お坊さんのことです
おはようございます
お坊さんのプロフィールを見ると、髪がある方とない方とがいらっしゃいますがこの差は何でしょうか?
修行中みたいなものですか?
もしかしたら、大変失礼なこと聞こうとしてるんでしょうか?
よろしくお願いいたします
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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あかんかったぞ
ユイ様
釋 慧心と申します。
拝見させて頂きました。
髪があることを、有髪(うはつ)というたりします。
髪を剃り落とすことを、剃髪(ていはつ)と言います。
剃髪は、出家(しゅっけ)を表します。
出家は、俗世間(ぞくせけん)との断絶を意味します。
髪を剃り落とし、殺生(主に肉食をしない)をせず、妻帯(さいたい・婚姻)をせず、定めるところの戒を貫いて修行の生活を送っている人のことを指します。
このうち、肉食婚姻については明治以降認められています。
反対に髪があることを有髪と申しましたが、浄土真宗で髪があることは、愚禿(ぐとく)を表しています。
愚禿とは鎌倉時代以前は、子どものわらべ頭のことを指し示したとも言われています。
手入れの行き届かない伸びた髪。
本来僧侶にあるまじき姿が有髪であり愚禿です。
愚かな私を常に意識している姿と言えます。
渡辺先生が仰られている通り、
浄土真宗は有髪の姿が多いのが特徴です。
宗祖がそうしたことに習ろうております。
宗祖は9歳~29歳まで天台でご修行に励まれておられました。
今でも比叡山には「親鸞聖人ご修行の地」というお堂や場所が残っております。
その記録や特に直筆のお書物の内容は尋常離れした博学ぶり、また量的にも圧倒されてしまいます。
しかし親鸞様の修行時代を示した、奥様のお手紙には勉学よりもむしろそれ以外の修行に励まれておられたとあります。
堂僧でありながらあのお書物を、
全くどれほどのご修行であったのかと想像に難しくない、恐らく励みに励んだものと思われます。
その宗祖が何を言うてくれたかと言いますと、
「あかんかったぞ」と言うてくれた人なのです。
やりにやったのに、俺はやってきたぞ!とは言われず「いずれの行も及び難き身」とお書物の中で仰られます。
何も出来なかったぞ、だから、この愚かな髪を伸ばしたままの姿だぞと言われます。
(私は誰よりも正直に励みに励み抜いたと思っています)
そしてなあ、何も出来ない者こそ救いたいと願われる仏様がいてくださった、阿弥陀と言われるぞ、法然様が言うておったぞとお聞かせくださいました。
有髪は、私のような愚かな者こそ救いの対象であるということを表しております。
また、こんな私が救われているのですから、あなたが救われない訳がないというメッセージでもあります。
豆知識
髪があるお坊さんは浄土真宗さんに多いですが、真言宗さんの豊山派だったかな?一派のみ蓄髪が認められております。私は外の人間なので理由は存じ上げません。
ただ、他の宗派でも有髪の場合があります。お寺の経済的基盤が弱く、お坊さん専業の収入ではお寺を護れない場合に公務員など一般の職を兼業する場合があります。その場合に職場の事情(スキンヘッドの禁止や自粛)から剃らない場合があります。
ちなみにお釈迦さまの頃は少なくとも2ヶ月に1回、指の幅2本分以上のびないうちに剃るというのがルールだったそうです(佐々木閑『出家とはなにか』大蔵出版)。意外と0ミリの写真のお坊さんより、短髪のお坊さんの方がお釈迦さまの時代のお坊さんに近いルックスだったのかもしれません。
さて、私は禅僧ですが、東南アジアの後進国で上座部の修行をしたこともあります。その時の経験ですが、カミソリの質が悪く、痛いばかりでまぁ剃れない剃れない…ホテル備え付けのT字カミソリなんか比べ物にならないくらい、文字通りに剃れないのです。
禅の修行道場では4か9の付く日に、つまり5日おきに髪を剃るルールになっています。お釈迦さまの頃と比べるとずいぶん頻繁になっておりますが、これは良質な刃物の生産が発達した地域だったからこそ出来た習慣なのかもしれませんね。シックのシェーブガードをぬり、ジレットの三枚刃でジョリジョリし、シャワーで洗い流してニベアクリームを塗れる社会とは、本当に恵まれております。
追記
書き直すとそのようなメッセージが送信されるのですか。知りませんでした。一ヶ所、一文が長かったので「。」で区切りました。内容は全く変わっていません。失礼いたしました。自動で送られるメッセージですのでお気になさらないで下さい。
浄土真宗の僧侶です
ご質問ありがとうございます、よく聞いてくださいました!
失礼なことかも?と心配なさらず、わからないこともどんどんお尋ね下さい。
結論から申しますと、髪の毛を普通に伸ばしているのは浄土真宗の僧侶だと思っていただいてほぼ間違いないです。
浄土真宗は「阿弥陀如来が十方衆生を等しく救う」という教えです。「等しく」なので、僧侶か在家かも問われません。なので、生活のあり方も基本的に僧侶と在家で大きな差がありません。お坊さんになる時(得度式)に一度頭髪を剃りますが、それ以後は剃り続ける義務はありません(剃ってもいいし、そのまま伸ばしてもいい)。
知らない方から時々「髪の毛伸ばしてるだなんて!堕落し過ぎじゃない!?」と思われることもありますが、宗派の教えに基づいたものですので、その点ご理解いただければと思います!
豆知識2
和歌山のある地域の戦国時代の真言宗の僧侶は有髪で髪を後ろに束ねて鉄砲を種子島に買い付けに行っていたと聞きます。後に、豊臣秀吉に壊滅させられましたが。物騒な時代もあったようです。戦国時代は応仁の乱という長い戦争が続き無政府状態が続いたので自分の身は自分で守るためにお寺でも僧兵が結成されたのだと思います。
また、仏式の葬儀のときなどは恐らく一様に剃髪の所作があると思います。仏道の世界に入るためです。得度とは、覚りの世界に渡るという意味があるのです。
ちなみに私の宗派は剃髪している僧侶が多いですが、面白いことに頭がつるつるですが、口の周りの髭がたくさんあって有髪の髪の毛の方のように伸ばしている御仁もおられます。上と下が逆になっている感じです。女性の尼さんなどは、有髪の方もけっこうおられます。剃髪は結構たいへんで、時々私はハゲ散らかしている時があります。プロフィールの写真は伸びているものです。最近はバリカンで一番短いので刈るだけにしていますが、やはりカミソリで剃るのが求められています。そのときは私も仕上げにニベアを使いますよ。(^o^)
質問者からのお礼
ありがとうございます
なるほど、浄土真宗のお坊さんでしたか
わかりやすいですね
それでも一度は剃るんですね
宗派が違いますが、親近感が湧きました
ありがとうございました
ありがとうございます
愚禿というんですか
ご謙遜なさっていたんでしょうね
阿弥陀様は宗派の違うものも救って下さるでしょうか?
私は本当に何も出来ないのです
でもやはり宗祖様のように努力しまくった人でないと救われないでしょうね
本当は救われたんじゃないかなと私は思いました
ありがとうございました
ありがとうございます
お寺の収入だけでは厳しい場合、他のお仕事をすることもあるのですね
確かに一般の職種だと、スキンヘッドは周囲の目が厳しかったりしますよね
他の宗派でも有髪の場合があるのですね
でも稀なんでしょうね
ニベアクリームには和みました
しっかりとお手入れをなさっておられるのですね
ありがとうございました
メッセージが変更されたと2回きましたが、私が馬鹿で何方の何処が変更されたのかわかりません
申し訳ありません
大慈様だったんですね
わざわざありがとうございました
ありがとうございます
応仁の乱ですか、懐かしいです
その様な歴史があったとは知りませんでした
口の周りを生やしていると、何だか仙人を連想します
素敵だと思います
お坊さんの番組で、女性でも剃髪されている方がいらっしゃいましたが、大変だなと思いました
私生活はウィッグを被るのでしょうか
ニベアクリームは流行りなんですかね
やはり和みます
ありがとうございました