宗旨違いでも、お得度を受けられ方法をお教え下さい
私が得度を希望する本山に問い合わせると、「必ずどこかの寺に所属していないといけない」と言われました。
現在、私の家は先祖代々真言宗醍醐派です。宗教宗派という観点から見ると、いま私が得度したいと思っているのは浄土真宗なので、「宗派違い」「宗旨違い」「手続き違い」になってしまいます。親戚の檀那寺におられる浄土真宗西本願寺派のお寺さんとも知り合いで、よく仏教の話をし合ったり、参拝に行ったりしています。ただ、私は、浄土真宗大谷派(東本願寺派)での得度を第一希望にしています。真宗大谷派の寺院の方はほとんど存じ上げないので、寺院を直接訪問し、信徒になってその寺院の所属として本山で得度したいのですが、そのようなことは可能でしょうか? それに似た前例はあるでしょうか?
私は、この40年間、念仏メイン、阿弥陀様一心で信心してきたので、その信仰を深め、得度し、衆生教化したいのです。
「憲法第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する……」と、憲法では「信教の自由」は完全に保証されています。この憲法の大原則から見れば、「宗旨違い」でも何ら問題はないと思うのですが……。
適切で具体的なアドバイスをお願い申し上げます。
得度出家したいが、近くには寺院も師匠もなく途方に暮れています。どうすれば確実に得度の手続きを実行できるでしょうか?適切で具体的なアドバイスを。得度出家の意志は揺るぎません。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
可能ですよ。
真宗大谷派超覚寺住職の和田と申します。その御志はとても有難いと思います。
実は1ヶ月ほど前から、拙寺に僧侶になりたい方が相談に来られています。数回お話を伺って覚悟を確認したので、拙寺の門徒になって大谷専修学院に1年間入ることになりました。学費や寮費・食費等で130万円ほど掛かってしまいますが、在家の方が真宗大谷派の僧侶になるには、このルートが1番確実だと思います。
私も20年前に大谷線修学院に在籍していまして、同期は18歳から70才代までと幅広い世代に囲まれていました。寮は二人部屋でしたが、違う世代の人と寝食を共にするのは、仏教を理解する助けになった気がします。
香川県内にも真宗大谷派寺院は約60か寺ありますから、尋ねられてはいかがでしょうか?
その後の質問について・・・
1. その方は既に職を辞められていて、貯金で入学する予定です。入学までは読経や親鸞聖人の勉強をしています。
2. 定年退職してから大谷専修学院に入学する方が多かったです。西本願寺の中央仏教学院なら通信教育もあるので、在宅勉強できます。
3. 法名を頂いて仏弟子になるのが最初で、その儀式が「帰敬式」です。僧侶になるのが「得度」で、学校に通わなくても独学で試験に受かることが出来ます。「教師(住職になる資格)」が必要な人は、大谷専修学院に通います。私は大谷専修学院卒業後、3年程サラリーマンをしていましたが、「是僧是俗」の立場であることが就労の支えになりました。
相談してみて下さい
拝読させて頂きました。
できると思いますよ。
例えばあなたのその希望をそのまま本山や宗務庁にご相談なさってみて近隣のお寺を紹介して頂ければ良いのではないでしょうか?
そして一度お寺にご連絡して頂き、あなた自身もそのお寺にお参りなさり、ご住職様に面談してじっくりとお話しなさってみてはいかがでしょうか?
そしてあわてずにじっくりと考えてそのお寺でお世話になるか判断なさり、得度を受けてみて下さいね。
あなたが素晴らしいご仏縁に恵まれますようにと心から仏様にご祈念申し上げます。合掌
質問者からのお礼
一向寺のKousyo Kuuyo Azuma様、たいへん素晴らしいご回答を賜り、本当に有り難うございます!
「相談してみて下さい」というタイトルのご回答、非常に参考になりました。
「例えばあなたのその希望をそのまま本山や宗務庁にご相談なさってみて近隣のお寺を紹介して頂ければ良いのではないでしょうか?」
さっそく本山の宗務所に電話して訊いてみました。最初は事務の女性の方でしたが、要件を伝えました。そうすると、後から本山の担当者の男性の方から電話がかかってきて、非常に詳しくご回答を頂きました。いきなり出家得度を目指すのではなく、先ずは「帰敬式」を受けることを勧められました。これなら、あまり年月や時間もかからず、近いうちに実行できると思いました。一向寺のKousyo Kuuyo Azuma様も、もともと寺院のご子息とかではなく、脱サラして僧侶になられたとのこと、境遇的にも非常に親近感を覚えました。
僧侶になられるまでのご経緯
脱サラして僧侶になられるまで、どういう経緯を辿られたのでしょうか? ごく簡単にで結構ですが、できれば具体的にお教え頂ければ有り難いと思います。
真宗大谷派超覚寺ご住職の和田隆恩様、たいへん素晴らしいご回答を賜り、本当に有り難うございます!
「可能ですよ。」というタイトルのご回答、非常に興味深く拝読いたしました。
「実は1ヶ月ほど前から、拙寺に僧侶になりたい方が相談に来られています。数回お話を伺って覚悟を確認したので、拙寺の門徒になって大谷専修学院に1年間入ることになりました」。
超覚寺様の所にも、私と同じような志の方がおられるのですね。非常に心強く感じました。
1. 超覚寺から大谷専修学院へ入学される方について。 その方をそこまでお導きになった和田隆恩様を尊敬いたします。その後どうされていますか? その方は、お仕事はされていないのですか?
2. 大谷専修学院入学について。 大谷専修学院に1年間入るということは、とても魅力的なことですが、私が今すぐというのは無理のようです。不肖わたくし、小さいながらも事業所経営をしており、1年間その事業所を放棄するということができないのです。ちなみに、その事業所とは小さい出版社と一般社団法人です。
3. 非僧非俗について。 私が浄土真宗に帰依した理由は数多くございます。もちろん、南無阿弥陀仏で信心決定したことが最大最高の理由です。一方、親鸞聖人の「非僧非俗」という思想に深く感銘を受けたことも、私が浄土真宗を選んだ理由です。厳密に言えば、教行信証の中に述べられている「非僧非俗」とは違うかもしれませんが、外面的には俗人の生活をしていながら、内面的には僧でありたいのです。ただし、「半僧半俗」と異なり、内に深い罪の意識を秘めております。私は、罪悪深重・煩悩熾盛の凡夫であることを深く自覚せざるを得ません。それを自覚した上で、非僧非俗の立場から事業所経営をやり遂げたいのです。私は、先ずは「帰敬式」を受けることから始めたいと思うのですが、初歩的で中途半端でしょうか?
和田様のようなご立派な浄土真宗のプロの僧侶に対し、私ごときアマチュアがこんなことを言うのは「釈迦に説法」だと思います。ご無礼お許しください。お許したまわり、今後とも何卒よろしくご指導のほどお願い申し上げます。
合掌。