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亡くなった人を許す方法

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有り難し有り難し 46

よろしくお願いいたします。

私は幼い頃から、母と祖母の喧嘩を毎日のように見て来ました。
母の泣く姿を何度も見て来ました。
祖母は何かなくし物をすると母を泥棒扱いしたり、ちょっとのことで文句を言って来たり、父と結婚させるのではなかったと言ったりしていました。
しかも私がいるのも関係なくです。
それを聞かされた私は子供ながらに、私は産まれて来なければよかったのか?と悲しんでいました。

何年かたって祖母が認知症であることがわかり、母が介護することになりました。
母は介護疲れでボロボロな状態。
父は昔から何もかも見て見ぬ振り。
私が母を支えなければと思っていました。

そんな祖母も10年近く前に亡くなりました。
葬儀も無事できました。
これで長年苦しんだ悲しみから解放されると思っていました。
けれど、私の中で許せないという気持ちがあることに気づきました。
仏壇に手を合わせることに抵抗があるのです。
怖いという気持ちと、許せない気持ち、仏壇の前に行くと祖母の嫌な思い出が浮かびます。

私は出産してから体調を崩し日常生活を送るのもやっと、
なぜか、祖母が仏壇に手を合わせようとしない私に怒っているのではと考えてしまいます。

祖母が亡くなった日、夜にトイレに行くと、祖母らしい声の、うめき声が耳元で聞こえたことがありました。
何か訴えることがあったのでしょうか?
そんなこともあり、祖母に対して恐怖と許せない気持ちが消えません。
どうしたらこの気持ちは消えますか?
それと、亡くなった日の、うめき声、この意味はなんでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

仏様にお任せなさってください

拝読させて頂きました。お祖母様との今までのご関係で嫌な思いをたくさんなさってこられてその思いを消し許すことができないことを読ませて頂きました。
人間なかなか過去の出来事を自分がされたことを許すことはできないです。

例えやむを得ないとしてもなかなか過去を水に流して素直なお気持ちで許し合い理解しあうことは難しいかもしれません。

本当は許すことで自分自身が楽になり、素直な気持ちと心を取り戻すことができるとわかっていても現実にはそうたやすくいくものでもないでしょうね。

ではどうするか、お仏壇に手を合わせるときに仏様に全てお任せなさってはいかがでしょうか。
仏様は亡くなられた方々全てを受け入れて正しい道へと導いてくださいます。
そしてその方を愚かな行いを反省させて懺悔させて清い身にしてくださるのです。
ですからお祖母様が生前に犯した悪業も全て仏様に清めて頂きます様にとあなたは心から仏様に手を合わせてお願いなさってください。
そしてあなた自身の心をも清めて頂きます様にと仏様にお願いなさってください。
仏様にお任せなさることであなたの心の中の怒りや憎しみや怨みの心も少しずつ清められて消えていかれます。
人間ですからすぐあっさりではないかもしれませんが、仏様にお任せなさりながらあなたのお祖母様への思いも変わっていかれることでしょう。
仏様は無限の慈しみによって私達全てを受け入れてくださいます。
いつの日にかあなたの心の中からお祖母様への怒りや憎しみが消えていき、素直なお気持ちでお祖母様にお向き合いなさり手を合わせて真心込めてご供養なさることができる様にと心から仏様にご祈念させて頂きます。

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個別相談可能
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラーメンが有名な処です。)これからも皆様のご質問に対して誠心誠意回答させて頂きたいと存じます。まだまだ修行中の身ですので至らぬ点あろうかとは存じますが共に精進して参りましょうね。お寺にもお気軽に遊びに来てください。
ご相談は朝から午後5時まで受け付けております。 人間関係や恋愛のお悩み、自殺願望、大切な方の死に直面した苦しみなど、どんな内容でも構いません。一人で抱え込まずに、ぜひお辛いお気持ちを吐き出してください。 仏様や神様、ご先祖様は、いつもあなたを見守り、聞いてくださっています。あなたが少しでも穏やかな気持ちになれるお手伝いをさせていただきます。

認知症は認知症としてそういうものとして

私の知人でも認知症の方がおられまして、その方はほとんど会話が成立しません。
はじめて認知症の方とお話しした時は、衝撃的でした。
冷たいようですが、認知症に対するきちんとしたご理解を以て接しませんと、こちらの心が辛くなるだけであるというのが正直な気持ちでした。
医学的にはその時にはちゃんと会話が成り立てばその時だけは成り立って入るのですが、それでもすぐに前の事を忘れて「今」本人が「そうしたい」「そうだ」と思っている事をなさろうとするわけです。
良寛さんは、子供たちが「良寛さーん」と問いかければ「はーい」。
子供たち「隠れて隠れて…!(クスクス)」
良寛さん「あれ、誰もいない…」
子供たち「良寛さーん」
良寛さん「はーい」
子供たち「隠れて、隠れて…」
良寛さん「あれ?誰もいない。」
子供たち「良寛さーん」
良寛さん「はーい」
何度、やっても怒ることなく、対応していたという逸話が遺されております。
これは、認知症ではなく、仮にかつて似たような体験があったにせよ、いつでも、真新しく、その時起こったことを、きちんと対応しているという事です。
「また」「またか」はないのです。
トイレで聴こえてくるようなうめき声も「またか」ではなく、本当にその正体を見抜いてみましょう。みな、自分の中のおばあちゃんに対する気持ちが心象作用として現われただけのことでしょう。
認知症の方に対して上手に対応する方法は「これは認知症なのだ」と割り切って、何度同じことを言うようになっても、その時、その時「新たに」良寛さんのように対応なさることです。
老い、病気というものは、仕方ないことなのです。
そこに「わたし」という私的な価値観を過剰に注ぎ込めば、苦しみが沸き起こります。
病というある種「おおやけ」のありよう、ハタラキに対して「私的に」のぞむと心が苦しくなるものです。
お母さんにも読んで頂いて、二人でおばあさんを赦してあげてください。
許すとは「自分が」やろうとすることです。自分が許そうとすれば凶悪事件など許せないように許せるわけはないというのが人間の心情でであろうと思います。
この世には、人間のこちら側の願いや求めや理想をはるかに飛び越えた「ただそれ」としての動きや働きが24時間いつでもどこにでもあります。それをそのままに私を関わらせないままに過ごすことが赦す(すでに赦されていた)ことなのです。

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お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

質問者からのお礼

ありがとうございました。
まだ、直接仏壇に手を合わせることは気持ち的にも無理で、祖母が私を亡くなってもなお病気と言う苦しみを与えていると思ってしまい無理ですが、まずは心を穏やかにするために、近くのお寺に通い手を合わせてみようと思います。
心が穏やかになり、考え方も変えることができたら、その時は素直に仏壇に手を合わせられるようにしたいです。

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