学業が辛くなった時の心構えを教えてください
現在所属している研究室での研究活動に関する悩みを聞いていただけますと幸いです。
現在、私は大学院に通っています。
大学院では進学も視野に入れて研究活動を自分なりに努力してきたつもりでした。
しかし、進学をするにあたり要求される技術や知識のレベルに明らかに自分が追いついていないこと、また、自分が受け持っている実験の進捗状況の遅さや、体調不良から来る不安、実家で暮らす家族への不安なども相まって、研究へのモチベーションを保つことが難しくなってきました。
現在のプロジェクトをきっちり進めなければならないことは分かっているのですが、作業をしようと机に向かうと、過去に言われた嫌なことや、このままの進捗状況ではこんなことを言われてしまうのではないか、など、妄想も含めて嫌なことばかり考えてしまい、涙が出てきたりして、作業に集中することができません。
そのため、早めに作業を切り上げて帰宅することが増えており、学校で机に向かう時間が短くなりがちなのですが、作業がうまく進まないことへの不安が募るばかりです。
気持ちを少しでも前向きにしたいのですが、体力的に辛いとき、どのような心持ちでいればよいのでしょうか。
他人と自分を比べてしまう 過去の自分と今の自分を比べて落ち込む 悩みのなさそうな人を見て羨んでしまう
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
ヒントになれば
私の名前で検索をかけていただくと、同姓同名の著名な人たちに紛れながらも、日系海外移民とその宗教について少しだけ調べていることがお分かりいただけると思います。
だから、あなたと同じ立場、ということではなく私は僧侶という立場で調べているわけですから大学院生のあなたと同列に語ることはできません。
それでも少しは参考になるように書いてみたいと思います。
まず一つ目は研究テーマ自体に没入できないということがあります。私の場合は、基本的に土着信仰を大切にし仏教徒はあまり馴染みのなかった沖縄系移民が外国に移住したことで、仏教やキリスト教に触れ、その信者になっていくということに関心が向き、ぜひ調べてみようと思いました。ところが、調べていくうちに差別されていた日系人のなかで沖縄系はかつて差別されていて(これを二重差別といいます)、活動のなかでもあまり知りたくないことがあったことを知りました。さらに、「調べてほしくない、寝た子を起さないでほしい」という沖縄系二世の方のお言葉もあったりましたり、各方面からの嫌がらせ(私に対する個人攻撃)を受けたりしました。こうなると、調べものどころではありません。証言もいただきにくくなります。当初、人が宗教を持つことは素晴らしいことなのだから、これを調べようとしたのでしたが、そうなるとモチベーションが下がります。
あなたがこれと同じ訳はないのですが、研究テーマそのものに対して前向きになれないと意欲的になれないのは当然です。
また研究室の人間関係も影響しますし、ご家族の問題によるところもあるのでしたね。しかし、それは人間である以上、誰にもあることだと諦めて(あきらかに見て)ください。
では、どのように研究意欲を高め、雑念みたいなものを減らすのかというと、今ちょうど聞いていた精神科医で仏教から多くを学んでおられる名越康文先生が役に立つと思います。壮著としてお勧めします。
https://www.youtube.com/watch?v=Jsih7itmc-Q&t=1545s
身体が悲鳴を上げているのかも・・・。
仏教では❝心身一如(しんしんいちにょ)❞と言って、「心と身体は一つながり(=切り離せられない)」と説いています。
あなたは漠然とした将来への不安から、研究生活に集中できず、実験等も思うように進まないのでしょう。結果、体調も思わしく無くなっているのです。
ここは一つ、早めの「夏休み」を取って、旅行でもしてみては?。失礼!、「そんな気持ちになんかなれない」と叱られそうですね~(笑)。
さはさりながら、人間誰でも将来には様々な不安があります。そして、ほとんどの人は「自分の思い通りにならない」と「明らめて」、夢・希望を「諦めて」いくのです(諦める、というのは元々明らめる、という事)。
ちなみにお釈迦様は「人生とは自分の思い通りにならない」ものだ、とおっしゃいました。そのことを中国で「人生は苦なり」と翻訳されたのです。つまり、「苦=自分の思い通りにならない」という事です。
ところであなたは夜、熟睡できていますか?。もし、できていないようでしたら、一度心療内科を受診し「睡眠導入剤」を処方して頂いて下さい(近頃の薬は中毒にはならないようですから)。とにかく睡眠不足は色々な「不調」の原因になります。
大丈夫!。何とかなります(=なる様にしかならない)!。元気が出るように、蔭ながらお祈りしています。合掌 南旡阿弥陀仏
質問者からのお礼
お礼のコメントが遅くなり、すみません。
まだまだ辛いですが、諦める(=明らかに見る)ということ、実践していきたいなと思いました。
暖かい励ましのお言葉をくださった大塚住職さま、藤岡住職さま、ありがとうございます。