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自分の持つ、積年の恨みの心に苦められています

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有り難し有り難し 58

幼い頃(小学校2~5年ぐらいまで)に受け続けた、実の姉からの家庭内暴力を、いまだに許す事が出来ていません。私は執念深いのでしょう。

私には6つ上の姉が居ります。両親は共働きで家には夜しか居ませんでした。学校から帰って来ると、決まって姉に暴力をふるわれました。タバコを無理やり吸わされたり、カツアゲの見張り役を強要されたり、鼻血が出るほど叩かれ蹴られ、意識が遠のきそうになった事も何度もあります。

一度、タバコの火を手の甲に押し当てられて火傷をしました。それを母親が気づいて、それからは姉と私が二人にならないように、母の職場に私を連れて行ってくれるようになり、物質的に暴力から離れる事が出来ました。最初の虐めから、既に三年ほどが経っていました。

気づいて貰う前に両親に真剣に相談すれば良かったのですが、当時、姉に「親に言ったらもっと虐めてやるから」と脅され、怖くて何も言えませんでした。

そして、30年程の時間が流れました。
今では、私も姉も、それぞれ結婚して家庭を築いております。表面上、姉とは顔を合わせる事もありますが、昔の事など何もなかったかのように振る舞ってはおりますが、私の心の中では、当時の虐められた恨みのような感情が、どうしても消えてくれないのです。この感情によって苦められているのは、誰よりも私自身であることは解っているのに・・・。かといって、今さら姉に対して何か行動をしてみた所で、恐らく私の心が安らぐとも思えませんし、何より、ここまで育ててくれた両親のたっての願いは、姉妹が仲良くすることではなかろうかと思っております。父も母も姉も、今では、まるで昔の事など全く無かったかのように私に接してきます。

現在も暴力が続いているわけでも無いというのに、私は自分の中の恨みの感情を消し去る事が出来ません。せっかく実家にみんなで集まっても、本当に笑いあっているのは私以外の三人だけな気がして、なんとも言えない白々しい気持ちになります。

執念深い私の、この黒い感情と、どう付き合っていけば良いのでしょうか。
吐き出して楽になれるのなら、それを願います。こんなにも長い年月が経っているのにも関わらず、今だに恨みを持ち続けている自分自身の執念深さに嫌気がさします。

姉のことを許して忘れたい。
もう、こんな気持ちから解放されたい。

どうか助けてください。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

恨みは最後、最終の印象を変えていく事で消えます。

今日たまたま、私を修行道場時代にコテンパンにイジメていた僧侶に会いました。
私の中ではその事はもう終わっていました。
もちろん記憶を引き出せばされたことなど色々でてきます。
ですが、私は争いが嫌いなので、争う心そのものを消そうと努力します。
過ぎた事、去った事、されたことの過去の恨みや憎しみやヘイト感情をもし克服されたいのであれば、今の相手をみることです。そして今の関係、最後の関係、最終的な関係性を以前より悪化させない様につとめてください。
かつての印象が悪ければずっとその印象が残ります。
最後の印象、最終の印象、最新の印象が変われば、あなたの中のお姉さんに対する思い起こされる印象が変わっていきます。
私にも兄弟がいますが、よく殴られましたが思い起こすことがあるとしても思い起こされただけなのです。
あなたの場合思い起こされたことに対して、ワイドショーの評論家、コメンテーターのような批判精神で臨んでしまっているんじゃないかと思います。
相手や思い起こされたことへの(ココ超大事)批判的精神、非難、否定的スタンスがあなたの心の中でネガティブガス、毒ガス効果となっているのです。それが煩悩です。患い、悩ませの本質です。
つまり、自分を苦しめる犯人は、「自分の思いへの」❝自分の悪性❞なツッコミなのです。
フラッシュバックもトラウマも、思い起こされた時点では無害無毒です。
今日私がであった元いじめっ子僧侶と私が平然と台頭に語り合えるのは私が、過去の思い起こされる思いを相手にせず、たった今のその時の相手を視ていたからです。
これを敢えて名づけますと「事実頭脳」です。「思考頭脳」「判断頭脳」「評論頭脳」は過去の記憶が付きまといます。リアルタイムの相手をリアルタイムのまま対応していると、ジャズのアドリブ演奏のように即興でその場に対応して行動するようになります。オリンピックも試合中は得点がつきません。
点数や評価が付けられる前の状態があるでしょう。
点数評価、ジャッジは後からなのです。
あなたがもし、お姉さんに対するジャッジをするのであれば、おわったケンカオリンピックではなく、あえて、今の今年の、これからの姉妹オリンピックの際に。競技をお互い終えてからにしてみませんか。

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有り難し
おきもち

家族で乗り越えて

拝読させて頂きました。あなたの積年の思いを読ませて頂きました。あなたのおっしゃる様な思いを自分から消し去ることは大変なことです。あなたのお気持ちをお察し申し上げます。
やはりその思いは簡単には消し去ることは難しいかもしれませんね。
であるならばあなたの幼少の頃のつらい気持ち、今までそれを抱えてきた気持ち、そしてこれからの気持ちをできる限り冷静にご両親様とお姉様に打ち明けなさって頂きたいと思います。やはりそのまま心に抱えていくことは解決にはならないでしょうね。
一度あなたの気持ちを皆さんにお話しなさってご自分の中でリセットなさって頂きたいと思います。
もしたご両親様やお姉様が嫌な思いをなさるかもしれませんが、それはやむを得ないことです。そのまま抱えて表面的に付き合っていっても心は通いません。疲れるだけです。
お話しなさってどの様になるかはわからないですが、そのまま埋もれさせずにしっかりとご家族の皆さんで向き合うべきかと思います。
そのことを皆さんで乗り越えて皆さん共に分かり合いそして家族のきずなを深めあい心から笑いあうご関係となられます様に心からお祈りさせて頂きますね。

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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

>丹下 覚元 様

 文章からも溢れる心根の温かさや説得力に敬服しておりました。頂いたお言葉、何度も繰り返し読ませて頂きました。まさに私を苦しめるものは、すべて私が産んだ感情です。私の産み出す思考が苦しみの本質なのですから、それらを消し去るのも私なのですね。これまで写経や禅などで心の凪を保とうと努力して来ました。方丈様のお答えから、これまでの道筋は間違ってはいなかったのだと思えました。本当にありがとうございました。

>kousyo Kuuyo Azuma 様

優しい御心使いを頂きまして涙が出る思いで拝読させて頂きました。
厳しい御回答が付けられる覚悟をしていただけに勿体なくもありがたい気持ちです。
家族で話し合い向き合う事は考えつつもなかなか行動出来ずにおりました。
今は、自身の心の鍛錬を頑張ってみたいなと思っております。上人様が心を軽くして下さったからそう思えたのだと思います。もし、それでも自分で抱えきれなくなった時、上人様のお言葉に従わせて頂きます。私の心を助けて下り、本当にありがとうございました。

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