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嫌なことばかり思い出します。

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有り難し有り難し 10

人は嫌なこと、辛かったことは忘れられる生き物だと言われています。
でも私はどうも、そういうことを忘れられない性格のようです。

今まで生きてきて楽しかったことももちろん思い出しますが、それ以上に辛かったり悲しかったり恥かしかったことを思い出して、嫌な気分になります。

これは性格なのでしょうか。
どうしたら嫌なことをあまり思い出さずに、明るく生きていけるのか、教えてください。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

心の襞に上書きされることで、ひ弱な心が成長している

拝読致しました。

そうですね。人は嫌な経験も楽しかった思い出も、忘れ去る生き物…とはいえ、やはり辛い過去はトラウマのようにシコリを残すものです。それは一時的な気分転換で癒されても、時間の経過とともに自分の心の中でデフォルメされて、いつまで経っても心の底に居座り続けます。
冷静になって客観的に見れば、結局は自分の心の狭い輪っかの中での独り相撲に過ぎないのですが、時薬が切っ先の鋭さを幾分和らげてくれても、赤面するほどの羞恥心や深い後悔に突然苛まれたりもします。

でも、人はそうやって心の襞に次々と上書きされることで、ひ弱な心が成長しているのではないでしょうか。

お釈迦様の教えの中に、「人々の心が穢(けが)れれば、その人々が住む国土も穢れ、人々の心が清ければ国土も清い」という言葉があります。即ち、浄土、穢土(えど)といっても、二つの別々の国土がある訳では無く、そこに住する人々の心の善悪に因るものだと、浄名経というお経の中で説かれています。

例えば、こう考えてみては如何でしょう。仏の慈悲に満ち溢れた世でも、貴方の人生における様々な選択権は、全て貴方の掌の中にあります。貴方は、その選択の積み重ねによって、自分の心に投影されている世界を生きているに過ぎません。
お釈迦様は私たちを見守って下さいますが、常に優先権を持つ貴方の選択が、人生の苦にも楽にもなる。苦しみの一切が消えて無くなることはありません。苦を選択しているのは、貴方自身の心に他ならないからです。

仮に、自分の選択の積み重ねによって、心に投影された鏡のような世界を生きている貴方が、自分の過去や現在、そしてこの先の人生をも気に入らないと考えるのなら、自分の観念を変えるしかないのです。
どんなに素晴らし経験も、取るに足らないことも、ささやかな幸せも、耐え難い苦痛も、それを「1」に感じるのも、「10」に感じるのも、自分の気持ちの持ち方次第ということになります。

ご質問からは、ちょっと飛躍してしまったかな💦
確かに、言葉にするのは容易いことです。しかし、途方もない命題でもありませんね。

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有り難し
おきもち

初めまして。桑木茂光と申します。 大阪最北端に位置する能勢町にございます...
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質問者からのお礼

桑木様、回答ありがとうございました。
過去に自分のしたことで恥をかいたり辛かったりしたこと、どうやっても過去は消せないし
過去やったことが今の私につながっているんですよね。
嫌な思い出がよみがえるとき、たしかにデフォルメされているんです。
でもこれからは出来るだけ思い出すことがあっても、過去は過去と思って気にしないように
生きていこうと思います。

ありがとうございました。

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