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鬱病が良くなったので再就職…しかし、不安

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私は今年で29歳になります。
大学は訳あり25歳で卒業し、IT企業に勤めました。

勤めてから半年で鬱病になってしまいそのまま退職。
そこから約3年間、今まで病気の療養をしておりました。

病状もある程度良くなったので、就職活動を開始。
介護施設の営業職の内定を貰いました。

ただ、内定をいざ貰うと対人に対する恐怖や鬱病になったことへの不安から押しつぶされそうになります。
以前も理系の専門商社から内定を貰いましたが、同様の理由から内定を辞退してしまいました。
選んでいる状況ではないことはわかってはいますが、どうしても不安や恐怖からか「あれが嫌。これが嫌。」と駄々をこねてしまいます。

しかし、いつまでも逃げてはいけないとは思っています。
ただどうしても、不安や恐怖で先に進めません。

公務員試験や就職活動、自営業もしていましたが、全て失敗してしまいました。
失敗続きの人生ですっかり自信を無くしてしまい、これから先希望を見いたしません。

今まで病気で苦しみ今も体調が優れない時があります。
必死に努力して病気をなんとかしてしてきましたが、ふと「死んだ方が楽ではないか」と言った思いも出てきてしまいます。

大変身勝手なお願いとは思いますが、前に進むための助言を頂けないでしょうか。
不安や恐怖、他にも嫉妬と言った感情があり、これらに打ち勝つにはどうすれば良いのでしょうか。

正直生きてる中で希望が見出せません。

2022年7月4日 18:00

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

どの人も、他の人の助けになる人生を歩んでいる

こんにちは。亀山純史と申します。

ウイルス性の病と違って鬱病のような病は、回復に向かっていても、不安を取り除くことは難しいことだと思います。そして病気の苦しみは、その病気になったことがある人でしか、本当にその苦しみを理解することができないものかもしれません。しかし、その病気になった人にしか得ることが出来ない成長も、そこにはあるのではないかと思っています。人は病気になって初めて、健康の有難味がわかる、とはよく言われることですよね。

かつて、村山聖(さとし)九段という将棋の棋士がいました。彼は五歳のときに腎臓の難病であるネフローゼ症候群にかかりながらも、病と闘い「東の羽生、西の村山」と並び称される棋士へとなるのですが、1998年の夏、29歳という若さでこの世を去ってしまいます。 そのような彼は、いくつもの言葉を残しています。

「ネフローゼという事を短所と思うよりも長所と思い、人と違った人生、変わったおもしろい人生が歩める位の気持ちが大切だと思います。」

「もし健康だったらと思うことはありましたが、ない物ねだりをしてもしかたがありません。もしも健康のままだったら健全な体を感謝することなく終わっていたでしょう。」

「私にとってこの病気は体の一部になりました。もう何十年も走っていません。もう走ることはないでしょう。しかしいっぱい走る体験よりも、もっともっとたくさんの体験をこの病気はくれたように思います。」

病気になったということは、机上の理解だけではわかり得ないことをあなたは経験した、と言えるのでしょう。

不安や恐怖心を抱く人は、あなただけではないはずです。そのような人を理解できるのは、あなたのような人だと思います。いつか、あなたの人生が、他の人の助けになるかもしれませんよ。たとえ、そのような機会がなかったとしても、他の人の助けになる人生を歩んでいることに、変わりはありませんからね。どの人も、他の人の助けになる人生を歩んでいる、と私は思っています。

以上が私からの回答です。少しでも前を向いて歩めることを願っています。

2022年7月5日 17:06
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