子煩悩?回答受付中
40代後半にして、子どもを授かりました。よく笑う子で仕草の一つ一つが可愛くて仕方ありません。今はこれまでの人生で最も幸福な毎日だと思います。
そんな幸福感と同時に、自分はこの子の未来を見届けられずこの世を去るんだ。また突然自分も命を落とすかもしれない・・といった死への恐怖に近い感覚に見舞われることがあります。(ちなみに私は健康です)
だから今我が子を見つめているこの一瞬一瞬がたまらなくかけがえのないものに思えてなりません。無邪気な笑顔を見ていると悲しみに近い感覚が湧き起こってきます。
独身時代には死への恐怖を感じることはあまりなかったのですが、我が子ができて改めて生は永遠ではないこと自分がいなくなってしまうことへのたまらない悲しみに囚われています。これも子煩悩というものでしょうか?
歳とってできた子ゆえかもしれません。自分の老いと向き合いながら明るく子育てしていく心の持ち方をアドバイスいただけると嬉しいです。
お坊さんからの回答 3件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
我が子の笑顔に“生”と“死”の両方を感じてしまうあなたへ
大切な人を得たとき、人は初めて「失うことの怖さ」に触れます。
それまでは、自分の“死”をどこか遠い出来事のように思っていても、
我が子の笑顔を見たとたん、
「この子を残して、私はいつかいなくなるんだ」
と、生の奇跡と、死の不可避さの両方を突きつけられる。
それは、“愛”というものの正体を、
命がけで感じているということです。
仏教では、「愛別離苦(あいべつりく)」
「愛する者と、いつか必ず別れねばならぬ苦しみ」
を、人間の根本的な苦しみの一つと説きます。
「だから愛するな」ではなく、「だからこそ、今を愛しきる」
というメッセージでもあります。
たとえば、桜が散ると知っているからこそ、
私たちは満開の姿に心打たれます。
花火がすぐに消えるからこそ、あの一瞬を焼きつけようとします。
あなたが今、我が子のしぐさの一つ一つに胸が震えるのは、
“限りある命”にちゃんと気づいているからこそ。
そしてその想いの深さは、
この子が大人になったとき、きっと心に届いています。
子育てにおいて、
“未来を全部見届ける”ことが目的ではありません。
「今、この子と共に、しっかり生きる」ことこそが、最大の贈り物です。
お子さんにとって、あなたの笑顔も仕草も、
一つひとつが“生きる宝物”となって残っていきます。
どうかご自身を責めずに、
「私は今、この子と生きている」
「だから、この一瞬をまっすぐ愛そう」
と、自分に語りかけてください。
あなたの今日のまなざしが、
未来の我が子の“心の支え”になります。
合掌
子煩悩です。それが何か問題ですか?
私も末の子は50歳の時に産まれました。だからしばらくして「この子が二十歳なら、自分は70歳か」と気づき、愕然としましたね。
ですから、あなたのお気持ち、まさに我が身と同じです。運動会はどうなるかな、結婚式に出られるかな…そんな思いがわき上がります。
けれど、あなたのお気づきのように、それは未定のこと。それはそれとして、「今できる関わり」をしっかりやりましょうよ。
私は毎日、「ねぇ、今日は何が面白かった?」を聞くようにしています。そして必ず「いいなぁ、楽しいことがあって。聞かせてくれて有難う」という定型の会話を積み重ねています。時々面倒くさそうに答えることもありますが、絶対に私からの感謝で終わる。私がいつか目を瞑る(か認知がおかしくなる)まで、この子の楽しかった思い出を、たくさん覚えていられるように。
そして、子どもにとっても…「毎日は生きるに値する」というメッセージが伝わったらいいなぁ…。そう思っています。
不思議なことに、上の子達の時にはそんな余裕ありませんでした。この子のお陰で、私は「自分が子どもに伝えたいメッセージ」がはっきり言語化できたとも言えます。有難いご縁です。
ひとつ具体的な台詞ですが。「す・な・お」というのが齋藤一人さんの言葉であるそうです。「すごいな(驚き)、なるほどな(理解)、おもしろいな(勇気づけ)」。是は多分、親からの絶対的肯定の言葉なんだろうと思います。折に触れ、使ってみて下さいね。
追記
前回もご縁がありましたね。改めて読み直し、なおひとしおの喜びを感じております。
これからも見守っていくのです
拝読させて頂きました。
あなたが自分の死への不安や未来への心配をなさっておられることを読ませて頂きました。お子さんの成長を考えてとても不安になってしまうお気持ちとてもわかるように感じます。お気持ちを心よりお察しします。
子煩悩なのかもしれませんが、それはあなたのお子さんへの愛情の証であるのかと思いますよ。かけがえのないお子さんですから心からいとおしく感じるでしょうし、これからもあなたが愛情込めて育てていきたいと思うのは当然でしょうからね。
先ずあなたは今健康に生きているのです。大切な方々とのご縁に恵まれてあなたは今も幸せに生きていらっしゃるのです。そのご縁は決して切れることはありませんし、あなたや皆さんはこれからもずっとお互いのことを大切にしながら幸せに生きることができます。
確かに病もありますし、老いもあるでしょうがそれは自然な営みですからね。その中であなたも皆さんも生きているのです。あなたはこれからもお子さんの成長をも守っていくことができるのです。それはあなたが病になっても老いていっても亡くなっていったとしてもです。
あなたとお子さんや皆さんとのご縁は永遠です、どうか自信を持って下さいね。
あなたがこれからもお子さんや皆さんとのご縁を大切なさり、お互いを思いやり育んでいくことができます様に、これからも一緒に健やかに幸せを分かち合い与えられた人生を生き抜いていかれます様に切に仏様や神様やご先祖様にお祈りさせて頂きます。至心合掌
そしてあなたを皆さんを心より応援させ頂きます。
質問者からのお礼
佐藤先生
前回に続き今回もアドバイスありがとうございます。ご縁に感謝致します。子どもに1日のうちにあった良いことを聞く、心に沁みました。親として最高の愛だと思います。子どもと関わって、物事を受け入れるキャパが少し増した気がします。今にして妻が愛を教えてくれたように思います。
東先生
我が子の目を見つめていると、なにか言葉にならないつながりを感じます。これが縁なのかわかりませんが、神仏から小さな命を与えて頂いているのだな、勿体無いことだなと日々感じています。我が子との繋がりはこの体が滅しても続いていくと信じたいと思います。ありがとうございます。
鈴木先生
コメント拝見して胸が熱くなりました。自分が赤ちゃんの頃のことを覚えていないように、この子もきっと忘れるだろう。けれども自分をとてもとても大事に思っていた者から温かい眼差しを受けたことや、触れ合った肌の温もりはこの子のどこかに刻み込まれるのだろうと信じています。日々この子になすべきことをしていきたいと思います。ありがとうございます。