大嫌いです。
理由は、昔私が子供だったころからいじわるをされてきたからです。
いわゆる毒祖父です。
孫である私や妹が幼いながらに駄々をこねたり、泣いてかんしゃくを起こすと機嫌が悪くなり、気に入らないことがあると怒鳴られました。
そんな祖父にいつも怯えて生活していました。
子供のころ辛かった経験は、大人になった今でも鮮明に覚えていて本当に苦しくなります。
今は私と妹は離れて暮らしていますが、
父と母は同居しています。
その父と母が大切に育てていた花を勝手に刈り取ったり、干してある洗濯物で掃除をしたり考えられない嫌がらせのようなことを繰り返すようです。
特に母は取り繕って祖父とコミュニケーションを取らなくてはならないのが本当に嫌で離れたいが、仕方なく一緒に暮らしているといった状況です。
「こんなこと思っちゃいけないけどね」と本人は言いますが…
大好きでいつまでも元気でいてほしい人は病気になってしまい側にいてあげることができず、
逆に家族であっても自分に辛い思いをさせた人は元気で近くにいることがどうしても受け入れられません。
考えてもどうしようもない事なのに、辛くて涙が出ます。
母も相当なストレスのようで心配になります。
どのような心持ちで毎日を過ごしたら良いのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
何が大切な生き方かを教えてくださる方、感謝の気持ちが生まれる
コロナ禍の状況で、施設にいらっしゃる祖父さまとも、思うように会ったり触れたり出来ないのがもどかしいですよね。
こんな時だから、そばにいたい、繋がっていたい、何か出来ることをしてあげたいと、想いは募りますね。
だからこそ余計に、こちら側の祖父さまを、恵まれた環境にあるのにどうして?と、悔しさや情けなさが込み上げてきますよね。
どちらが どうではないのに、比べる対象になってしまう。思い出したくもない記憶まで、あなたを苦しめますよね。
一緒に暮らされている お母さまには、そんな現実が続いているわけですから、気持ちの休まるときがなく 心労が絶えませんね。
それぞれの人生ですから、その人が身につけた価値観や振る舞いというのは、変わってほしいと周りが願っても、難しいままかもしれません。
ですが、祖父さま方を見てみましても、歳を重ねてつつも、何が大切な生き方かを教えてくださる方には、感謝の気持ちが向けられますね。家族に想われて心配されて、それだけでも、とても心強く安心なさることでしょう。
繋がっていること、それは祖父さまに届いていますよ。一日も早い回復を願いましょう。
私もこちらから、念じます。
お母さまも、あなたがわかっていてくれる、それが支えだと思うわ。話を聞いてあげてね。味方してあげてね。
家族を想う娘がいることが、何より親の安心なのよ。いつもありがとう。
一期一会と“そういう人”という認識
こんにちは。亀山純史と申します。
人の心情としては、大好きでいつまでも元気でいてほしい人が病気になってしまい、またそばにいてあげることができないのに対して、一方、家族であっても自分に辛い思いをさせた人は元気で近くにいるという状況に納得がいかないということは、よくわかります。
しかし、そのようなことは、あなたが言われるように、考えてもどうしようもないことなんですよね。まさに仏教で言うところの、諸行無常です。どんなに素晴らしい人であっても、病を引き起こす縁があれば病になってしまいます。何の罪もない人が事件、事故に巻き込まれることは、残念ながら日常茶飯事のことですよね。ですから、一回一回の出会いを大切にしていきたいものだと思います。一期一会ですね。
ところで、ご相談で述べられているような父方のお祖父さんであれば、常に共に生活しなければならない状態は、精神的に苦痛であり、お母様はよく耐えていることと思います。少しでもお母さんのストレスを和らげてあげたいですね。この世は諸法無我であり、何一つとして自分の思い通りになるものはありません。他人の考えや気持ちなども、自分の思い通りにコントロールすることなど出来ないのです。そうであれば、お祖父さんの態度等を変えようなどと思っても、それこそ疲労困憊してしまいます。
では、どうすればいいのか。私からの回答は、お祖父さんのそのような性格、態度を認めることです。性格、態度を認めるとは、「お祖父さんはそういう人なんだ。」と認める、ということです。けっして、性格や態度そのものを認めるわけではありません。「様々な性格の人が、世間にはいる」という姿勢を家族の中に取り入れて対応する、ということですね。言うは易く行うは難しではあるかもしれませんが。
以上が私からの回答です。お母様にとってあなたは強い心の見方になっていることでしょう。お母様をいつまでも大切になさってください。
質問者からのお礼
中田様
この度はご回答ありがとうございます。
寄り添うようなお言葉に、心が温かくなりました。
どうしても嫌な事に気持ちが向きがちでしたが、ハッとさせられました。
母方の祖父から大切なことを教えてもらっているのですね。
あれからまた面会することができたのですが、目を開けてこちらを真っ直ぐに見てくれました。
生きようとする強い気持ちが伝わってきました。
中田様の仰る通り、私たちの気持ちが届いたんだなと感じました。
祖父のためにも、私たちが元気にしていなくてはいけませんね。
大切なことに気付かせて頂き、本当にありがとうございます。
また、祖父と母のことを気にかけて下さりありがとうございます。
亀山様
この度はご回答ありがとうございます。
(初めて利用するため使い方が分からずお礼のコメントが追記となってしまったこと、お許しください)
自分ではどうしようもならないこと、他人をコントロールすることは出来ないということ、日頃から心に置いているつもりでしたが
どうしても自分に都合の良いように変えたいと思ってしまうものでした。
しかし、変えられないものに注視するのではなく他の部分を大切にするとにいうこと、心に響きました。
父方の祖父に関して「そういう人だと認めること」分かっていても出来ていなかったように思います。
これからは自分が大切だと思う事に意識を向けて生きていこうと思います。
母にも伝えました。
本当にありがとうございます。