長生きしている動植物は幸せなのか
ダイビングが好きで、綺麗な珊瑚礁を見て癒されていました。しかし、珊瑚礁は動物であり、苦しむこともあること、数千年も生きることがあることを知り、何だか可哀想だと思ってしまいました。
自由に動き回れる動物ならばまだ良いのですが、温暖化や海水汚染などの苦しみがあってもその場から動けない珊瑚礁。数千年も生きていて退屈ではないのかな?という疑問と、私だったら数千年もじっとその場に生きるのは苦しいから早く別の生き物に生まれ変わりたいと思ってしまいました。
近々ダイビングを予定していてとても楽しみにしていました。ですが、「可哀想」と思いながらするのも違う気がして・・・
自分一人で考えていると、変な方向に考えすぎてしまうので、お話をお伺いしたいです。
日頃から色んな動物や植物に対し、勝手に「可哀想」なんて思ってしまい、落ち込むことがあります。(野菜を冷凍保存したら苦しい時間を長引かせてしまっていないかな?など)こんなこと、周囲の人に言っても変に見らると思うのでなかなか言えません。よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
みな、きっと可哀想
こんばんは。人間以外の生き物たちに、そのような感性で目を向けられることは素晴らしいと思います。ちっとも変なこととは思いません。
環境や、置かれている縁によって、ぐんぐん成長したり死に絶えたりする。それは私たちも同じですね。そしてそれ、食料だけでなく心的状況も含まれると思います。そしてそれは、命長くても寿命が短いと言われるカゲロウとかも同じではないでしょうか。
私も海に潜りますが、やはり生き物の生き死にを目にすることがあります。それぞれの生きる戦略を待って、しかし淡々と生きている。「可哀想」という上から目線ではなく、みな同じように環境の中で精一杯生きている。この命一つだって、私が作れるものはない。そこに平等性とか尊厳を感じます。そして自分の出来る範囲で、生き物の環境をよくする。草花に水をやったり、食品ロスを減らす。
どう感じるか、は大切ですが、それを日常でどう行動に落とし込むか。生き方に落とし込むか。そちらの方が、より大切なのではないかと思います。回り回って海の環境をあなたが少し良くする。その具体的な行動は、あると思いますよ。
自然と命に感謝し共に楽しむ心を
お悩みをシェアしてくださり、ありがとうございます。珊瑚礁や他の生き物に対して「可哀想」と感じるその優しさは、とても繊細で、思いやりに満ちた心の表れだと思います。
まず、珊瑚礁という生き物の生命の神秘について少し考えてみましょう。珊瑚は確かにその場に固定され、移動はできませんが、他の多くの生物と共生し、美しい海の環境を作り上げています。私たち人間から見ると、動けないことが「可哀想」に感じるかもしれませんが、珊瑚にとってはその環境の中で調和を保ちながら生きることが自然な姿です。私たちとは異なる感覚で、その場で生きる力や役割を果たしているのかもしれませんね。
「可哀想」と感じる気持ちは、あなたが自然や命に対して強い思いやりを持っている証拠です。その感情は、自然を大切にしたい、守りたいという思いにつながり、私たちが環境保護や持続可能な生き方を考える大切なきっかけとなります。
ダイビングを楽しみにされているとのことですが、その「可哀想」という気持ちも、大切にしつつ、自然の美しさや神秘に感謝の気持ちを持って接するのも良いと思います。自然の中で、できる範囲でその素晴らしさを守る行動を取ることが、あなたの優しさを現実の行動に移す素晴らしい方法になるかもしれません。
また、野菜や動物、植物に対しても「可哀想」と思ってしまうことがあるとのことですが、それは命に対する感謝の現れです。仏教では、私たちが生きるためには多くの命の恩恵を受けていることを忘れず、その命に感謝して敬意を払いながらいただくことが大切だと考えます。命の大切さを意識することは、あなたがどれほど繊細で豊かな心を持っているかを示しています。
どうか、その優しい心を大切にしつつ、自分自身を責めすぎることなく、自然や命を尊重しながら楽しく過ごしていただければと思います。安心して、ダイビングを楽しんでくださいね。
合掌
感謝の心を持ち、できることから行動を起こす
拝読させていただきました。
珊瑚礁や植物に対して「可哀想」と感じるあなたの心は、非常に慈悲深いものだと思います。しかし、この感覚は人間の尺度で物事を見ているかもしれません。
珊瑚礁が数千年生きることは、彼らにとって自然な能力であり、進化の過程で獲得したものです。人間の基準で「退屈」や「苦しい」と判断するのではなく、それぞれの生物の特性として受け入れることが大切です。
確かに、温暖化や海水汚染による影響は心配ですが、それはむしろ人間の行動が引き起こした問題です。このことに気づいたあなたには、ダイビングを楽しみながら、環境保護活動に参加するなど、積極的に行動を起こす機会があります。
野菜の冷凍保存についても同様です。食べ物に対して「可哀想」と感じるのではなく、その命をいただくことへの感謝の気持ちを持つことが大切です。野菜を育てた農家の方々、運んでくれた人々、お店の方々など、多くの人々の労力に感謝しましょう。
曹洞宗では「五観の偈」という、食事の前に唱える言葉があります。これを学ぶことで、食べ物への感謝の気持ちがより深まるかもしれません。
あなたの優しい心は素晴らしいものです。しかし、「可哀想」という感情に縛られるのではなく、感謝の心を持ち、できることから行動を起こすことで、より豊かな人生観が得られるでしょう。自然との共生、環境保護、そして日々の食事への感謝—これらの意識を持ちながら、ダイビングや日常生活を楽しんでいってください。
合掌
質問者からのお礼
ゆうさい和尚様
ご回答ありがとうございます。「自然と命に感謝をし共に楽しむ」というお言葉をいただき、「かわいそう」と思うばかりでなく、「感謝」をしようと思いました。
コウブン様
ご回答ありがとうございます。人間の尺度で物事を見ているかもしれないというお言葉にハッとさせられました。それぞれの生物の特性として受け入れていくことをしていきたいと思います。自然のためにできること、少しずつ考えてみます。
佐藤良文様
ご回答ありがとうございます。変な考えではないとお聞きし、少し安心しました。可哀想と思うよりも行動にうつすこと。自分でできる範囲から考えていきたいと思います。