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こころの臍の緒回答受付中

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有り難し有り難し 2

いつも親身にお言葉を選んでくださり、ありがとうございます。
大切に想う人が、先にお墓に入ることになったら…私は、「その離苦の哀しみに耐えられないだろう」と思う出来事がありました。私が心から慕うその方が、もし病に伏して長く患い、今の素敵な姿を全うできない辛さを思うと、まだ私が先に往生したほうが、何倍も楽だとさえ思いました。
もちろん、今日その方はご健在ですし、誰よりも朝早くから夜遅くまで高いバイタリティでご活躍なさっていて、表向きは健康上の心配も全くありません。ただただ私自身「いろいろと結びつけて考えるな」「未来を思い煩うな」の一言に尽きるのに、とめどなく悲しくて…
お寺に来ると毎日のように、生まれたら必ず・・・、始まりには終わりが、出会いには別れが、すべてその時がくる。その方がお持ちのお墓や、御本尊様の近くで毎朝晩手を合わせる中で、ご葬儀や法要を前に、どんなに頑張っても「娑婆の縁尽きて、力なくしておわるとき」が来る、そう意識する機会、やがて人生の果てに辿り着く姿が当たり前になる。
その別れをいつかは受け入れる。頭では愛別離苦をわかったつもりでも…他人事なら平気でそう答えが浮かんでしまうような自分と、実際に喪失に面したら、私には「その人がいない」状態で生きるなんて、そんなのは無理だと、こみ上げてきた止まらない涙をすすっていました。
歩いたその先に見上げると、目が合ったお寺の聖人様の像から、「必ず、あちらの地でまた会える。だから安心して道を往き、今を大切に生きるように」そんなお声が胸の奥に湧きました。
直近の仏教に通じた先生とお話しできる会でも、「どうしたら、離苦の悲しみ・辛さを乗り越えられるか」お尋ねしたところ、「耐えられない、と決めつけないこと」と御教示くださいました。
わたしにとって大切なその方はとても、自他に厳しく優しい方です。周りを甘やかさない一方で、本当に困って助けてほしい時に1000文字の手紙で申し出れば、私と同じ立場に目線を合わせて1000文字のボリュームでアドバイスをくれたり、陰で誰よりも努力し、誰よりも鋭く、隙なく、速く的確に物事を判断します。慈悲や思いやりに溢れ、賢明で人徳もあり、間違ったら潔く謝り、人を頼った時は小さなことでも必ず感謝してくださる御恩は臍帯血の様です
浄土の母が繋いでくれた縁、生かされていることに感謝しつつ、別れの切なさが募ります

2025年10月26日 4:15

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

注射は痛いが耐えられる

健康診断で採血するときに、大切な皮膚に針を刺される、いつも私を暑さや寒さや雑菌から守ってくれている皮膚の細胞に金属の管を刺され、貴重な血液を抜かれる悲しみや切なさを想うと、耐えられるかどうか不安になります。
しかし、実際には、一瞬の傷みに顔がゆがんだとしても、何とか耐えられる傷みなのです。
実際の注射の傷みは1秒間もないのですが、注射が怖いと泣き叫ぶ幼児はその1秒間を予想して3分間も泣く(怒る)でしょう。
過去や未来のエビソートとつなげて考えてしまうと、思考や感情が複雑になりすぎます。
お世話になっている人の病気や死も、そのときになればきっと耐えられます。
仏教では「明るく・正しく・仲良く」をモットーに生きましょうと言われます。
「明るく」とは、過去や未来について悩みすぎないこと、大丈夫だと思うことかもしれません。
「正しく」とは、痛みの分だけ痛がれば良いのであって、痛み以上に痛がる必要は無いということを含むかもしれません。
まぁとりあえず、今はまだ生きている大切な人々と、「仲良く」暮らしましょう。

2025年10月26日 4:49
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

質問者からのお礼

願誉浄史先生
夜明け前に早速のお言葉、ありがとうございます。
夕べ帰宅後に送られてきた会議の資料に、「何よりも、どんな仕事を差し置いてでも法座を大切にせよ。携わる者一人ひとりが自己と向き合い、学び仏になる道を」とありました。
そして今日はその、月に一度の法座の日でした。ハスノハを頼りに質問を書き、あらためて自己を振り返り、お坊さんから即座に回答までいただいた次の瞬間からもう、愚かな私には煩いや悩みが尽きません。
それが人として生きるありのままでもあり、道を得ようとする者の修行の連続でもあり…こんな苦悩だらけの宿命であったとしても、ご先祖様から受け継いだ人間としての命を授かったこと、さらに仏さまの教えに出遇い、同じ志を持つ仲間と共に歩んでいける有り難さを知れば、常に感謝しながら、日々精進し苦労も喜びも、浄土の母と共に味わっていけることに深く広き幸せがあると、気づかせていただきました。
ありがとうございました。合掌

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