なぜ生きなければいけないのか?
私は幼いころより「生きる」ということについて疑問を持ってまいりました。
物心ついたときにはすでに生をうけておりますが、どうして生きてゆかなければならないのか?が、わかりません。
親にも「どうして生きていかなければならないのか?」
と何度も尋ねましたが、回答をいただいたことはありません。
とりえず人様にご迷惑にならないよう生きてきましたが、もう疲れました。
「いなくなる」ということのなんと難しいことでしょう。
なぜ死んでしまうことはこんなに難しいのですか?
誰かに迷惑がかかると思ったら死ぬことすら難しいです。
そういう人間社会だからしかたないのでしょうか?
生まれてきたら生きなければならない
その意味が分かりません。
生きていくことに意味はないのかもしれません
生きていくということに理由はないのかもしれません
疲れてしまいました。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
あなたのおっしゃるとおり。
”生きていくことに意味はないのかもしれません ”
”生きていくということに理由はないのかもしれません”
私はあなたのおっしゃる通りだと思います。
だから私の場合は、生きていくことの意味や理由、価値などを自分で自分にプレゼントしました。あなたもご自身に、素敵なプレゼントをしてあげられるといいですね。
”「いなくなる」ということのなんと難しいことでしょう”
”なぜ死んでしまうことはこんなに難しいのですか?”
”誰かに迷惑がかかると思ったら死ぬことすら難しいです”
大変良い事をおっしゃる。
そうでしょう。みんな簡単に死ぬ死ぬというけど、なかなか死のうとしても死ねないものです。いざ死のうとしても、世話になった方々、いらぬ世話をかけたくない人々の顔が浮かんでくるし 、フツーに怖いし、まぁ本能?としては実際には死にたくないものです。
「なぜ生きねばならないのか?」などと他人に尋ねたところで、納得する回答なんかまず返ってこないでしょう。あなたの人生を肩代わりするほどの責任ある発言を、一体誰にできましょうか。
命というのがあなた一人のものだと思うから孤独が生まれる。
まず、命というのはそれぞれが独立して存在しているものではないんです。
昨今、西洋文化の影響もあってか、「私という魂」が死んでもどこか意思を持って別世界、またはこの世に生まれ変わるという風潮が通説になってしまっています。
まぁ、それはそれ、信仰や文化はそれぞれですから、否定をするわけではありませんが。
「死んでも救われる」という考えは、安心を与えるという方便にはなりますが、人生の悩みの根本解決にはなりません。あくまで手段であり、目的であってはいけないのです。
やはり、生きているこの人生に於いて救われなければいけない。
それは、なぜか。
私たちは、宇宙という大いなる生命をシェアしているにすぎないからです。
素粒子や分子の世界でも私たちは、個別の生命体ではなく、地球上に存在する、ゆらゆらと不安定で不確定な分子の集合体でしかありません。その濃淡や組み合わせで個体ができあがっているだけで、私たちは根本的にひとつの生命体なんです。
お釈迦様は、そこに気付いたから「救いたい」という慈悲心を起こしたんです。イエスのように隣人を憐れむ心で人を救うんではなく、同じ生命体の、自分と同じ存在としての人間を救いたいと思われたのです。
あなたが自分を個別の生命体だと思うから、「生きる意味が無い」と思ってしまうんです。
しかし、あなたは私と同じ存在で、周囲の人間とも根本的に同じ存在です。
私たちは、この大自然のなかで、ありありと生きているんです。
その生きた軌跡が意味を持つんです。
訳もわからず生きる、それは辛く苦しい。けれど、様々な教えに導かれながら生きてゆく足跡こそが、生きた意味になります。
質問者からのお礼
転落院 様、不悪口院 恵成 様
ご回答ありがとうございます。
いままでずっと疑問に思いでも親以外の人に尋ねることもできず、ずっと悩んでおりました。
自問自答の繰り返しで、「消えたい」という気持ちは結局は今の自分の現状を不服に思う自分のわがままなのかもと思いながらも誰かに”あなたは悪くないんだよ”と言ってほしかったのかもしれません。
転落院 様のご回答は本当にありがたかったです。私はこのような回答を親に望んでいたのかもしれません。読みながら涙が出るほど感服いたしました。
救われるというのはこのようなことなのかもしれないと・・・
本当に有難うございました。
不悪口院 恵成 様のご回答はびっくりしました。というのも”自分の命は私1人の物ではない”という考えはわかっていたようで実はよくわかっていなかったのだと初めて気が付くことができました。新しい解釈ができたことで「生きること」について明るいイメージができました。ありがとうございます
霧が晴れたようなこの気持ちの清々しさがとてもうれしいです