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息子への接し方

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有り難し有り難し 13

こんにちわ。大学一年生の息子のことです。
中学生の頃からいじめや友達との関係から、心療内科にかかり、
この春、発達障害と診断を受けました。大学生活も勉強面も友達関係も
不安でたびたびどこかに逃げたい、死にたいと言いながら大学にもあまりいけなくなっています。
息子は、自分が生きていることのデメリットが多く、メリットは一つもない。私たち家族に迷惑かけるだけの存在だと言い続けます。かけがいのない息子だと言い続けていますが、心に届いていないようです。
どのように、息子に接していけば、よいでしょうか
宜しくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

新たな川の流れを作る。

こんにちは。みみずくのしらたまさん。可塑性を良い方向に使う事が大事。これまでの自分を変える事の出来る理由として脳の可塑性があります。可塑性とは使った部分は発達し、使わなかった部分は衰退してゆくという脳の性質です。脳の可塑性は、単純な能力だけでなく、考え方や行動パターンにも適用されます。自分にとって望ましい方向に、可塑性を発揮してゆく事が脱出のカギとなります。多くの人は、幼少期から続く流れから抜け出せず、逆にその流れを強化し続けて行きます。その理由として楽を求める性質と、間違った方向への努力が上げられます。人間には楽を求める性質があります。今まで、強化してきた脳の使い方は楽なので、意識しないと、その使い方に偏っていきます。逆に使ってこなかった脳は衰えて行くため、使うのが面倒になって行きます。決まりきった脳の使い方から抜け出せなくなります。また、周りを変えようとしたり、自分を変化させようとするのは間違った努力です。現状から抜け出すためには新たな川を作っていくと同時に古い川の流れを減らしてゆく必要があります。新たな流れを作って行く。つまり彼に必要な考え方の癖や能力を少しづつ強化して行くことです。それが、自己肯定だったり前頭前野を鍛える事だったりします。いったん川の流れが出来始めると、どんどん流れがスムーズになります。大事なのは上手くいこうが、上手くいかないが、ひたすら積み重ねてゆく事です。効果がでる、でない、上手い、下手、時間の長短は気にしないでください。大切なのは、やったか、やらないか、です。一日長時間やって、後半息切れするより、いちにちに数分でもいいので、毎日継続する方が、脳の可塑性が発揮されます。表面上には変化が、出ていなくても内部では変化が起きています。次に古い川の流れを減少させてゆく事です、つまり、今まで強化し続けてきた脳の使い方を止めてゆく事です。それはテレビやゲームだったり、自己否定などです。勿論、いままでずっと流れを増幅してきた川なので急に止める事は困難です。やめようとしても、ついやってしまうことは当然あるでしょう。川の流れを止める事に注目するよりも、新たな川の流れを作ってゆく事に注目した方が上手くいきます。新しい川をコツコツと作り上げることを継続して行けば、次第にそちらの考え方、行動を選択できるようになって行きます。参考になれば幸いです。

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有り難し
おきもち

青年の自立支援(生活改善・病後の静養・引きこもり等)
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これまでも一歩ずつ、そしてこれからも・・・。

 みみずくのしらたまさん、これまで長い間、様々な困難にぶつかりながら、親子で精一杯生きてこられたのですね。そのことだけでも、ものすごいことです。誇りに思っておいてくださいね。
 さて、心療内科のサポートもうけ、発達障害と診断がされたことは、大きなプラスです。なぜなら、その診断は、息子さんの生きづらさや困り感の軽減や今後の支援につなげるための大事なプロセスだからです。診断を受けた医療機関で、息子さんがどんなことに困っているのかを具体的に言葉にし、今後の日常生活や学習上のアドバイス・具体的な支援施策をしっかりお尋ねなさるとよいでしょう。最近は、大学内でも発達障害を抱える学生への支援策が実践されていると聞きますので、学習面については学生課などで相談なさると良いでしょう。また、友達関係や心理面の不安などは、大学内の学生相談室を利用する方法もあります。もし、大学に行きづらいようであれば、たとえば発達障害を抱える方々のためのデイサービスなど、サポートを受けられるところに参加してみるのも、自分に自信をつける良いきっかけになると思います。
 みみずくのしらたまさんの関わりのヒントとしては、これからも「かけがいのない息子だ」と言い続けてください。これはすべての土台になる大切な言葉です。そして、家族のために役に立つ家事を一緒にやってみましょう。そのことでお互いの気分転換にもなり、息子さんの自己有用感や肯定感が高まっていきます。それは、今後自立した生活が出来るようになるための大切なトレーニングでもあります。また、その様子をそっと観察しながら、息子さんの特性を見つけてあげてください。(何が得意で苦手なのか。何に不安を感じ、反対に喜びや楽しみを感じているのか・・・。)「生きているメリットは一つもない」と思っているようですが、みみずくのしらたまさんが息子さんの特性を理解できるようになると、抱えている不安は軽減されますし、息子さん自身も自分のことをわかるようになると、もっと生きやすくなると思います。
 このハスノハへ勇気を持ってお声かけを頂き、有り難うございました。みみずくのしらたまさんと息子さんのこれからを、私たちハスノハ・メンバー僧侶が応援しています。同じ広島ですから、何かのお役に立てるかもしれません。ご縁に感謝!!合掌

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有り難し
おきもち

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん...
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