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執着を捨てたいです

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有り難し有り難し 51

自分の執着の強さがとても辛いです。執着を感じた時に乗り越える考え方を教えてください。
同期後輩と比べ決して実力では劣っていないと思いつつ周りが自分より恵まれた環境にいると感じて嫉妬してしまいます。
目の前の仕事に集中しようと思ってもふとした瞬間に執着に囚われ、ウジウジとした自分に自己嫌悪してしまいます。
すでに結婚して子供ももうじき生まれ、幸せを感じているはずなのに女性への性欲が捨てきれません。
妻に申し訳ないと思いつつなんとかして周りの素敵な女性と深い仲になりたいとウジウジ悩んでメールしている自分に自己嫌悪がとまりません。
一番の問題はすぐにウジウジ悩む自分の性格てあることはわかっております。
また簡単に煩悩が捨て去れないこともわかっておりますがどうやったら執着をなるべく持たないような考え方になれるのか、
またもし執着が邪魔してウジウジと悩んでしまった時、どうやったら乗り越えられるのか教えてください。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

新たなものを得る悦びよりも今ある物を失う悲しみを

人間、最低限の欲望がないと生きてもいけません。
欲望自体はごく自然なもので、善も悪もありません。
しかし、その欲望に「執着」したとたん、それは煩悩となって自分を苦しめるのです。
例1・・・「お腹が空いた」は正常な欲望。
しかし、「うまいものばっかり食べたい!」独り占めして食べたい!」「お腹いっぱいになるまで食べ続けたい!」という「食欲への執着」は煩悩です。
例2・・・「生活のために働いてお金を稼ぎたい」は正常な欲望。
しかし、「贅沢をしたい!」「偉そうにしたい!」という「お金への執着」は煩悩です。
また、あなたの「妻がいるのに他の女性と深い関係になりたい」というのも、「性欲に対する執着」です。
性欲自身は、子孫繁栄に必要不可欠な欲望です。本来ですと、妻がいればそれで満足するはずなんですが、あなたはそれでも他の女性を強く求め、しかも実行に移している。
これは、性欲がおこす煩悩であり、それを行動に移せば邪淫となります。

あなたはもうすでに幸せなはずなのに、それをすべてぶちこわし、かつ家族をも傷つけるような欲にとらわれています。
その根底にあるのは、食欲や金銭欲と同じ、「もっとほしい、違う物がほしい、飽きたから新しい物がほしい」という尽きることのない「欲望への執着」なんです。あなたはそんな自分がいやだと思って、改善しようと悩んでいるので大丈夫ですが、そういった尽きることのない煩悩は本当におそろしいものです。

その煩悩のおさえかたは、「違う女性と関係を持てた時の悦び」よりも、「いまの家族を失う悲しみ」を強く想像することでしょうか。人間、恵まれているときはネガティブな想像は出来にくいもの。いまのあなたの冷静ではない感情をいったん落ち着かせ、本当に大切な物を失った後の空虚な人生を強く想像しましょう。

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「欲・怒り・怠け・プライドは煩悩」

「欲・怒り・怠け・プライドは煩悩、煩悩は悩み苦しみの原因」と、毎日心の中で念じましょう。
自分で自分の煩悩をスキャンするかのように。
煩悩は悪魔にたとえられます。
この悪魔の弱点は、正体を見破られることなのです。
悪魔は、日常生活でいつのまにか、あなたを惑わします。
そのとき、「欲・怒り・怠け・プライドは煩悩(悪魔ちゃん、君の仕業だろ?バレバレだよ!)」と念(気付き)を入れると、
悪魔は、「この人は私に気付いておられる、この人は私の正体を見破っておられる」とビビって、活動が弱まるのです。
※これはイメージです。

別の表現を使うならば、理性を司る脳の前頭葉を働かせるために、脳に「欲・怒り・怠け・プライドは煩悩」というキーワードを入力するのです。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。
お坊さんに相談できて心がすっと楽になりました。
失うものを想像してみること、大変参考になりました。
その他の執着に対してもネガティブな欲望をそのまま実行した場合どういう結果が待っているのか都度想像してみるようにしてみます。

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