子供との向き合い方がわかりません
6歳になる子供に「○○ちゃんのママのほうがよかった」「このうちの子に生まれたくなかった」と言われました。
○○ちゃんのママのほうが若いからという理由で。今までも何回かこのようなことを言われても「そうなんだー」程度で流していましたが、今回はダイレクトに受け止めてしまい悲しくてショックで大泣きしてしまいました。
頭では「小さい子供の言うことだから」とわかってはいますが高齢出産と言われる年齢で産んだわけでもないし、私の今までの紆余曲折あって産むまでにこの年齢だった。私の人生のなにがわかるんだ!と怒りに似た気持ちが沸いてきて苦しいです。
自分の子供に傷付くことを言われて今まで通りに接することができないのは私の子供への愛は無償の愛ではなかったのか?と疑ってしまいます。
このまま子供への関心がなくなり子供の心身へ悪い影響を与える母親になるのではとこわいです。
子供も謝ってくれましまが、まだ気持ちの整理がつきません。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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言葉より深いところに大事なものがあるのかな
ご相談拝読しました。
私も子を持つ親ですのでお気持ちお察しします。それは正直ショックですよね。
でも、きっと・・・いや必ず、お子様の真意はその言葉上にあるのではなく、言葉になっていないところにあるのだと思います。
「(本当はうちのママが良いと思いたいのに)○○ちゃんのママのほうがよかった(とその時は思ってしまった)」
「(本当はこのうちに生まれたことを喜びたいのに)このうちの子に生まれたくなかった(とその時は思ってしまった)」
ということなのではないでしょうか。
まだまだ、表面的的なことに流されてしまう、その時その時の都合でその思いをぶつけてしまうのが子どもなのでしょう。
むしろ思いをぶつけられる相手であるというのが親と子がきちんとした関係であることの証拠でもあるのではないでしょうか。
本当に他のうち、他のママがいいと思っていたらもっと違う言い方になるか、そんなことは言えないと思うのです。
でもママだからぶつけられた、そういうことではないでしょうか。
それに無償の愛ではないことでそんなに自分を責めることはありません。仏教的にも人間には煩悩があると説きます。煩悩とは自己中心的な心であり、それは思い通りになるものではありません。
だから親だからといって子の態度に反応してしまうことは避けられないのでしょう。
でも、無償の愛が成り立たずとも、無償の愛でありたいという願いが、あるいは無償の愛に反応する心があるというのが人間の大事なところではないでしょうか。
親も子も、煩悩をもつ不完全なもの同士でぶつかったりしながら、現実の自分の姿を学び、相手を学び、成長したり、自分を捉え直したりするのでしょうね。
だからそのままのあなたで、これからもお母さんでいてください。応援しています。
無償の愛というわけではない
と、親子ともども頭に入れておくとよいと思います。仏教では、親子の愛情さえも無償ではなく、お互いに、買うものだ、とさえ言います。
哺乳類ですからお互いに親子でべったりが、特に小さい頃は普通なのですが、ある程度分別がつくころになると、人間なので、いろいろ要らんことを計算してみます。そういうまとまらないままの発言だったのでしょう。
世間でも親には子に対して扶養の義務とか一応決まっています。その代わり、昔は?尊属殺人はより重罪とか、子が親への敬意を持つのは当たり前という決まりもあります。世間でもけっこう、親子はギブ&テイクの関係です。与える親が無償の愛と言ってもいいですが、受け取る子供は、これは無償だ、タダだ、と勘違いしないほうがいいのです。
仏教でも、親は子に、養うのはまあ当然として、道徳を教える義務があるといいます。前世ではお互いまったく他人だったのに、親のおなかに入ってきたのですから、立派に育てて世に送り出す責任がある、と言います。
子供も、親に対して義務があると、仏教では当然言います。自分が成長するために、家族や世界とうまく関係を作るために、何が善か悪か見分け、悪ならやらない、善ならやるという道徳を学びなさい、と言います。人間界で無事に生きるために必要不可欠なことですから、親によって世間から守られているうちに、世間に出て問題ないスキルを身に着ける必要があるのです。仕事に必要な勉強も大事ですが、まず道徳です。それはそのまま親子関係にも必要なことです。
それと、自分が子供で何もできないうちは親が無償で衣食住を提供してくれるのですから、自分が大きくなったら、よぼよぼの親の面倒を見るのは当然、と、言います。その前哨戦で、子供の頃から親孝行するべし、と言います。ギブ&テイクは子供のうちから実践できます。
あなたにお子さんへの無償の愛があるのはお子さんにも伝わっていることでしょう。今後は、あまり深刻に考えずに、仏教では親子関係でさえ取引だよ、と、楽しく親子の間で愛情の商売をしていけばいいと思います。お互いに儲かるように頑張ってください。
スマナサーラ長老の『成功する生き方--「シガーラ教戒経の実践」--』角川文庫に、親子関係だけでなく、夫婦関係、友達関係など、もっと詳しく出ています。
質問者からのお礼
お言葉ありがとうございました。ですが、あれからまだ子供と距離をとっています。
子供に以前のように接することができそうにありません。
回答してくださりありがとうございました。
確かに、深く考え過ぎ思いつめていたところもありました。親子でも愛情の商売という考え方は私の中でなかったので、とても参考になり少し心も軽くなりました。ありがとうございました。