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不仲な父の葬儀に行かなかったこと

回答数回答 2
有り難し有り難し 21

こんにちは。相談させてください。

先日、不仲で疎遠にしていた父が亡くなりました。
父は感情の起伏が激しく、モラハラ気質で、
とても頑固でした。

そのため、わたしは実家がしんどくなり一人暮らしを
しています(実家とは同じ市内です)

子どものころから、父との関係でつらい思いをしてきたため、
「絶対に一生会わない、葬儀にも行かない」と
今まで思ってきました。

でも、いざ亡くなると、
「そうは言いつつも、あれはやってくれた」とか
「これはやってくれたな」と思い出がよみがえってきます。

人格を否定される言葉も浴びせられ、
父に殺されるかもしれないと思う日もあったのに、
亡くなると、これまで絶対に思い出さなかった
父にしてもらったことを思い出すのです。

わたしは、実家の母や兄、妹など、
家族全員とここ数年来疎遠にしていて不仲です。

そうなった原因はあまり覚えていませんが、
わたしが意地を張っていて、引っ込みがつかなくなっただけかも
しれないと思っています。

わたしが未熟で、ほかの家族の幸せを素直に
喜べなかったり、
自分の気持ちを素直に伝えることができずに
こじれさせてしまったと感じています。

父の葬儀は、どちらかといえば
母やほかの家族に会いたくなくて
いかないという選択をしました。

でも、今になって、
親の葬儀にさえいかなかった自分に
ものすごく罪悪感がわいてきます。

そのことを考えると、ずっと寒気がします。

自分の、世間的には非常識とされる行動に
自分だけは自信を持とうと思ったのに、
それができずに後悔と罪悪感で苦しいです。

また、心の中で父の冥福を祈るしか今はできないのですが、
常に父が怒っている感じがしてなりません。

葬儀にさえ参加しなかった親不孝者と
背後から言われている気がします。

この罪悪感をなくす、減らすことはできるのでしょうか。
考え方があれば、教えていただきたいです。

自分が未熟で、情けない、非常識だとわかっていますが
よろしくお願いいたします。

2023年3月8日 5:33

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

死も葬儀も数ある場面のワンシーン

面白いですね。すごく仲が良かった家族の葬儀にお参りすると、ご遺族がたった1つや2つのやってしまった後悔、やらなかった後悔などを思い出して暗くなってたりします。そういうときは、「つまらんことの1つや2つなんですか。やってあげた良かったことやってもらった良かったことを数えてごらんない。何億では数えられないほどありますよ。完璧を目指さないでください。失敗しながら助け合った家族でしょ? 大成功の人生ですよ。」などと言います。
 あなたの場合は、やってあげた良いことややってもらった良いことを思い出して、これまた大成功ですよ。ゼロかマイナスくらいに思っていたお父様の良いところを思い出して恩を感じているんですから。
 亡くなっても消えたわけではなくて輪廻の中で何かに生まれ変わってまた頑張っておられますので、こちらからも善行為をしてその功徳をお父様と一切衆生に回向して(振り向けて)ください。寺に布施して先祖供養するだけが功徳回向ではありません。毎日朝起きたら今日も1日頑張るぞと気持ちを新たにして、1日なにがしか頑張りますから夜寝るときに今日の功徳をお父さんと一切衆生に回向しますと念じて寝てください。
 生きている人間同士が協力して助け合うのも功徳回向で、亡くなった人に対しては、直接できないので心で念じるのです。
 葬儀もワンシーンにすぎません。1つマイナスだったかもしれませんが、ご家族とも良いところをよく見るようにしてほどほどに良い関係になったほうが良いと思います。自分の非は素直にお詫びして。
 善も悪もやった分は何か結果が出て終わります。終わったことは反省してもいいですが、それよりもこれからやることを善を多くして悪を減らせばいいと思います。

2023年3月8日 10:58
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有り難し
おきもち

初期仏教というか仏教本来の教えを学びつつ、その在家信者のあり方から見た日本...
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あなたのお気持ちをお父様にお伝えなさって下さいね

拝読させて頂きました。
あなたが不仲だったお父様の葬儀に参列なさらなかったことを悔やみ罪悪感を感じておられるのですね。
あなたとお父様や家族の皆様との詳細な関係はわかりませんが、あなたのそのお気持ちはとてもわかる様に感じます。あなたのお気持ちを心よりお察しします。
今迄あなたはお父様から厳しいことを言われたり辛い思いをなさっていらしたことも沢山あるでしょう、或いはとても傷ついて今も忘れることできないのかとも思います。お父様はお父様なりにあなたのことを思い様々なさって下さったこともあるのかとは思います。とはいえあなたが今までそう生きざるを得なかったことを思えばあなたがお父様の葬儀に出たくないと思われるのもやむを得ないことと思います。あなたとお母様やご家族との関係について詳細は分かりませんけれども、あなたに寄り添って下さることもなかなかなかったのであるならば自ずと会いたくなくなってしまうのも致し方ないかと思います。ですからあなたがお父様の葬儀に出なかったことをあなた自身責めることはないのではないかと私は思います。
あなたができる範囲において心からお父様が心から安らかになります様にと手を合わせてご供養なさってみて下さいね。
私もお父様が心から安らかになります様にと心を込めてお祈りさせて頂きます。至心合掌
お父様は必ず仏様や神様がお導きなさって下さいます、先に往かれた親しい方々やご先祖様がお父様を優しくお迎えなさって下さいます。お父様は仏様や神様のもとにて一切の迷いや苦しみや怒りや憎しみからも救われて心から穏やかに安らかになります。そして何の憂いもなくなりご先祖様と一緒に清らかに円満にご成仏なさっていかれます。お父様はこれからもずっとあなたやご家族の皆様を穏やかにあたたかくお見守りなさって下さいます。
お父様とあなたや皆様とのご縁はこれからもずっと続いていくのです。
あなたのお父様への思いも心からお父様にお伝え下さいね、あなたが思いをお父様はありのまま全て優しく受け入れて下さり寄り添って下さいます。
また少しずつ時が過ぎていくながらでもお父様をこれからからご供養なさり、ご家族の皆様とも少しずつお話し下さいね。あなたや皆様がこれからもお父様とのご縁を大切になさりながらそれぞれの未来を健やかに生き抜いていかれます様に切にお父様に祈っています。

2023年3月8日 7:41
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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

早速ご回答いただき、ありがとうございます。

父の死去に際し、自分が未熟なこと、覚悟がなかったこと、至らないことを痛感しているところでした。

父への罪悪感と後悔で張り裂けそうで、発狂しそうでした。

自業自得とは思いながらも、心無しか体も重い日が続き、思い悩んでいたところでした。

今できる範囲で、父へ心から手を合わせてみたいと思います。

父は、家族のわたしから見ても、決して生きやすそうには見えなかった生き方でした。

家族や周りの人も、父の言動でたくさん辛い思いをしてきました。

でも、何より父自身が苦しかったのではないかとも思えるようになってきました。

これまでは、父への恨みつらみしかなかったのに、本当に不思議ですが…

肉体から離れて魂だけとなって行った先に、父の幸せがあると思うようにしてみます。

幸せになるようにと、願います。

時間はかなりかかるかもしれませんが、母をはじめ他の家族に歩み寄れるようにしていきたいとも思いました。

ご回答いただき、気分がとても軽くなりました。
本当にありがとうございました。

藤本晃 様

ご回答ありがとうございます。
善行を日々積み重ねていきたいと思います。

心が弱く、日々生きることさえ放棄しそうな毎日ですが、父のためにも小さなことでも頑張らねばと思います。

また、母などの家族との関係も、ほどほどに良好になるように努めなくてはと思いました。

父を含め家族がしんどいときは、「家族はたまたま一緒に住んでる他人」と思うようにしていた時期もありました。

でも、あんなに恨みつらみを抱いていた父が亡くなって動揺している自分に、思った以上に戸惑っています。

わたしは、家族関係をもう一度見つめ直す必要があると感じました。

ご回答いただき、ありがとうございます。

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