母に期待しないようにするには どうしたらいいですか?
前回も質問させて頂いた障害者の姉を持つきょうだいです。母との喧嘩が絶えません。理解しようとして欲しい、と思う気持ちを、どうしたら手放せますか?
母は姉が最優先で、自分の趣味が同じくらい優先され、昔から私のことを後回しにしたまま忘れてしまったり、こちらが黙っているとなかったことにされたりします。たまにしかない二人での外出の約束だったり、家の中の事務的なことだったり内容は様々ですが、いい加減諦めればいいのに、何度も馬鹿みたいに傷付いてしまいます。
姉に関してソーシャルワーカーさんとの話し合いがあるのですが、今後を考えて準備することも、姉にひとりで買い物をさせることも、外出させることも、私とものすごい喧嘩をしない限り、発展しませんでした。母は自分を曲げない人です。問題の原因を探ったり、現状を変えるために何かしようとしたりしない人です。今を維持するので精一杯なのかもしれませんが、姉が少しはひとりで動けるようにしておかないと、母の入院の時などに私への負担が大きすぎます。
今まで万事その流れで、憔悴しきってしまいました。言葉で説明しても、精神的に追い詰められ泣いて訴えても、手紙を書いてみても、何も変えられませんでした。母には私の気持ちも言葉も届きません。
喧嘩も期待もせず、物事を先へ進めていく方法はありますでしょうか?
私の心をどう変えたらいいのでしょうか。
とても疲れます。
頭がおかしくなりそうです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
おつらい状況ですね…
①お姉さまのお世話に関する親子関係の悩み
②あなた自身が抱えている親子関係の葛藤
今の状況を、ふたつにわけて考えることが必要かもしれません。
①に関しては、「お姉さまのケア」という目標を中心に考えて、お母さまは共通のミッションに取り組む「上司」として、割り切ってみるのはいかがでしょう?
お世話をしている間は、お母さまの役割は、あくまで「母親」ではなく「上司」ですので、②の感情はひとまず横へ。
そして、「上司」×「部下」の目線で、仕事を円滑に進めるためのテクニックを勉強してみると良いかもしれません。例えば、「必ずNOという上司には、こう対応せよ…!」みたいな本を読むとか。
②に関しては、「自分自身で心を癒す術」を学ぶことが、問題解決への最短コースかと思います。
他人や環境に不幸の理由を求めることは一見、正当ですが、長い目でみると意外と不毛です。
「姉が○○だから…」という気持ちはいったん横に置いて、自分と母親の一対一の関係に焦点を当ててみると良いかもしれません。
自分の心が、満たされていないと感じる理由を探る。
自分の中にある正直な気持ちを認めて、居場所をつくってあげる。
それをふまえて、今ここで自分の心の傷を癒すためにできることを考える。
過去には戻れません。他人は変えられません。
しかし、それを願ってしまう自分を赦して、気持ちをラクにすることはできます。
誰かに相談してみたり、ノートに書き出してみたり。
hasunohaもぜひご活用下さい。
そして・・・
【モード③=①も②も放っておく時間】
も、大切です。
無心に掃除する。散歩する。お茶をのむ…
とにかく意識的に、①と②から離れる時間を設ける。
「背筋をのばして座り、呼吸だけに集中する時間をつくる」のも効果的です。
一日の終わりにまず10分。
明かりをおとした静かな環境で、ゆったりと腹式呼吸を繰り返す。
吐く息と一緒に、つらい気持ちは、ひとまず仏さまへ預かってもらいましょう。
そして、吸い込む息と一緒に、仏さまの智慧をほんの少し、お借りしましょう。
モード①のとき、②は放置。
モード②のとき、①は放置。
モード③のとき、①も②も放置。
最初のうちは、切り替えが難しいと思います。
だからこそ時間をかけていきましょう。
みんなに助けてもらいましょう。
きっと、大丈夫です。
合掌
期待しないというより
障害者の生活で大切なことは、親やその他の家族がいなくても、お姉さん一人で生きていける環境を整えておくことが必要だと思います。
できることは何でもしてあげたいと思うのが親の気持ち。しかし、あなたが思うようにお母さんに何かあった時に困るのはお姉さん自身です。だからこそ、お姉さんが当たり前に頼れる環境を今のうちに作ってあげることが大切です。頼れるものは頼り、お母さんが楽することは悪いことではないということを伝えてあげてほしいです。
お母さんが行動を起こさないなら、あなたが、福祉関係の事務所などに相談に行き、障害者の自立支援について相談に行ってもいいかと思います。
お母様に自分の方を向いてほしいという気持ちもあるのでしょうが、そのことより、まずはお姉さまのために何ができるのか考えることだと思います。お母様と共にお姉様のことを考え、協力していく事が、お母様の心のゆとりを作る事に繋がると思います。
質問者からのお礼
妙香さま
具体的な考え方のコツをアドバイスして下さり、ありがとうございます。多くの気付きを頂きました。
苦しい時は心の中にいくつもの感情が層になって重なっていること
実務的なことに感情が差し挟まれて上手く対応できていないこと
心の傷を癒すためにできることを、外側に求めていること
そして何よりも「それを願ってしまう自分を赦すこと」は最もできていないことでした。母を苦しめてしまう自分が大嫌いで、いつもいつも自分を責め、どうにもならない気持ちがループしていました。
掃除も料理も好きです。瞑想は何故か頭が痛くなって目眩がするので上手に出来ませんが、ゆっくり少しずつ、焦らずにシフトしていけたらいいなと思いました。
心が弛みました。
ありがとうございました。
書き留め、実践していきます。
年末年始おいそがしいと思いますが、どうぞ御身御大切に、良いお年をお迎え下さい。
円通寺
邦元さま
年末のせわしない時に、お返事ありがとうございます。感謝いたします。
「できることは何でもしてあげたいと思うのが親の気持ち。」そうですね。きっとそういうものなのだと思います。
障害者の生活で大切なことは、一人で生きていける環境を整えておくこと。正論だと思います。
そしてそのために、葛藤や喧嘩や摩擦が起きてしまっています。知的障害を持つ人は、ひとりですることに、とても時間がかかります。本人が学習するためには、家族が大きな労力と膨大な時間をかけなければなりません。でも、根気よく伝えるうちに出来ていくことがあります。出来ないこともありますが。
それを、私の家族の場合だけではなく、多くの親御さんは省略してしまいます。大変だからです。疲れるからです。忙しくて面倒だからです。そして、比較的時間があるきょうだいが幼い頃からその役割を担います。
何かあった時は本人も困るかもしれませんが、家族の負担の方がはるかに大きくなります。
「母親が動かなければきょうだいが」の御言葉はまさにその通りですし、世間のほとんどの方がそうお考えになると思います。
でも、私は生まれてからずっと、何をするにも姉のことを考えずには生きられませんでした。仕事を選ぶにも恋愛をするにも何をするにも「まずはお姉さまのこと」という人生です。
周りの人からは邦元さまのように「あなたがやりなさい」「お母さんを助けてあげて」「お姉ちゃんを支えてあげて」と言われて育ち、姉や家族のことに多くの時間を費やし、様々なことを我慢も諦めもして来ましたので、そのような御言葉を頂くと苦しくなってしまいます。
それをすれば早いことは誰よりも理解しているつもりですが、私は母親ではありません。姉は私が望んで産んだ子供ではありません。それでも、これ以上役割を果たさなければならないでしょうか? そこにとても深い憎しみや葛藤が生まれます。
このようなことを書き連ねてしまい、申し訳ありません。でも、わたしと同じ葛藤の中に生きているきょうだいはたくさんいます。
こちらをご覧になる方にも、少しでも現状を知っていただけたらと思い、失礼を承知で書かせていただきました。
本音を打ち明けるきっかけを下さったこと、感謝いたします。そして、本音を書いてしまい申し訳ありません。
上手に協力していく事で、母の心のゆとりを作れたらと、心の底から思います。
ありがとうございました。
邦元さまも、よいお年をお迎え下さい。