身近な人と仲良くする意義について
娘は発達障害で、身近な人(家族やクラスメート)と仲良くする意味が分からないと言います。これは、ただ具体的な理由が本当に分からないための質問ですが、言われた方は「仲良くする意味がない」と解釈して、ショックです。
では、どうして仲良くしなくちゃいけないか、後で自分が困ると説明しても、後のことについて発達障害の子は想像できません。
家族みたいに、仲良くしなくちゃいけない人、クラスメートみたいにほどほどに仲良くしなくちゃいけない人、親友みたいに仲良くできる人、それぞれ「仲良くする意義」を教えてください。私には、なかなかまとめられず、娘に理解してもらえないのです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
リズム・メロディ・ハーモニー
専門的なカウンセラーの方に伺いつつ、徐々に理解を深めていくのが
よろしいのだろうと思いますが、わたしの考えを記してみます。
音楽、という世界があります。
娘さんも好きかもしれません。
音楽は、ひろく「三つの要素」で成り立っているとされています。
すなわち「リズム(律動)」「メロディ(旋律)」「ハーモニー(調和)」
です。
リズム、メロディは、自分一人でもできます。それだけで楽しめるもの
でもあります。
それが、ちがう音などと合わさることによって、思っても見ない世界が
開けることがあります。それがハーモニーです。
これは人間にも十分あてはまると思います。
ひとりで遊んだりすることや、その遊びをひとりで工夫することもある。
あるいは仕事なども、わたしにしか出来ない仕事、またそれを工夫して
効率を高める、ということもありますが、そこに違う手法の遊びや仕事が
入ることで、全体的に幅が広がることがあります。
それが「他人」とのハーモニー、すなわち「仲良く」することの姿に
なるのではないでしょうか。
娘さんにとって他者は絶対的に「思い通りにならない」存在であろうと
思います。
その、思い通りにならない相手の「音」すらも楽しめるかどうか。
楽しみの幅を広げるなかに、だれかの「わたしの思い通りにならない音」
をおもしろんで楽しめるか、仲良しとは、そうしたハーモニーを
楽しむことなのではないかと、思うところであります。
とはいえ、あまり参考にならない回答かとは思います。
発達障害の娘さんの「楽しみ」を、大人であるわたしたちも理解し、
その音を楽しむ気持ちを、わたしたちも持たねばならないのだと、
ご質問から学ばせて頂きました。ありがとうございました。
娘さんの幸いと、ご家族みなさまの幸いを心より祈ります。
さちあれ。さちあれ。
違うところを探してみる
さちこさん、はじめまして。質問を拝読いたしました。
さちこさんの娘さんは発達障害があり、「身近な人(家族やクラスメート)と仲良くする意味が分からない」と言われて、仲良くする意義をどのように伝えたらよいのか分からないのですね。
私は良いところや違うところを探すゲームみたいなものだと思っています。
家族みたいに仲良くしなくちゃいけない人
お互いに良いところや違うところを30個探してみましょう。お互いに良いところや違うところを教え合うことにより、親近感が湧き家族のように仲良くできると思います。
クラスメートみたいにほどほどに仲良くしなくちゃいけない人
上記と同じように良いところや違うところを見つけ合います。ただし、3~5個ぐらいが適当でしょう。深入りすると嫌がられてしまうでしょうから。
親友みたいに仲良くできる人
クラスメートよりもたくさんの良いところや違うところを見つけ合うことができる人です。相手のことをより深く知りたいと思える人を親友と言いますから。
仏教的に言うなら「相互供養 相互礼拝」です。
互いに相手を供養するように大事にし、互いに礼をし合う関係を意味します。
娘さんの未来よりも、今を楽しむことができるよう見守ってもらいたいものです。
質問者からのお礼
大晃さま
ありがとうございます。
音楽での例え、なるほどと思いました。私がなんとなくで理解してるような事を、娘には理屈で説明しなくちゃ分かってもらえないので、いつも説明に苦慮します。
太釈さま
ありがとうございます。
良いところ探しは、思いつきませんでした。悪いところばかり指摘してしまいますが、良いところだけ知ってやってもらう方が良いですよね。
いつも理屈で説明しないと納得してもらえず、どうにかこうにかひねり出しているのですが、今回はなかなか思いつかず、お知恵をお借りしました。ありがとうございました。