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戒名をお願いすることについて

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有り難し有り難し 20

私の実家は、曹洞宗のお寺さんの檀家です。

そのお寺さんに、私自身の戒名をお願いしようと考えています。

しかし、周りから「まだ早い」と言われました。
(私は37歳の既婚です)
(主人と、私の実家の家族に「まだ早い」と言われました)

私が戒名を今お願いしようと思ったのには
2つの理由(タイミング)がありました。
・母の三十三回忌が今年である
・母が亡くなった年齢と同じ年齢になった

ちなみに、主人の家族には戒名の話(相談)はしておりません。

30代で戒名をお願いするのは早いのでしょうか?

そして既婚であるが故に悩んでいることがあります。
それは、
実家の菩提寺(檀家であるお寺さん)は
私が小さい頃から仏教のことを教えてくださった
大切な存在なので、
・戒名をお願いする事
も、
・亡くなった時のお墓
も、そのお寺さんにしたいのです

しかし、私は嫁です。嫁ぎ先ではなく、
実家のお寺さんにお願いすることは
いけないことなのでしょうか?

拙い文章で申し訳ありません

①戒名をお願いする年齢
②嫁の立場で実家のお寺さんにお願いする事

についてご教示いただけると幸いです
よろしくお願いいたします


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

本当は早い方がいい

まず戒名というものは死後の名前ではありません。ここ本当に誤解されがちですが、ポイントです。曹洞宗であれば不殺生など十六条の戒を授かり、お釈迦さまから一直線に続く師弟関係の血脈に名を連ねることです。実はメインは戒を授かること→授戒であり、名前そのものはサブなんです。

だから本来なら1日でも早い方がめでたいんですよ、いや本当に。

まず、授戒そのものは日本では何回もやってオッケーです。ウチのお檀家さんでも永平寺や總持寺などの授戒会に参加し、葬儀は菩提寺であるウチのお寺で…というようなパターンは珍しくありません。中には宗派をまたいで高野山や比叡山の授戒会に参加される人もたまにいらっしゃいます。

ただ、その授戒を戒名とは呼ばないで下さい。面倒なことになります。そして個人の信仰としての授戒と、家の信仰としての葬儀は割り切って両立するように考えた方が誰の立場からしてもスムーズになります。
一応書いておきますと戒名は実家の菩提寺、葬儀は嫁ぎ先の菩提寺ということはあり得ません。

昔から自然なやり方として、嫁ぎ先の菩提寺さんを本導師に、実家のお寺さんを脇導師にお願いすれば無難です。お世話になったお坊さん、仲の良かったお坊さんに脇導師をお願いするのはよくある話です。宗派を超えてお願いなさっても大丈夫です。その場合は脇導師ではなくなりますが、来ていただくこと自体は何の問題もありません。たまにある話です。もちろんあらかじめ話を通しておくことが大切です。

お墓を菩提寺に頼まないこと自体は普通は問題になりません。ただし、家族だけでなく一族の問題であることを踏まえてよくよく皆さんと話し合って下さい。そして自分の問題ではなく、お墓のお世話をする子孫の問題であることを踏まえて計画なさって下さい。

お墓にこだわらなければ、例えば家の仏壇の位牌とは別に、実家のお寺の祠堂(しどう)に大奥さん個人の位牌を入れていただくという選択肢もあります。あるいは何らかの形で永代供養をお願いするという選択肢もあります。例えばお盆の大施餓鬼で毎年大奥さんの戒名を読み込んで下さい…というように。その場合でも嫁ぎ先の菩提寺と両立する形になります。

詳しくはご実家のお寺さんと嫁ぎ先のお寺さんにご相談ください。案外に選択肢は色々あるものです。
肝心なのは根回しですので、家族親族の皆さまともよくよくご相談ください。

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曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
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先ずは相談と覚悟を持ってください。

 信教の自由は保障されておりますが、檀家制度が反って重荷になっていますね。
 そもそも戒名とは仏弟子になった証です。葬儀も仏弟子になる儀式を先ず行います。そして、亡くなった方はお釈迦様の元へと旅立たれ、一緒に修行するのです。という設定ですがね…。生きている内に戒名を授かるということは仏弟子になると同時にそれ相応の修行を自分でしなくてはなりません。
 修行といっても普段の行いを丁寧にしたり、履き物を揃えたり、困っている人を見たら寄り添ったり、たまに坐禅会や写経会に行ったりと自分で出来る範囲で良いのです。
 それを踏まえて、先ずは貴女の覚悟と想いを家族や菩提寺さんに伝え相談して下さい。
 また、困ったら、いつでも相談して下さい。

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質問者からのお礼

大慈様
とても丁寧にいろいろな事を教えていただき
本当にありがとうございます!
【嫁ぎ先の菩提寺さんを本導師に、
実家のお寺さんを脇導師にお願いすれば無難です】
ということ、とても勉強になりました

いつか来る自分の死を家族に言い遺すにも
家族も困らないよう、
そして、菩提寺のお寺さんにも失礼のないようにできるかな…と思いました

主人の実家は数年前に初めて霊園にお墓をつくり、
その時に初めて近くのお寺さんにお願いしたような状況でしたので
それまでは仏教を信仰しておらず、今も檀家ではありません

一方、私の実家は、ご先祖様から菩提寺のお寺さんに縁のある家系でしたので
実家の菩提寺のお寺さんに全てをお願いしたいとずっと考えていました

今後は主人の実家とも話をしていきながら
各方面で失礼のないよう決めていきたいと思います

そして、戒名も早めにお願いできるよう、準備を進めていこうと思います

観音寺 大鐵様
とても心に響くご回答をありがとうございました!

【生きている内に戒名を授かるということは、それ相応の修行を自分でしなくてはなりません】

私にはまだその覚悟が出来ていないかも…と思いました

年齢や、条件だけで戒名をお願いするのではなく、自分がきちんとお願いできるようになったら、早めに菩提寺のお寺さんにお願いに行きたいと思います

おふたりの方にご丁寧な回答をいただき、本当にありがとうございました
とても勉強になりました
また質問をさせていただく際には宜しくお願い申し上げます

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