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子どもの障がいを受け入れられません

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こんにちは。
小学生から3歳までの子どもが3人います。
先日、3歳の末っ子の長女が知的障がいを伴う自閉症スペクトラムと診断されました。

手帳を取得、療育に通い、現状できる限りのことはしました。ショックで心身の不調もまだまだありますが、家族の協力の元、心療内科に通院などして毎日を乗り切れています。

現在の娘は内面が幼すぎるからということもあるのでしょうが、素直で穏やかで兄たちからも可愛がられています。
発語はほぼなく、コミュニケーション力の不足はありますが、癇癪や自傷他害などもなく、少し大きい赤ちゃんと言う感じです。成長にまつわる悩みは尽きませんが、かわいい娘ではあります。

しかし、いつか成長して特性が強くなった娘とどう向き合えばいいのか、成長して障害を理解し始めたら息子たちは娘を疎みはじめるのではないか、どんどん定型発達の子どもたちと差がわかりやすくなるたびに周りから心無い目で見られるのではないか、毎日心配しながら苦しく過ごしています。

また、1番の苦しみの理由は自分の中の「見栄」だと思います。家族からも「自分がかわいそうという気持ちが強すぎる」と指摘されています。
上の2人は健常でつまづきなく育ちました。自分はコンプレックスの塊で、くだらないかもしれませんが唯一の誇りが「普通の育児のレールに乗って地域に馴染んだママ」という点ではありました。娘が障がい児だったことでそのレールから外れたと嘆いているのだと思います。
何より「娘」という存在に長年憧れており、自分のエゴと期待を乗せすぎていたのだと思います。母子でいつかたくさんおしゃべりするのを楽しみにしていましたが叶わないとわかり悲しいです。
発達がゆっくりでも世界一可愛い、守ってあげるよ、と思っていたのに診断名と知能指数がついた途端に嫌悪感のような気持ちが湧きました。最低だと思っています。
今でも可愛いと感じる時もあれば、上記のように拒否感の湧く時もあります。

そんな自分のレッテル貼りと見栄に捉われた心持ちを変えるのが一番いいのだとは思います。
しかし、なかなか難しく、近い年頃の子の健常の家族を見ると嫉妬や惨めさが消えません。我が子であるはずの上の2人ですら複雑な気持ちで眺めてしまうこともあります。

どのような気持ちで娘や家族、自分のエゴと向き合って行けばよいか、アドバイスをお願いします。

2022年9月10日 7:24

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

それでいい、その気持ちのままでもいから、どうしていくか

こんにちは。ご相談拝読しました。

中々人には言えない気持ちを正直に綴ってくださったのだなあと、胸が締め付けられる思いで読ませて頂きました。

私にとってはriccoさんは最低な母親なんかではありません。正直で誠実な方です。そして課題に向き合おうとする勇気のある方です。その姿勢に敬服致します。

さて、人間てそんなにキレイな生き物ではありません。そして弱いものです。無償で純粋の愛というものを持てれば理想ですが、そんなことはできないのだと思います。それは子どもに対してもやはりそうなのでしょう。

私は自身の先天的な要因で血の繋がった実子には恵まれず、縁あって特別養子縁組で親となりました。この子に寺を継いで欲しいとはさほど思いませんが、それは私の所属する寺院が過疎限界集落にあり、私の次世代はもう運営が難しいという現実が見えているからかもしれません。もしも大寺院で都市部にあるお寺ならどうだったでしょうか・・・子を子自身の望むように生きて欲しいときちんと願えたでしょうか、それはわかりません。

何が言いたいかというと人間の気持ちは環境によるところが大きいということです。自分という小さな存在の範囲内だけに収まるものではないのです。

今、riccoさんがお抱えの気持ちはriccoさんの抱える現状や、ricocoさんの生育環境などあらゆる縁によって自分の意思を超えて表れ出たものです。自分が生まれる前から自分の歴史は始まっています。それをコントロールはできません。

だからね、どんな気持ちでもいいのですよ。そこに良い悪いはありません。そんなに自分を責めないでください。

でもね、私たちは親になりました。親になった以上はたとえ内心にどんなものを抱えていようと、行為としては子を愛する。子の生きる環境を整える。それが責務なのでしょう。

もしもそれがどうしてもできないのなら、極論に感じるかもしれませんが、里子や養子や施設という選択肢もあるわけです。自分には愛の行為ができないならば、他の誰かに託すことだって愛の行為の選択肢の一つです。

親は子に教えられながら親にさせてもらう。自分のエゴを子に照らされながら、その傷みを抱えてなお、親であろうと自分の行動を問う。子はその行動を通して親が抱える気持ちよりも、親が伝えたい気持ちを汲み取るのかもしれません。

2022年9月11日 14:20
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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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一層幸せを皆様と分かち合いながら

拝読させて頂きました。
あなたのお気持ちを読ませて頂きました。お子さんのことであなたの心の中に様々な悩み苦しみが湧き上がってきておられることを読ませて頂きました。あなたのお気持ち心よりお察しします。
あなたはお子さん達のことを心から愛しておられるでしょう。そしてお子さん達はあなたのことを今もこれからもずっと永遠に愛して下さることでしょう。
現実世界では確かに大変なこともあるでしょう、人と比較して苦しい場面もあるでしょう。
けれどもその様なことを差し引いてあまりある程にあなたのもとに生まれて育って下さるお子さん達は何にもましてかけがえのない存在ですよね。お子さん達がいて下さることで何倍も或いは何百倍もあなたが生きる意味や目的や価値は大きくなっておられるでしょう。
辛いこと苦しみはあなたでなければわからないかもしれませんけれども、それを分かち合いながらあなたも皆様も一層心豊かに幸せに生きていくことを実感していくことができるでしょう。
あなたがお子さん達ご家族の皆様そして多くの皆様と一緒に心から豊かに幸せを味わいながらかけがえのない毎日を生き抜いていかれます様に切に仏様や神様や皆様のご先祖様にお祈りさせて頂きます。
またあなたのお気持ちお聞かせ下さいね、心よりお待ちしております。

2022年9月10日 20:51
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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

お二方とも真摯にご返答頂きありがとうございました。
拝読させて頂きながら心のほぐれるような思いでした。
今後の子育てへの参考にさせて頂きます。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ