うつ病の中でも利他の心を持つためには
5年ほど心の病に苦しんでおります。最初は適応障害という診断でしたが症状が悪化し、3年前にうつ病と診断されました。
それでも昨年から始めた漢方の治療やカウンセリング等の効果で体調は良化しており、検査の数値も改善してきています。
しかしながら「ものを考える余裕」が生まれたこともあってか、生き方に対する苦悩は深まるばかりです。
うつ病に向き合う手がかりとして、宗教・哲学・心理学など多くの本に触れているのですが、その多くで「他者に関心を持つこと」「他者と関わること」「他者のためにはたらくこと」が幸せへの道として説かれていました。仏教においても、「利他」は大切な考えだと思います。
しかし、今の私には「他者のためにはたらくこと」はおろか、「他者と関わること」も考えられません。他者とつながりを持つことを恐ろしいと感じてしまいますし、他者のことを考える余力自体も不足しているように思われます。毎日念仏をお唱えするときも、自分の身体のことや心のことばかりを考えてしまいます。
自分でも「利他の心」を持てたらとは思うのですが、負のループに入ってしまっているような気がしております。
勿論、日々の中で「他者を傷つけないように」「他者を不快にさせないように」と心がけているつもりではおりますが、それだけで良いのか、と自問自答してしまいます。
どのような心がけで日々を過ごせば良いのか、ご助言を賜りたく思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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マイペースで良いのでは
お悩みを伺い、あなたのお心に寄り添いたいと思います。うつ病や心の病で苦しむことは大変なことであり、そのような中で自己成長や新たな生き方を模索することは、多くの勇気と決断を必要とすることですね。まず、自らの病気への向き合い方や回復の過程を真摯に考え、漢方療法やカウンセリングでの効果を感じられていることは素晴らしい成果だと思います。さらなる成長や自己理解を目指している姿勢にも頭がさがります。
「他者との関わり」や「利他の心」についてのご質問に対して、その重要性に関する認識が既にお持ちであることは明確ですね。他者への思いやりや支援は、自己成長や幸福感に重要な役割を果たすように思います。しかしながら、現時点で他者とのつながりを避けてしまう気持ちや、「利他の心」を持つことに対する負担を感じてしまうのですね。
そのような状況下で、まずは自己を受け入れ、自己愛や自己理解を深めることから始めることも重要かもしれません。自らが十分に癒され、安定した状態にあることが、他者との関わりや「利他の心」をより豊かに発展させる礎となるでしょう。自らの心の状態を尊重し、無理なく自分と向き合いながら、焦りを感じることなく自己のペースで成長していくことが大切です。
また、他者との関わりや「利他の心」を育む上で、小さな一歩から始めることも有効です。例えば、自分の周りの人に感謝の気持ちを伝える、身近な人の手助けをするなど、自分にできる範囲で他者を意識する行動を積極的に取り入れてみると良いでしょう。これによって、他者との関係性や自己の中に広がる「利他の心」を感じやすくなるかもしれません。
私の宗派は浄土真宗ですが、浄土真宗では「自利利他」と考えます。まずは自身に利を、そして余裕が出来てから利他を実践すれば良いと言う考え方です。心の状態は日々変化するものであり、焦らず着実に向き合っていくことが大切です。マイペースでいきましょう。あなたの健康と幸福を心より願っています。合掌
質問者からのお礼
ご回答、ありがとうございました。まずは「自利」についてじっくりと考えてみようと思います。急がずマイペースを大切にして日々を送ります。