時に不安な努力
劣等感から来る努力が、時に辛く、不安になることがあります。
私は現在いくつかの分野を並行して勉強しています。
しかしこれは、よき自分の姿を追い、理想に近づくための努力です。欠けている自分は認めたくないプライドの高さを自分でも感じます。
その分野に詳しい人と話したりしても、結局知らない知識を知る機会があるときは、『自分はそれを知らない』=『自分はできない』と感じてしまい、否定感が強くなります。自分はそんな自分の感情を認知した時、このくだらなさを超えられない幼稚な自分に落胆します。前は知るほど知的好奇心的な喜びがありましたが、しばらく勉強してきているのである程度知識がついたせいか、今度は喜びがなくなり、自分はできるという錯覚が残ったまま、知力が落ちている気がします。
こんな努力をしても、結局動機が劣等感ならば、私はどれだけ頑張っても本当の意味で心が豊かにはならないのだな、と思うと今勉強していることも無意味な気がしてきます。
暗い文章ですみません。楽しく、本当の意味での学習をしていきたいです。どうしたらそのように生きられるでしょうか。同じ分野を勉強している人にも心を開けません。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
努力って勉強だけじゃなく、どう自分に取り入れて活かしていくか
劣等感から学びへの意欲に繋がっている動機でもいいんじゃないかなと思いますよ。
あなたは、学んで、どうしたいのでしょうか?
その先に目的はあるのかな?
よき自分の姿を追い理想に近づくため、が目標なんですよね?
何でも知っている、できる自分。
この姿であれば、劣等感から抜け出せると。
あなたの最終目標をどこに置いているのか、それはあなたにしかわからないのだろうけれど、今頑張っている自分をちゃんと認めて(肯定)いますか?
知っている、知らない、出来る、出来ない、の線引きよりも、「知り得た」時に自分にどう影響を与えていくのか。どんな気持ちになったのか。そんな「私」にも変化って起きるんじゃないかしら。
例えば、私自身も学びを重ねていますが、それが目の前の人を大切に想える身近な変化を生み、しっかり根を張った活動になっていき、仲間との繋がりが広がっていき、今は自分を支える力になっています。
あなたがどのような分野の学びをなさっているのかわかりませんが、努力って、勉強するだけじゃなく、それをどう自分に取り入れて活かしていくかってことじゃないかな。学んでも、劣等感の回避だけではもったいないと思いますよ。どんどん自分の身の回りに取り入れていきましょうよ。
誰にどのように思われるか、どのように評価されたいかではなく、ちゃんと自分を大切にする糧にしてほしいなと思います。
大丈夫、よくやっているじゃない、あなたの頑張りはしっかり身についているわよ。
「自分」は概念上の幻
「自分」というのは五蘊(ごうん)という5つの要素を仮にひとくくりにまとめて呼んでいるだけ、つまり自分は概念上の幻なのです。
五蘊とは色・受・想・行・識です。このうち色(しき)は肉体のはたらき、残り4つは心のはたらき(名(みょう))であり、五蘊を名色(みょうしき)とも言います。
詳しくはネット検索してみてください。
「自分」とは瞬間瞬間に浮かんで消えている五蘊(名色)を、まるでずっとそこにいる塊のように錯覚しているもの。
それに気付く(悟る)ことで、自分の価値を気にするストレスから解放されるのです。
カレーとご飯は別々の物体ですが、仮にカレーライスと呼ぶ。
でもカレーライスという物質はありません。
高校野球の選手は毎年入れ替わっているのに、同じ学校名だから同じチームだと錯覚して応援したりする。
でも選手一人ひとりは個別の人間です。
細胞は新陳代謝で入れ替わり、心は瞬間ごとに生滅しているのに、記憶データを相続しているから昨日と同一人物だと錯覚している。
でも瞬間ごとに違う五蘊なのです。
便宜上の呼び名、仮にひとくくりに呼ぶだめの記号に執着すると、欲・怒り・怠け・プライド等の煩悩に派生し、悩み苦しみストレスの原因になります。
瞬間ごとに新しい五蘊、瞬間ごとに新しい自分(自分は無常)だと気づきましょう。
たとえば、ヴィパッサナー瞑想等、仏教の修行メニューをやってみると、自分という錯覚に没頭している日常を俯瞰しやすいかも知れません。
とにかく「自分とは概念上の幻だ」と冷静になる瞬間を作るようにしてみましょう。
質問者からのお礼
中田三恵様
どうしても劣等感を解消することだけに意識が行きがちでしたが
それでは勿体無いという違う視点を知ることができました。
人のために活かすためを最終目標にできたら良いと思います。
願誉浄史様
自分という存在を意識しない方が人生うまくいくのかもしれないですね。自分の思い込みがいかに強いか改めて感じました。あまり意識せず日々暮らしていくことを頑張ってみます。
お二方共貴重なアドバイスをありがとうございました。