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この世から卒業したい回答受付中

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最近、不謹慎ですが亡くなった方がこの世から卒業できて羨ましい、と考えてしまいます。
日々ニュースや日常生活を送っていると人間とこの世界にうんざりして一刻も早く卒業したいと思ってしまいます。
自殺したいとかではないのです。
段々汚れていくのを見ていたくない、目も当てられないそんな感覚です。
逆に病気で家族のためにもっと生きたい人にこの命をあげられたらいいのにとも思います。
家族に話すと否定されてうつ病を疑われますが、私はいたって真面目に考えているのですが、こう思うのはおかしいでしょうか。

2025年9月19日 0:33

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

仏教は平気で生きることを教えてくれます

ご質問の内容は、世の中や自分を正直に受け止めようと意識すると、すぐに直面する問題のひとつかと思います。
仏教の基本的な考え方は「すべての事物は瞬間に生滅変化していて止めることはできない」「すべての物事は“私”の都合通りにはならない」「すべての事物は他から区別して自立した存在ではない」というものです。
言葉だけで聞くと「まあ、そうでしょうね」と分かったような気分になりますが、実際に自分の経験として受け入れることは非常に困難です。
ご質問に書かれているお考えは、この困難さに対する食い違った感情によるものです。
ごく単純化して例えると、家にかかっている絵の果物が食べられないから、欲しい人に今の家を譲って自分は果物の絵が食べられる家に引っ越したいと考えることと似ています。
食べられる絵などない、そんな都合のいい家などないと頭では理解できても、自分の経験としては受け入れられないのが私たちです。
曹洞宗の宮崎奕保禅師はインタビューで悟りとは何かと訊かれて「平気な顔をして生きていることだ。若い頃は、平気な顔で死ねることが悟りだと思っていた。だが、それは違った。平気な顔で生きることは難しい。わかるか。平気な顔で生きることが悟りだった」とお話しされています。
仏教は食い違った感情から抜け出て「善い家と生活」を作る方法を教えてくれます。ご興味がわいたら、勉強してみて下さい。

2025年9月19日 2:53
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有り難し
おきもち

新潟県上越市、龍興山宗恩寺住職。

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