宗派の異なる家での法事の作法について
私の父方の家系は浄土宗を菩提寺としております。
一方、母方の家系は臨済宗の檀家です。
私自身は長男ということもあり、父方の家系である浄土宗との縁を続けていくことになります(それ自体に不満はありません。むしろ積極的に阿弥陀経を覚えようとしております)。
以上を踏まえまして、お伺いしたいのは以下の点です。
先日母方の家の法事に参加した折、いらっしゃったお坊様は当然ながら臨済宗の方であり、法事も臨済宗のやり方に則って行われました。
このように、自家の宗派と異なる法事や葬儀に参加した場合においては、自家の宗派のやりなれた作方で良いのでしょうか、それとも先方の家の宗派の作法を聞いて合わせるほうが良いのでしょうか。
例えばお念珠一つ取っても、形も違えば手を合わせるときに指にかける場所も違う。焼香を火の上に乗せる作法も違う。称名も、浄土宗は南無阿弥陀仏ですが、臨済宗では南無釈迦牟尼仏です。
お経はお坊さんがお唱えなさっているものを一緒にお勤めすればよいと思うのですが、それ以外のお作法は進行をスムーズに行うために慣れた方法を用いるので良いのか、それとも親族一同で作法を合わせることで統一感のある供養をするほうがよいのか、ふと疑問に思いましたのでお伺いしたい次第です。
なんともつまらぬ悩みではありますが、よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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こういう事をきちんと質問できることは大切です
あくまで私個人の見解です。
称名については必ずご当家の本尊さまをお唱えしましょう。この場合でしたら『お釈迦さまに故人をよろしくお願い申し上げますとお願いする』ことになります。ここで『自分は浄土宗だから阿弥陀さまに故人をよろしくお願い申し上げますとお願いする』のは相当カオスな状態だとイメージしていただけると思います。供養されるのはあくまで故人であり、Jack様ではないことにご留意下さい。読経も同様です。二重カッコで強調しますが、『必ずお坊さんと同じお経』をお唱えして下さい。
ただしお念珠は自分の宗派である浄土宗の物を浄土宗のかけ方で用いて結構です。お念珠は故人がかけるものではなく、自分がかける物になります。
焼香法はお坊さんの合同法要の慣例を鑑みまして厳密には自分の宗派で良いのでしょうが、実際問題として場の空気に合わせるのがスマートでしょう。供養は故人を供養すると同時に、遺族の心をも供養するためです。その場の皆が心安らかに供養できる事を第一に考えますと、厳格になり過ぎて排他的になるのが最も本末転倒と言えます。むしろ前の人が間違えたら自分も一緒に間違えてあげるくらいの度量が望ましいでしょう。
質問者からのお礼
大慈様
お経や称名については、もちろん場の空気を読んでお坊さんと同じものをお唱えするようにはしております。一方でお念珠や焼香については、自宗派のものでもよいとのことで安心いたしました。
複数の宗派のお坊さんが集まって何かなさる際は、各々が自宗派の焼香法をなさっておられるとの話、なかなか普段、こういう話は聞けませんので大変興味深いです。
最後に、「前の人が間違えたら自分も一緒に間違えてあげるくらいの度量が望ましいでしょう」とのこと、これは目からうろこが落ちた思いです。ありがとうございました。