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ないものねだり

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有り難し有り難し 16

子供の頃に父を亡くし、母は女手一つで私を育ててくれました。まだ小さい私を育てるために母は仕事で忙しく、いつも留守番の私はわかってはいるものの寂しい子供時代を過ごしました。

それでも、学校に行かせてもらい結婚もして、やっと母の肩の荷が下りたとたんに、母は病気になり4年前に亡くなりました。

まだ何の親孝行もできていないのに。
母には感謝の気持ちでいっぱいだし、4年が経ち悲しみも癒えてはいますが、ふとした時に寂しくてたまらなくなります。

そんな時、お母さんと一緒に買い物や食事、旅行などに行っている友人が羨ましく思えます。両親と同居している人、親と喧嘩したという人も羨ましいです。
そんなこと友人には言えず、でもこの気持ちの持って行き場がないんです。

私自身母親であるのに、こんなことでイジイジ悩んでいる自分は大人気なくて情けないです。
こんな私になにかお言葉をいただけませんでしょうか。よろしくお願いします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

全ての母親は、その母親の娘。

この世に母親から生まれてこなかった人はいません。
お母さんに、感謝の気持ちを捧げてください。
その恩時に報いる行として、お子さんに沢山愛情を注いであげてください。
お母さんが、あなたとの時間を割いてまで注いでくれたのは、お父さん亡き後の一家を支え、あなたを育ててあげる事だったはずです。会えなかったとはいえ、会いたかったでしょう。
金銭面で支える事でしか親として子供に尽くすことができなかったでしょうけど、それを無くしたらあなたは今日まで生きてこれなかったでしょう。素晴らしいお母さんですね。
絵にかいた愛情表現こそ数少なかったでしょうが、誰にも負けない、誰とも比較ができない愛情をあなたは一心に今も受け続けています。
全てはあなたの為です。
あなたが可愛くてしょうがなかったから一生懸命働いたのです。
亡きあとでも心の交流や語らいはできます。
お母さんの意思を継いで、お母さん以上の素晴らしい母親になって安心させてあげてください。
本当に素晴らしいお母さんですね。
もう仕事からは解放されたお母さんを褒めて讃えて、いっぱい感謝の心を捧げてください。

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有り難し
おきもち

お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

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