友人に怒りを伝えるかどうか。
30年来の友人ともう縁を切ろうと思います。
お互いの環境が変わり、お互いを思いやれなくなっているからです。
これまでもすれ違いながらも相手の気持ちを理解しようとしてきましたが、決定的に嫌なことがあり、怒っています。
その私の怒りを伝えるべきか、伝えずにそっと離れるべきか教えてください。
私の父が最近亡くなって、淋しくなったと友人に近況報告をしました。
友人は介護をしているので、私はこんなに大変なんだ、そんな簡単に親に感謝して淋しいとは言えないと言われました。
私は自分の近況を伝えただけで、友人に親に感謝しろと言ったわけではないのにそう聞こえたのだと思います。
私も父の死を簡単に迎えた訳ではなく、色々あっての今の気持ちなのです。
父が認知症で私を忘れたことや、施設で暴れてしまったことなど、都度泣いたこともあります。
でもそれを友人は知らないのです。
父の死を簡単と言われ、腹を立てています。
私はこれまで自分が我慢して円満な人間関係を築くタイプですが、親のことを言われるのは許せません。
まして、亡くなってまだ2ヶ月です。
距離を取る前に怒りを伝えてもいいでしょうか。
それともやはり自分が我慢してそっと離れる方がいいですか。
だとしたら、怒りをおさめるコツを教えてください。
よろしくお願いします。
お坊さんからの回答 2件
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親友への怒りを伝えるべきか、それとも静かに離れるべきか
長年の友情であっても、環境や心境が変わることで、互いを思いやる心がすれ違ってしまうことはあります。特に今回のように、あなたにとって大切なお父さまの死を「簡単」と片づけられたことは、深い悲しみの上にさらに傷を重ねられたような辛さだったことでしょう。その怒りは自然であり、無理に抑える必要はありません。
怒りを伝えるかどうか
仏教では「正語(しょうご)」といって、言葉を慎み、相手を傷つけない言葉を選ぶことを大切にします。ただし、これは「我慢して沈黙すること」とは違います。正語の中には「真実を語ること」も含まれます。
つまり、あなたが「本当に辛かった」「親の死を簡単に言われたことは許せなかった」と事実を伝えることは、正しい自己表現です。問題は「どう言うか」です。怒りをぶつけるのではなく、
「あの言葉で私は深く傷ついた」
「父との関わりは私にとって決して簡単ではなかった」
と、自分の気持ちを静かに伝える形ならば、相手に理解を促すこともできます。
そっと離れる選択も
一方で「もうこの縁を終えたい」と心が固まっているなら、無理に怒りを言葉にせず、静かに距離を置くのも選択肢です。その場合、怒りをおさめるには「因果応報」の視点が助けになります。相手の言葉は相手自身の心の状態を映しているだけで、あなたの父への思いや悲しみを否定するものではありません。友人の発言は「その人の心の苦しみ」から出たものであり、あなたの価値を傷つけるものではないと受け止めることです。
怒りを和らげる工夫
深呼吸しながら「私は私の道を歩む」と心で唱える
父との思い出を日記に綴り、「簡単」ではなかった日々を自分で証明する
「私が我慢するから関係が保たれてきた」と気づいたこと自体を成長の証とする
友情は無常であり、変化していくのが自然です。大切なのは、相手ではなく自分の心を守ること。怒りを伝えるにせよ伝えないにせよ、「私は父を大切に思っている」という揺るぎない事実を胸に置けば、必ず心は落ち着いていきます。
合掌
お父様にお伝えしてみましょう
拝読させて頂きました。
あなたがお父様がお亡くなりになられ大変悲しいさみしい思いをなさっておられるこですね。そのような中で友人から自分は大変なんだと言われてとても腹が立ったのですね。詳細なあなたやご友人のことはわからないですが、あなたのその辛いお気持ちを心よりお察しします。
お父様が心から安らかになります様に心を込めてお祈りさせて頂きます。至心合掌
あなたもお父様が心から安らかになります様に心からお祈りなさって下さいね。そしてあなたの思いをお気持ちをお父様に素直にお伝えなさってみて下さいね。
きっとお父様はあなたの思い全てを優しく受け止めて下さいます、あなたを慰めて寄り添って下さいます。
お父様はこれからもあなたや皆さんのことを優しく受け止め見守っていて下さるでしょう。
その件をお父様はどうお考えなさるでしょう、どうあなたにお伝えなさって下さるでしょうね。
ちょっとゆっくりとお父様にお向き合いなさってみて下さいね。きっとお答えがあなたの心に伝わってくるのではないでしょうか。
あなたがこれからもお父様を心からご供養なさりお父様とのご縁を大切になさり、皆さんと心から分かち合い健やかに生きることできます様に心から仏様や神様やご先祖様そしてお父様にお祈りさせて頂きます。至心合掌
質問者からのお礼
回答をいただき、父のために祈っていただき本当にありがとうございます。
それだけでありがたく、涙が出ました。
私は、友人にそうして欲しかったのだと思いました。
彼女の状況を鑑みず、勝手に期待していたのですね。
父に尋ねるという発想がありませんでした。きっと父は「そんなんええやん」と笑うと思います。
友人の態度はたまたまタイミングが悪く、気にするほどのことでもないですね。
私はこれまで自分が我慢するタイプだったので、ストレスをためないように少し変わりたいと思っていたということもあり、怒りを伝えようか迷いました。けれども、自分の気持ちを我慢せずに伝えるということは、怒りを一方的にぶつけることとは違いますね。
友人からは愚痴を聞いてほしいから会いたいと連絡がきましたが、それは断ろうと思います。私は父を偲んでいるところで、亡くなるまでも亡くなった後も簡単ではなかったことは伝えようと思います。
これからは父と対話できそうです。
気づかせていただきありがとうございました。
鈴木様
回答をいただきありがとうございました。
私の怒りが自然なことで抑える必要がないと言っていただき、涙が出ました。
怒りを持つことは自分が未熟なのかもしれない、相手の立場も考えなければ…と思っていましたが、怒りを持ってもいいのですね。涙が出たということは、私は友人の言葉でとても傷ついたのだと思います。
正語と因果応報、そして怒りを鎮める方法と、具体的に教えていただきありがとうございます。自分の心をしっかりと持つことで、伝えるべきことや相手の状況が見えてくるのかなと思いました。
これまでの自分であれば、相手も大変なのだから…と我慢して済ませたと思います。でも、これからは、父も母もいないのだし、自分で自分を守って立っていかなければ、と思います。
少し冷静になりながら、自分の気持ちを受け入れて、伝えるべきことは伝えていく。
なかなか難しいことで、うまくいくかは分かりませんが、その方法を目指せば大丈夫なのだと思えることで、つまづいてもまた考え直せると思いました。
今回のことだけでなく、今後生きていく上でも頼れる道筋を示してくださって本当にありがとうございました。