お墓について
5年前に父親を亡くし、お墓をたててあげられないまま今に至ります。
私は双極性障害という病気で精神障害者2級、障害厚生年金をもらっています。両親は離婚しており、私は一人っ子です。今になって、毎日父親のお墓をどうにでもしてたててあげたい。そう思っていますが、父親の土地や家やお墓は叔母さんが管理しているため、お墓を建てるのにも叔母の許可がいるのでどうしていいかわかりません。お墓に関してなんの知識もなく、困っています。わたしはどうしたらいいのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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お墓はお墓という墓石を立てることが目的ではない
お墓とは誓願の供養塔。
お世話になったお父さんへの報恩感謝のしるしとして、誓願をたてる(立てる・建てる)のです。仏教では四弘誓願文といいまして
1 困っている人をお助けします
2 煩悩を断ち切ります
3 仏法を学び自己を明らめます
4 仏の道を成就します
というお誓いをし、菩薩行・利他行といわれる行に尽くします。
これはボランティア的なものではなく、自身の向上を求めて「菩提心」を起こせばおのずからそれが為されるようになるというものです。
お釈迦さまを悟りに導いたのも、道元禅師や祖師方を悟りに導いたのもみな「菩提心」です。
昔は菩提を弔うと言いましたが、どうぞお父様の菩提を弔うべく、あなたも誓願をたててください。そうすればいつか結果的に石塔をたてることもできるものです。
日本は形から入る文化ではありますが、仏教は形ではなく実証・実践です。
まずは報恩感謝の誓願をお立てください。
菩提心を発願するのです。
「菩提心を発すというは己いまだわたらざる前にも一切衆生をわたさんと発願し営むなり」
誓願あるところ、菩薩の行、仏行が現れます。
お墓とはストゥーパ。お釈迦さま、故人様の法身・法体であり、菩提心の象徴です。
形よりも心の中にその誓願を立てるべきです。今日本人が一番失っている心はそこでしょう。
お墓がただのお骨をおさめる供養塔になっています。
仏教において墓石とはただの供養塔ではなく、報恩の菩提心の誓願供養塔なのです。
なぜなら、仏弟子たちは皆、釈尊の供養塔をお釈迦さまの法身として敬い、自ら進んで仏になるべく精進したからです。そういう意味合いを込めてまず、誓願を立てられますよう。
先ずはその叔母に相談してはどうですか?
お父さん側の祖父母のお墓に入れてあげてもいいと思いますよ。
叔母の考えも聞いてみましょうね。
急ぐ必要はありませんから、あなたの気持ちが落ち着いている時にでも相談してみてくださいね。