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故人に対する怒りの感情

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有り難し有り難し 19

亡くなった弟への怒りがおさまりません。
先日、弟(享年58歳)が亡くなりました。それまで独身で母と2人で暮らしていた弟は、長年交際していたという女性を連れてきて、全財産を彼女に相続させたいと言い出しました。高齢の母と、障害を抱え、かつ別に家庭のあるわたし、到底充分な看病はしてあげられないと思ったので、むしろ彼女の登場をありがたいとすら思い、弟を支えてくれるなら相続も当然だと思っていました。
ここで少し弟の性格に触れておきます。彼は性格が悪いなどというレベルではなく人格障害の域であったと思われます。全く社会のルールが守れず、自己の利益のためならなんでもする人でした。わたしも被害者の1人でしたので、ここ10年位距離をおいていました。
弟は幼少期の母からの言葉に傷ついたことを理由に、いまだに母に酷い仕打ちをしていました。
離れて暮らすようにも促しましたが、弟は母の年金で暮らし自分の収入は全部貯蓄にまわせるという下心が見え見えでしたし、母は母で「こんな子にしてしまったのはわたし。できるだけ関係修復したい」と申していました。
今となっては母の育て方と言うより先天的になにかしらの障害があったのではと思ったりもします。
病気になったことは本当に気の毒に思ったし、わたしも距離をおいていた自分を反省し、最期くらいは姉として尽くしてあげたいと思いました。相続も弟の希望通りにと思っていました。きちんと奥さんにあげるから安心するように言いましたが、彼のお金への執着は凄まじいもので、毎日のように母に相続権を放棄しろと迫っていました。
結果彼は、奥さんに「母親には俺の金は一円もやるな」と言い残し、その旨を記した遺言状も残していました。
奥さんは家事も看病も私たちに丸投げ、とても役目を果たしたとは言えません。
入籍前、「○○さんと結婚できるなら相続権も放棄しますし、お義母さんとも仲良くしたいです。」と言っていた彼女。弟と結託して母から相続権を奪うために来たのでしょうか?奥さんは悪人というよりもすっかり弟に懐柔されていた感じです。教祖様と熱狂的な信者、と言った風にも見えました。
母が不憫でたまりません。弟への怒りがおさまりません。
弟を悼めないわたしは悪い人間でしょうか?苦しくてしかたがないです。

2022年11月13日 20:32

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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出会い直しの道はあるでしょうか

ご相談を拝読しました。まずは弟さんのご命終に哀悼の誠を捧げます。

南無阿弥陀仏

さて、弟さんのことではずっとご苦労をされてきたのですね。そして最後の最後まで通じ合えるところがなく、納得できる形にならなかったのですね。
そのような中で悼みの感情を持てないことは致し方ないと思います。けして自分が悪い人間だなどと責めないでください。

しかしながら、最後の「苦しくてしかたがないです」というお言葉に何かもっと深い思いがあるように見受けられます。苦しいということは、弟さんのことを悼めないということにも自分自身でどこか疑問を感じておられるのでしょう。

感情は思うとおりにはなりません。だから気持ちはどんなものでもその時のものとして認めましょう。ただし、行為としては弟さんのご供養を淡々とされていってはどうかと思います。その行為を通して、徐々に気持ちが変化してくるかもしれません。
もちろん死をもって全ての問題が清算されるなどということはありませんが、死によって弟さんの存在が、それまでの人間としての弟さんというだけでなく、何か大事なことを教えてくれる存在として受け止め直されていくのだと思います。

人としての弟さんのことはどうしても許せないかもしれません。しかし、その弟さんもあなたが考えるようにもしかしたら先天的な障がいや傾向を抱えていたかもしれない、その中で人格が形成され、本人の中に葛藤や生きづらさもあったのかもしれない。そしてこの度命を終えていかれた・・・そこに何か、人間のはかなさ、人生の不条理、それでも生きなければならない命の厳しさ、色んなものを問われてくることと思います。それは弟さんの死がなかったら考えなかったことかもしれません。

お母様とえみりさんのこれまでのご苦労と、最後の介護等には本当に頭が下がります。
どうかご自身を労りつつ、そしてどんな感情も認めてください。その中で、人間としての弟さんだけでなく、人間としての問題を終えていき、人間としての私を問うてくれる存在としての弟さんと出会い直し道が開かれていくことを念じます。

2022年11月14日 6:02
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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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質問者からのお礼

お返事頂きほんとうにありがとうございました。何度も読み返し、どんな感情も認めていいとおっしゃって頂けた事、心から感謝申し上げます。わたしが今、心苦しく思っている事をお話します。それは「弟との約束を破ろうとしている自分」が怖いからです。いくら興奮状態の弟をなだめる為とはいえ、「全財産を奥さんにあげるから安心して」と言ってしまったわたし。この時点でもまだ奥さんが良識ある判断をしてくれる事をどこかで信じてしまっていました。でも弟が亡くなり全貌が見えてしまった今、母を気の毒に思う気持ちの方が大きくなってしまいました。あのような遺言状はあるものの、母の正当な相続分である遺留分はせめて、と思い直しました。他にもマンションの頭金を母に出して貰っている事等、証明できる部分については母に返してあげて欲しいと、奥さんにお願いしようと思っています。そうする為には彼の悪事を奥さんに伝えてしまう事にもなると思います。弟がなにも反論できない状態をいいことに約束を破ろうとしている自分が卑怯に思えて苦しいのです。でも弟の言う「俺の金」は全部弟のものじゃないです。せめて母から搾取した部分だけは取り返してあげたい。わたしは間違っていますか?弟はわたしを呪うのでしょうか?

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